ウィリアムズF1が、レッドブル・レーシングでマックス・フェルスタッペンを長年支えてきたレースエンジニア、ジャンピエロ・ランビアーゼの獲得に向け、アストンマーティンF1と並んで動いていることが明らかになった。英伊二重国籍を持つランビアーゼについては、日曜日にThe Raceが、アストンマーティンF1への移籍の可能性を報じていた。シルバーストンを拠点とする同チームでは、将来的にCEOやチーム代表へと発展する可能性を含むシニアポジションでの起用が検討されているとされる。
これに対し、オートスポーツ誌は、2025年シーズンを競争力ある形で終えたウィリアムズF1も、ランビアーゼ獲得に向けて候補に浮上していると伝えた。グローブを拠点とするチームは、来季以降を見据えた体制強化の中で、同氏を重要な補強対象と位置づけているという。さらに放送局ラジオボックスは、クリスマス前にウィリアムズF1が、チーム代表ジェームス・ボウルズ体制のもとでランビアーゼと合意寸前まで話を進めていたと報じている。ただし、アストンマーティンF1との接触がこの流れを鈍らせ、現在は中団勢同士による獲得レースに発展している可能性がある。アストンマーティンF1が持つ優位性アストンマーティンF1が優位に立つ要素は複数あると見られている。まず、資金面での制約が比較的小さい点に加え、競技的な将来性も魅力となり得る。ランビアーゼは、マネージング・テクニカル・パートナーであり、次期チーム代表就任が見込まれているエイドリアン・ニューウェイから高く評価されているとされる。両者は、ニューウェイが昨年レッドブル・レーシングを離れる以前に、同チームで共に働いていた関係にある。この関係性は、ランビアーゼと私生活でも親しいマックス・フェルスタッペンを、将来的にレッドブル・レーシングから引き抜く構想とも結びつく可能性があると指摘されている。またランビアーゼは、F1キャリアの初期をジョーダンでスタートさせ、その後ミッドランド、スパイカー、フォース・インディアで経験を積んできた。これらはいずれも、現在のアストンマーティンF1へと連なる系譜のチームであり、実質的に過去に在籍した環境へ戻る形にもなる。一方で、レッドブル・レーシング内部では、ランビアーゼをグランプリ全戦への帯同を必要としない新たな役割へ配置転換する可能性も取り沙汰されている。実際、直近シーズンでは私的理由によりオーストリアGPとベルギーGPを欠場し、その間はサイモン・レニーがピットウォールで代役を務めていた。こうした状況を背景に、アブダビGP決勝後、フェルスタッペンが勝利を挙げた一方でタイトルを逃した場面では、45歳のランビアーゼがピットウォールで感情をあらわにする姿が確認され、レッドブル・レーシングでの将来を巡る憶測が一段と強まることになった。
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