2025年F1シーズンでは、決勝後の車検で5台が失格となった。中国GPではフェラーリ2台、さらにピエール・ガスリー(アルピーヌ)、そしてラスベガスGPではマクラーレン2台がスキッドブロック摩耗の規定違反で失格となっている。これを受け、レッドブル・レーシングのマックス・フェルスタッペンは、FIAが全20台を毎戦詳細に検査すれば「半分は確実に下限を下回っている」と主張した。
フェルスタッペンは、ラスベガスでのマクラーレン2台の失格がタイトル争いを大きく動かしたと語る。このレースでランド・ノリスとオスカー・ピアストリは2位と4位でフィニッシュしたものの、失格によりそれぞれ18点と12点を失った。その結果、フェルスタッペンは残り2戦を前にノリスから24ポイント差、ピアストリとは同点となり、カタールGPとアブダビGPでの連勝によって、最大104ポイント差を追い上げて最終的にタイトル争いを2ポイント差まで縮めた。「僕にとっては早めのクリスマスプレゼントだった」とフェルスタッペンはViaplayに語った。「少なくとも、少しは面白くなった。そうでなければ、アブダビがあそこまで接戦だなんて話題にならなかったはずだ」「F1にとってもポジティブだったと思うし、僕にとってもそうだ」ラスベガスでは通常の重量測定だけでなく、より詳細な検査が行われた。FIAテクニカルデリゲートのジョー・バウアーは、マクラーレンをスチュワードに付託。ノリスのマシンはフロント右が8.88mm、右リアが8.93mmと、規定の9mmを下回っていた。ピアストリもフロント左8.96mm、フロント右8.74mm、右リア8.90mmと、3か所で違反が確認された。フェルスタッペンは、こうした検査が全車に及べば、失格はさらに増えると考えている。「もちろん、みんな限界を探る。僕たちは全員そうだ」とフェルスタッペンは説明した。「そして時には、うまく逃げ切れることもある。毎回チェックされるわけじゃないからね」「毎レースそれをチェックしたら、半分は確実に下限を下回っていると思う」ただし、全車に対する詳細検査は現実的ではないとも認める。「無理だね。そうしたら大量の人員が必要になる。それは現実的じゃない」この“ランダム性”については、マクラーレンのダブル失格直後にアレクサンダー・アルボンも問題視していた。アルボンは、現行の検査体制が、違反のリスクを承知で限界を攻める余地を与えていると指摘している。「正直言って、やろうと思えば、デッキまで下げて走らせることもできる。検査されなければ合法のままだ。でも、そうなると全員が違法なパフォーマンスを追いかけることになる」とアルボンはPlanetF1.comなどの取材に答えた。「僕にとって一番嫌なのは、ランダムであることだ。むしろ毎週20台すべてをチェックした方が、フェアな戦いになると思う」「でも、今のランダム方式は少し厄介だ」「ただ、ルールはルールだけどね」2025年F1で相次いだ失格と、その検査体制を巡る議論は、フェルスタッペンとアルボンの発言によって改めて注目を集めることになった。
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