マックス・フェルスタッペンに本気で対抗できるなら、それは相当な実力者ということだ。だがリアム・ローソンは今年序盤、オランダ人ドライバーに完膚なきまでに打ちのめされ、元F1ドライバーのアンソニー・デビッドソンが特異な表現で評することになった。2024年末にセルジオ・ペレスが放出され、リアム・ローソンがレッドブルの後任に抜擢された。F1参戦はわずか11戦のみという経歴だったが、オーストリアの名門は彼を昇格させる決断を下した。しかし状況はすぐに悪化する。
オーストラリアGPではQ1敗退に終わり、さらに雨の決勝ではリタイア。続く上海インターナショナル・サーキットでは、スプリントとグランプリ双方の予選で再びQ1敗退を喫し、ノーポイントに終わった。これを受けてレッドブルは早々に動き、ローソンをレーシングブルズへ降格。これにより、彼はレッドブル・レーシング史上最も短期間で姿を消したドライバーという不名誉な記録を残すこととなった。アンソニー・デビッドソンは、2025年シーズン前半14戦を振り返り、ローソンを失望組に分類している。「リアムはシーズン序盤、レッドブルでかなりの打撃を受けた。わずか2戦で交代させられたんだ。あのセカンドシートはこれまでも多くのドライバーのキャリアを奪ってきたし、リアムもその一人だ。勇気のある決断だとは思う。誰も近づきたがらない場所に飛び込んだのだから。そこで待っているのは、マックス・フェルスタッペンに食い尽くされ、吐き出される運命なんだ」とデビッドソンはFORMULE 1 Magazineで語っている。「それは誰にでも起こることだ。マックスはキャリアを終わらせかねない存在だ。だがリアムの場合はそうならなかった。今は回復過程にある。チームメイトのアイザック・ハジャーとの戦いは互角になるだろう。最初にBチームへ戻ったとき、彼はまるで別人のようだった。でも今は再び速さと自信を取り戻しているのは良い兆しだ」