TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamは、5月17日(木)から20日(日)にかけて開催されるFIA世界ラリー選手権(WRC)第6戦ラリー・ポルトガルに、ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組(ヤリスWRC 7号車)、オット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ組(8号車)、エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム(9号車)の、3台のヤリスWRCで参戦する。ラリー・ポルトガルは、ヨーロッパで行われる2018年シーズン最初のグラベル(未舗装路)ラリー。
ラリーの舞台となるのはポルトガル北部で、大都市ポルトの西北に位置するマトジニョスにサービスパークが置かれる。SS(スペシャルステージ)の路面は全体的に軟らかく、道の表面は「ルーズグラベル」と呼ばれる、目の細かな砂利によって覆われている。出走順が早い選手はルーズグラベルの上を走ることになるため、タイヤが本来のグリップ性能を発揮できずタイムロスを避けることができない。やがて、数台のクルマが走行するとルーズグラベルは徐々に掃けていき、その下から比較的硬質な路面が露出するためグリップ性能が高まる。しかし、多くのマシンが走行すると深い轍(わだち)が刻まれ、地中に埋まっていた岩盤や石が掘り起こされるため、同じステージを2回目に走行する際にはパンクの危険性が高まる。ラリーは5月17日(木)の夕方に、ポルトガル王国発祥の地とされる古都ギマランイスでのセレモニアルスタートで開幕し、その後デイ1としてラリークロスサーキットでスーパーSS「ロウサダ」が行なわれ競技がスタート。翌日18日(金)からスペイン国境に近いサービスパークの北側エリアでデイ2として本格的なグラベルSSが始まる。3本のステージを午前と午後で各2回走行し、1日の最後にはポルト中心部で2本の市街地SSが行なわれる。 19日(土)のデイ3はサービスパークの東側カブレイラ山脈周辺で6本のSSが、最終日となる20日(日)のデイ4はサービスパークの東側で5本のSSが行なわれる。SS17とその再走ステージであるSS20「ファフェ」はビッグジャンプで知られ、毎年大勢の観客が集まる名物ステージ。また、SS20はトップ5タイムを記録した選手に対しボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されている。4日間で20本のSSが行なわれ、その合計距離は358.19km。リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は1583.08kmとなる。トミ・マキネン(チーム代表)アルゼンチンでの勝利により、チームは大きな自信に満ち溢れており、ラリー・ポルトガルをとても楽しみにしています。また、先週行なった事前テストも非常に上手く行き、万事順調だと思います。ポルトガルとアルゼンチンの路面コンディションは非常に似ているため、ポルトガルでも力強いパフォーマンスを発揮する自信があります。過去に私はドライバーとしてポルトガルで2回勝っていますが、ここはあまり石や岩が多くないコースのため比較的簡単で、少なくともそれほどトリッキーではないラリーだといえます。アルゼンチンもポルトガルも高速なラリーではありますが、アルゼンチンほどはドライビングの正確さが求められませんし、ポルトガルの方がより走りを楽しむことができるはずです。従って、通常であればそれほど難しいラリーではないのですが、優勝を目指して戦う以上、他のラリーと同様、挑戦しがいのある1戦となります。今回もきっと良いラリーになるだろうと私は確信しています。ヤリ-マティ・ラトバラ (ヤリスWRC 7号車)私の戦いは序盤に終わってしまいましたが、それでもラリー・アルゼンティーナはポジティブな1戦でした。クルマの仕上がりは本当に素晴らしく、リタイアするまでは私自身にもスピードがありましたので、大きな自信を持ってラリー・ポルトガルに臨むことができます。我々のクルマはポルトガルでも強さを発揮する自信があります。路面がスムーズで、流れるようなコーナーがより多くあるという違いはありますが、ラリー・ポルトガルのコースは、ラリー・アルゼンティーナと非常に良く似ています。ですから、我々のクルマがポルトガルのコースに合わないようなことはあまり考えられません。先週、事前テストをポルトガルで2日間行ない、その内容にはとても満足しています。テストドライバーであるユホ・ハンニネンと一緒にテストをし、クルマにファインチューンを施したところ、非常に良いフィーリングを得ることができました。オット・タナック (ヤリスWRC 8号車)良いフィーリングでポルトガルを迎えることができそうです。クルマはきっと力強いパフォーマンスを示してくれるはずです。先週の事前テストではさらなる改善と、性能向上に注力しましたが、すべてがとても良好でした。ラリー・ポルトガルは私のお気に入りのラリーのひとつで、あの素晴らしい雰囲気を味わうことをいつも楽しみにしています。また、私にとっては2009年にWRCデビューを飾った思い出深いラリーでもあります。アルゼンチンと同様のパフォーマンスを発揮することが目標ですが、状況を見ながら戦いを進めていくつもりです。デイ2の金曜日は、出走順の関係で我々にとって厳しい1日となることが予想されます。自分たちよりも前に2台が走るので、その走行ライン上を走ることになるでしょうが、とにかくポルトガルは路面のルーズグラベル処理がタイムに大きな影響を及ぼすラリーです。また、選手権争いに関してもポルトガルは重要な1戦となります。アルゼンチンでは上位とのポイント差を少し縮めることができたので、ポルトガルでもそれを目標に置いて戦います。エサペッカ・ラッピ (ヤリスWRC 9号車)ポルトガルは私が昨年初めてWRカー(ワールドラリーカー)をドライブしたラリーなので、ポルトガル以降のイベントは経験差による不利が少なくなるのではと期待しています。シーズンの序盤浮き沈みが大きかったのは事実ですが、それでもいくつかのラリーでは自分でも驚くほどの速さがありました。ポジティブな要素が多くありましたので、ネガティブな出来事から多くを学び、それをシーズン後半に改善の糧として活かしたいと思います。今後はWRカーでの出場経験があるラリーが続き、特にポルトガルは基本的に去年と同じ道を走るので、自分にとってはチャンスです。アルゼンチンでもクルマのセットアップに関してはかなり満足していましたが、事前テストではさらなる改善をヤリスWRCに施すことができました。ラリー本番ではラリー・アルゼンティーナの時とは違い、最初のステージから全開で行ける自信があります。
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