トヨタは、ル・マン24時間レースまでにエンジン規約が変更されない限り、アウディに挑戦することはできないと考えている。トヨタのテクニカルディレクターを務めるパスカル・バセロンは、スパ後のチーム分析で、現在の性能調整(Balance of Performance )が、アウディのターボディーゼルに有利に働いていることを示したと述べた。
「状況には満足していない。なぜなら、我々は彼らと戦うことができないからだ」とパスカル・バセロンはコメント。「実際のところ、ル・マンでの我々のチャンスは非常に小さい」パスカル・バセロンのコメントは、トヨタがスパ戦には票したプレスリリースの楽観的な文面とは対照的だ。パスカル・バセロンは、WEC世界耐久選手権のレギュレーションを定めたACOとFIAに対し、ル・マン24時間までにBoPを調整するよう訴えた。「我々は、BoPを進化させる必要があると考えている。そのためのプロセスが存在し、進行している。それによってどうなるかを見定めなければならない」「ACOとFIAがBoPを適切にすることがどれくらい難しいかについて過小評価していないが、彼らがBoPを正そうとしていると信じている」パスカル・バセロンは、最新のアウディR18 e-tronクワトロが、トヨタTS030ハイブリッドに対し70〜80馬力のアドバンテージがあると見積もっている。ACOのスポーツマネージャーを務めるバンサン・ボメニルは「プロセスは進行中だ。我々は常にデータを解析している。これ以上のことは語せないが、それはすべてのクラスに当てはまる」とコメント。これに対し、アウディスポーツのヴォルフガング・ウルリッヒ代表は、スパの結果は、変化が必要であるという十分な証拠にはならないと主張した。「新車なしで開幕戦に来て、2戦目に新車を一台持ち込み、半分しかレースを戦っていないチームが、どうやってBoPの変更を求めることができるんだい?」とヴォルフガング・ウルリッヒはコメント。「トヨタの新車は、少なくとも我々のル・マン仕様に匹敵していた」トヨタは、ターボディーゼルエンジンに対するエアリストリクター径が3%減らされたが、燃料タンクがそのままとされた冬の段階で大きなミスを犯したと考えている。「昨年の間違いは、パワーにだけ集中し、燃費を置き去りにしてしまったことだ。我々が2つのうち1つをオープンなままにしておけば、ディーゼル技術はそれを利用することができる」パスカル・バセロンは、アウディが燃費の優位性をパワーに回したのではないかと主張する。「昨年、アウディは我々よりも3〜4周多く走っていた。今年は2周少ない」また、パスカル・バセロンは、スパで2013年仕様のTS030が予選よりもレースの方が競争力があるように見えたのは、アウディが特にロングテール仕様車が、実際の実力を出していなかったためだと主張する。「レースの方がよく見えたが、それはアウディのエンジンセッティングに関連があるはずだ」アウディは、エンジンパワーを絞ってレースを戦っていたのかと質問されたパスカル・バセロンは「その通りだ。それははっきりと結論が出ている」と述べた。
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