GR010 HYBRIDがセブリングを初走行し開幕戦へ向け準備TOYOTA GAZOO Racing(以下トヨタ)は、3月12日(土)、13日(日)の2日間にわたって米国フロリダ州のセブリング・インターナショナル・レースウェイで行われた、FIA世界耐久選手権(WEC)の2022年シーズン初の公式走行セッションとなるプロローグテストに参加し、開幕戦へ向けた準備を進めた。
来る18日(金)に決勝が行われるWEC開幕戦セブリング1000マイルレースを目前にして同じコースで行われるこのテストは、トヨタがチャンピオン防衛を目指す2022年シーズンの幕を開ける毎年恒例のWECの公式イベント。この2日間にわたるプロローグテストでは、トヨタはハイブリッド・モーターの駆動が可能になる車速が高められるなど、新たに設定されたバランス・オブ・パフォーマンス(性能調整)に合わせるべく、ラップタイムを追い求めずにセブリング初走行となるGR010 HYBRIDのセットアップとデータ収集に専念した。セバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮の駆るGR010 HYBRID 8号車は2日間のセッション合計で281周を走破し最速タイムは1分49秒101で総合9番手。またディフェンディングチャンピオンとして今季に臨むマイク・コンウェイ、小林可夢偉、ホセ・マリア・ロペスの7号車は269周を走破し、1分49秒465で15番手となった。トヨタがこの米国耐久レース発祥の地で最後にレースを戦ったのは2019年。TS050 HYBRIDで臨んだトヨタは当時のコースレコードタイムを塗り替える速さを見せ勝利を飾った。そして今季、若干の改良が加えられたハイパーカー GR010 HYBRIDが12日(土)の朝にテスト走行を開始し、2022年シーズンに向けてのデビューを果たした。今季よりトヨタ WECチームのレギュラードライバーとしてGR010 HYBRID 8号車を駆る平川亮は、自身初走行となるセブリングで、チームの一員として初めて公式なセッションに臨んだ。平川亮は12日(土)の午前中、第1回目のセッションが開始されてすぐに8号車のステアリングを握り、全長6.019kmのコースでの走行へと繰り出した。1940年代の米軍飛行場跡地に造られたセブリングは、コンクリート舗装の荒れた路面で知られている。チームはこの独特なコースの攻略に向け、すぐにGR010 HYBRIDのサスペンションと空力のセッティングの最適化作業に取りかかった。走行初日となった12日(土)午前中の第1回目は、激しい嵐にも見舞われ、セッションは予定よりも1時間ほど早く終了した。その後も強い風は続いたものの雨は止み、コース路面が急速に乾いていったこともあり、チームは午後のセッションでセットアップとタイヤ評価の作業を続けることができた。13日(日)は朝から好天に恵まれたものの、フロリダにしては珍しく、気温10度という寒さの中でセッションが開始された。このコンディションならではのタイヤコンパウンドやメカニカル及び空力的なセッティングの評価など様々な作業を行うことができた。この2日間のテストで、GR010 HYBRIDがセブリングのコースでどのような挙動を示すかを理解するために必要なデータを収集でき、トヨタにとって開幕戦へ向け有意義な準備ができたテストとなった。開幕戦セブリング1000マイルレースの公式練習セッションは16日(水)に開始され、17日(木)には予選を実施。そして18日(金)に1000マイル(約1600km)、約8時間にわたって行われる決勝レースは、現地の正午にスタートが切られ、コースが闇に包まれる午後8時頃にチェッカーが振られる。小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー)このプロローグは我々にとって重要なテストです。正しいバランスを見出すための作業を進めており、やるべきことはまだ沢山ありますが、まだ更なるセットアップ調整のための時間はあります。たとえ路面のバンプが激しかろうと、セブリングに戻れるのは最高です。シーズンの開幕はいつでもワクワクします。もちろん我々はディフェンディングチャンピオン、それも2年連続王者であり、今年も連覇を目指しベストを尽くします。我々7号車はドライバーラインナップこそ変わっていませんが、エンジニアや、その他チーム内でいくつかの変更があり、2022年シーズンを通して強化していく必要がありますが、なんとしてもやり遂げます。マイク・コンウェイ(7号車 ドライバー)クルマのスイートスポットを探り、ショートランとロングランでタイヤがどう働くのかを理解するための作業をハードにこなしました。この2日間で多くのことを学び、有意義なテストになったと思います。現時点で我々は競争力の面で若干の遅れを取っているように見えますが、今のところは予定してきたプログラムをこなしているだけです。セブリングに戻れるのはいつでもとても良い気分ですし、ずっと楽しみにしてきました。我々の目標はチャンピオンの防衛であり、そのためにも良いスタートが切れることを期待しています。ホセ・マリア・ロペス(7号車 ドライバー)新たな挑戦と新たな期待に満ちたシーズンのスタートを迎えることができ、とても良い気分です。また、久しぶりにセブリングに来られたことも嬉しいです。ここでのシーズン開幕は常に特別で、本当に楽しむことができます。ライバル勢のペースの速さにちょっと驚いていますが、それもレースの一部です。我々はただGR010 HYBRIDから最大のパフォーマンスを引き出すべくトライし、結果を待つだけです。まだ始まったばかりですが、とても接近した戦いになりそうです。セバスチャン・ブエミ(8号車 ドライバー)信頼性の確認という意味で、とても有意義な2日間でした。荒れた路面のサーキットなので、GR010 HYBRIDが対応できたことは良かったです。ここではLMP2クラスの車両がとても速いので、優勝争いはとても厳しいものになるでしょう。これからデータを分析して、可能な限り車両の改良を続けていきます。正直なところ、ここまでの経過にはとても満足しており、あとは最適化など、レースウィークへの準備を進めます。とにかく、またレースを戦うのがとても楽しみです。ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー)とても楽しい2日間でした。セブリングは昔ながらの個性を持つ素晴らしいコースですが、リスクも高いのでミスのないように走る必要があります。ここでGR010 HYBRIDを走らせると生きていることを実感できます。ここまでのところ大きな問題は起きておらず、メカニカルなトラブルもありませんでした。とても順調に進んでいます。このまま戦略、メカニック、ピットス...
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