TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamは、1月20日(木)から23日(日)にかけて、モナコおよびフランスで開催される、2022年FIA世界ラリー選手権(WRC)第1戦「ラリー・モンテカルロ」に、セバスチャン・オジエ/ベンジャミン・ヴェイラ組(GR YARIS Rally1 1号車)、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(69号車)の、3台のGR YARIS Rally1で参戦。ハイブリッドユニットを搭載する新開発のトップカテゴリー・ラリーカーで、90回目の開催を迎える伝統のラリー・モンテカル...
2017年にデビューしたヤリスWRCは、昨シーズンの最終戦ラリー・モンツァ(イタリア)で通算26勝目を飾り、ドライバー選手権、コ・ドライバー選手権、そしてマニュファクチャラー選手権を制し、三冠を達成した。それからわずか8週間後、チームは新たに開発したGR YARIS Rally1を、2022年シーズンの開幕戦ラリー・モンテカルロに投入する。1997年から2021年まで25年間WRCのトップカテゴリーを支えてきたWRカーに替わり、2022年からはハイブリッドユニットを搭載するRally1が最上級カテゴリー車両となる。3.9kWhを発生するバッテリーとモータージェネレーターユニット(MGU)からなるハイブリッドユニットは、加速時に最大で100kw(134PS)のハイブリッドブーストを発生する。それに組み合わされるエンジンは、ヤリスWRCで実績を積んできた1.6リッター4気筒直噴ターボを最適化したものとなり、システム全体では500ps以上の最高出力を発生する。また、FIAの世界選手権として初めて、100%サスティナブルな燃料を使用することもRally1車両の大きな特徴となる。シャシーに関しては、新たに専用開発のスペースフレームを採用し、ドライバーおよびコ・ドライバーの安全性を従来よりもさらに高めている。その他にもエアロパーツの簡素化、メカニカルギアシフトの採用、アクティブセンターデフの廃止など、新しいRally1レギュレーションに準拠したシンプルな設計がなされており、これまで以上にドライバーのテクニックの差が出やすいクルマとなっている。また、ステージ中にハイブリッドブーストをいかに上手く扱うかもRally1では重要な要素となり、ドライバーだけでなく、エンジニアにとっても大きなチャレンジとなる。昨年の春に走行試験を開始したGR YARIS Rally1は、その後テストを重ねて進化を続け、ここ数週間は2022年の開幕戦であるラリー・モンテカルロにフォーカスしたテストを行なってきた。1911年初開催の、WRCで最も長い歴史を誇るラリー・モンテカルロは、基本的にはフレンチアルプスを舞台とするターマック(舗装路)ラリーだが、山間部のステージには降雪路面や凍結路面もあり、天気に大きく左右される非常に難しいイベントとして知られている。そのため、新設計のクルマで戦いに臨む選手たちにとって、今年のモンテカルロは例年以上に大きなチャレンジとなる。また、今年はラリーの中心がフランス南部のギャップからモナコへと移り、2021年大会と比較すると、約85%が新しいステージとなる。しばらく使われていなかったステージや、新しいステージが増えることも、ラリーの難易度を高める要素となる。ラリーは20日(木)の午前中にシェイクダウンが行われ、その夕方、モナコ中心部カジノ広場でのセレモニアルスタートで開幕する。その後選手たちはモナコの北側エリアに広がるフランスの山岳地帯を目指し、夜8時過ぎから2本のステージが行われる。そのうち2本目のSS2は、2013年以降実現していなかった、夜のチュリニ峠を走るステージ。この、初日の2本のステージに、昨年8回目のドライバーズタイトルを獲得したオジエは1番手の出走順で挑む。これまでに8回ラリー・モンテカルロを制しているオジエは、長年コンビを組んできたコ・ドライバーのジュリアン・イングラシアが昨シーズンをもって引退したため、新たにベンジャミン・ヴェイラをコ・ドライバーに迎え、昨年に続く優勝を狙う。ただし、今シーズンの出場はモンテカルロを含む数戦に限られ、オジエはエサペッカ・ラッピとクルマをシェアすることになる。また、昨年ドライバー選手権2位のエバンスと、同4位のロバンペラは全戦に出場し、ドライバーズタイトルの獲得を目指す。なお、昨年のサファリ・ラリーで総合2位を獲得した勝田貴元と、コ・ドライバーのアーロン・ジョンストンは、新たに創設されたTOYOTA GAZOO Racing WRT Next Generationからシーズン全13戦に出場し、4台目のGR YARIS Rally1をドライブする。競技2日目の21日(金)は、モナコの北西エリアに広がるフランスの山岳地帯で3本のステージを各2回走行。今大会最長のステージ距離を走る一日となるが、日中のサービスがなくピュジェ=テニエでのタイヤフィッティングゾーンしか設定されないため、新開発のクルマをドライブする選手たちにとっては非常に難しいチャレンジとなる。翌22日(土)は、前日よりもさらに遠く西に離れた、ディーニュ=レ=バン周辺の山岳地帯が戦いの舞台に。5本のステージを走るこの日もまた日中のサービスはなく、クルマに大きなダメージを与えないドライビングが求められる。最終日の23日(日)は、金曜日のステージに近いアントルヴォーの周辺で2本のステージを各2回走行。最終のSS17は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーにボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されている。ステージは全部で17本、合計296.03km。リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は1511.47kmが予定されている。ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)ラリーの新しい時代が始まる瞬間は、とてもエキサイティングです。まだ分からないことが多くありますが、ラリー・モンテカルロではその答えがいくつか出るでしょう。我々はチームとして一生懸命準備をしてきましたが、それぞれのクルマにどのような違いがあるのかは、最初のラリーまで誰にも分かりません。また、どのドライバーが新しいクルマに一番自信を持っているのか、誰が自信を持ちきれていないのか、その違いが見えるかもしれません。ドライビングやセットアップの方法など、多くの変化にドライバーは適応しなくてはなりません。我々のテストでは、ドライバーが自信を持ち、気持ちよく運転できるようにすることが最も重要だったと思います。ドライバーにとって、モンテカルロはチャンピオンシップの中で最も難しいラリーであり、路面コンディションにも大きく左右されます。クルマのパワーは増えましたが、それを雪や凍結したコンディションでどのように使うのか?そして何よりも、サービスパークがギャップからモナコに移動することで新しいステー...
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