トロロッソ・ホンダは、F1ロシアGPの予選で、ピエール・ガスリーが13番手、ブレンドン・ハートレーが12番手だった。戦略的パワーユニット(PU)交換によるペナルティにより、2台は後方グリッドから決勝レースに挑む第16戦ロシアGPは2日目を迎え、FP3と予選が行われた。トロロッソ・ホンダは、プラクティスに向けて、PUを前戦に使用したスペックのものに交換した。
昨日のプラクティスの中で、新たなPUのセッティングに関してさらなる調整が必要と判断した上での決定となり、ロシアGPの予選、決勝ともに前戦と同じ仕様で走行する。なお次週の日本GPでは、昨日使用した最新の仕様が投入される見込みとしている。FP3で、トロロッソ・ホンダの2台は、ともにハイパーソフトタイヤでの走行を行い、アタックシミュレーションやロングランなど、予定通りのプラグラムを進め、多くの周回をこなした。21周を走行したピエール・ガスリーは1分35秒125、22周を走行したブレンドン・ハートレーは1分36秒033がベストタイムとなり、ガスリーが12番手、ハートレーが16番手でプラクティスを終了した。午後3時、天候は曇り、気温23度、路面温度31度のコンディションで予選が行われた。18分間のQ1、1セット目のタイヤでガスリーが1分34秒383、ハートレーが1分35秒037とベストタイムマーク。Q1終盤、2セット目のアタックに出た2人は、ともに1セット目のタイムを上回ることはできず、ガスリーが13番手でQ2進出を果たし、ハートレーは16番手でQ1敗退となった。トロロッソ・ホンダの2台はPU交換によるグリッドダウンのペナルティにより、後方からのスタートが決定していることもあり、ガスリーはQ2を走行せずに予選を終えた。Q2では、5台が走行せずにセッションが終わったため、ガスリーはQ1と同じ13番手となっている。トロロッソ・ホンダのほか、3台がPU交換でペナルティによるグリッドダウンを科されることとなっているが、その他のペナルティが絡むこともあり、公式なスターティンググリッドについてはFIAからのアナウンスを待つ形になる。ロシアGP決勝レースは9月30日(日)午後3時10分(日本時間午後9時10分)にスタートする。ピエール・ガスリー (13番手)「昨日搭載した新しいエンジンは改善された点がたくさんありすばらしい性能を見せたので、残りのシーズンにマイレージを取っておくため、このレースウイークの残りは前のスペックのエンジンに載せ換え戦うことにしました。マシンの仕上がりにはとても満足していて、ペナルティのためにグリッド後方からスタートしなくてはならないのはとても残念です。昨年のレースを見る限りではこのコースでのオーバーテイクは難しいように見えます。しかし、シャシーの仕上がりには手応えを感じているのでレースには自信があります。タイヤの摩耗が明日の決勝の大きなカギとなるので、そのための作戦を立てたいと思います。明日は最大限に攻めて、想像しなかったようないい結果でレースを終えられるようにがんばります」ブレンドン・ハートレー (16番手)「明日はペナルティでグリッド降格が決まっていたので、この大会では予選をあまり重視していませんでした。このレースウイークには新しいPUを使わないことにしましたが、Hondaにとって昨日は性能を確かめるいい準備の一日になりました。新しいPUは明らかに速く改善されていて、次の日本GPで最大のパフォーマンスを引き出せるようにこれから準備したいと思います。グリッド後方からのスタートということもあり、明日のレースは僕たちにとってタフな一戦になるであろうと予想しています。しかし、昨日のソフトタイヤのロングランでの走行は感触がよかったので、明日の決勝レースでなにかトライできることができるのではないでしょうか。このコースでは過去のレースでアクシデントも起こっていて、スタートライン後の長いストレートを抜けた先には狭く難しい1コーナーが待っています。明日の決勝では何が待ち受けているかわかりませんが、できる限りの力で戦います!」ギヨム・ドゥゾートゥ (トロロッソ 車体パフォーマンスマネージャー)「FP3では、両マシンで予定していたプログラムを完了することができました。グリッド降格も考慮して、今日は通常のFP3ではあまり行わないロングランを試すことにしました。そのおかげで両ドライバーには、このレースウイークで我々が重視している『決勝レースでの燃料とタイヤのマネジメント』の感覚をさらにつかんでもらうことができました。PUを元に戻したことによって、ストレートでの戦力的には昨日に比べれば少し落ちたかもしれません。新しくアップデートされたPUのキャリブレーションやシャシートのマッチング調整を行う必要があると感じたため、この決断に至りました。グリッド降格は元々決定していたので、Hondaのこの決断には我々も完全に納得しています。予選セッションは計画通りに進み、ピエールがアタック1周目から速さを見せQ1を見事に突破してくれました。スリップストリームをうまく使ったことによってタイムアップにつなげていましたが、Q2に進出できるペースで常に走れていたと思います。ペナルティで降格が決まっていたので、Q2で無理をすることはしませんでした。ブレンドンは予選で少し苦戦をし、Q2へ進出できる速さを1周目で見せることはできませんでした。アタック2周目にはシロトキン選手(Williams)が原因となった黄旗の影響により、アタックのチャンスを失ってしまいました。中団グループで戦うため、特にハイパーソフトからスタートするマシンたちの対策に重点を置いて、決勝レースでの戦略オプションをさらに検討し明日の決勝に挑みたいと思います」田辺豊治 (ホンダF1 テクニカルディレクター)「昨日のFP1とFP2の走行の中で、新スペックのPUのパフォーマンスについていい手ごたえを得ることができました。一方で、実戦投入に向けてはPUのマッピングや車体とのマッチングなど、まだいくつか調整を必要とする部分を確認したため、今日と明日のセッションには使用せず、前戦までのスペックに戻す決定をしました。次戦の鈴鹿までには十分な煮詰めを行い、新スペックのPUとともに臨みたいと思っています」FP3前PU交換に際してのコメント今日は昨日使用したスペックのPUから、前戦まで使用していたスペックのPUに戻してセッションに臨みました。それもあり、ここまでトロロッソ・ホンダのメカニックとエンジニアには非常に忙しい週末になっています。今日のセッションは普段よりもロングランにフォ...