トロ・ロッソのチーム代表であるフランツ・トストは、トロ・ロッソの2009年のドライバー決定を急いでいないと語った。トロ・ロッソは今週のヘレステストで、2009年に向けたドライバー選考の一貫としてセバスチャン・ブエミと佐藤琢磨のオーディションを実施。ヘレステストを終えたフランツ・トストは、ドライバー決定はシーズン後になると言う。
「シーズン最後のテスト・セッションということで、今回のテストのメインは新しい部品のいくつかを試すことと、セバスチャン・ブエミと佐藤琢磨のふたりを評価することだった」「水曜日はレッドブルの若手ドライバーのブエミがテストを行ったが、予想通りの良い仕事をしてくれた。木曜日は日本の佐藤琢磨がハンドルを握った。残念ながら昼に雨が降り出したために、彼は午前中の走行しか行えなかった。本格的に走れたのはほんの数周だったが、佐藤も良いパフォーマンスを見せた。その2日間は2009年度のスクーデリア・トロロッソのオーディションのようなものだったが、今はまだ最後の4戦で良いパフォーマンスを発揮することが重要なので、レッドブルもこの時期に急いで決断を下すつもりはない」トロ・ロッソの共同オーナーであるゲルハルト・ベルガーは、2009年のドライバーラインナップをベテランと若手で組ませることを希望している。トストは、その若手のポジションにセバスチャン・ブエミが座ることをほのめかしている。仮にシートの“若手枠”がセバスチャン・ブエミに決まったとすると、残る“ベテラン枠”のシートは、佐藤琢磨とセバスチャン・ブルデーとの争いになる。1年限りの契約といわれるセバスチャン・ブルデーは、今シーズン期待はずれのシーズンを送っているが、ここ数レースで高いパフォーマンスを見せ始めている。べルガーは、佐藤琢磨のオーディションに関してマーケティング面ではなく“速さ”を求めると語っていた。ブエミよりコンマ6秒速いタイムを記録した琢磨だが、コンディション等を考えると、タイムは参考にはならないだろう。また、トロ・ロッソの残りの50%の株式を所有しているのは、レッドブルのオーナーであるディートリッヒ・マテシッツであることも事実。佐藤琢磨自身は実力でのシート獲得を求めていると思うが、日本市場へのマーケティングで琢磨を座らせる可能性もなくはない。次のテストは、シーズン終了後の11月17日にヘレスで開催される。それ以降に再びオーディションが行われる可能性もある。実際は今シーズン、フォース・インディアは1月11日に、スーパーアグリは開幕寸前の3月10日にドライバー発表を行った。トロ・ロッソのシート、佐藤琢磨のシートはまだまだ先になるかもしれない。