エイドリアン・スーティルは、身長が高く体重の重いドライバーがレギュレーションの最低重量を満たそうとすることは危険をはらんでいると主張した。新世代のF1マシンはパワーユニットの変更によってこれまでよりも重量が増しており、それにあわせて最低重量制限も引き上げられているが、それでもF1チームは重量軽減に苦戦している。レギュレーションの最低重量を増加させることについてはシーズン前から話題に上っていたが、来年まで延期されている。
ザウバー C33は、重量に苦しんでおり、エイドリアン・スーティルは現役ドライバーの中で最も身長が高く、体重も重い。エイドリアン・スーティルは、ドライバーのダイエットや十分に水分を補給しないという行為はドライビング時の体調が万全でないことを意味すると警告する。「もちろん、危険だ。時速300km以上で直線を走る。身体も頭も調子を良くしておく必要がある。もう簡単なことではないけどね」とエイドリアン・スーティルはコメント。「身体的な部分で言うと、全てのドライバーが万全な状態であることを保証することはできない。僕にはわかるし、間違いなく僕はそう感じている」「僕自身、去年に比べて3k〜4kg落とした。昨年も体重を軽くしようとしていたけどね。今落としているのは余分な体重だ。臨界点に来ていると思う。僕はそれをコントロールしながら常にレースをフィニッシュできる体調を心がけている」「レース前は最高の力が出せていないと感じる。クルマがちょっと遅くなっているので、完走するためにかなり好調である必要はない。でも、十分な食事も採らずに1時間半走るようなものなので糖分が必要だ。頭がうまく機能しないような状態になりかけている。危険な状態だと思う」「シーズンは長いし、移動距離が長くなれば、その分体力の消費も激しい。中身がしっかりしていれば、その分長持ちすることができる」F1チームは開幕までに重量制限の変更に同意できなかったが、エイドリアン・スーティルは、F1ドライバーたちが行動を起こすために団結していなかったことも問題の一因だと考えている。「責任は全員にある。僕たちは素晴らしいスポーツにしたいと思っているし、僕たちドライバーがもう少し力を合わせられていたら、もう少しやれることがあったかもしれない。自分たちのやっていることについては全員で考えるべきだ。どうしてこの状況に陥っているのかを全員が考えるべきだと思う」「正常な重量制限であれば、F1はもう少し良くなっていたと思う。適切な食事を採り、健康な状態でサーキットに来ることができた。そうすればこんな議論ななどしなくて済んだ」「20kg重いドライバーに勝ちたいわけではない。もし、僕が0.1秒差で勝ったら、それは真実ではない。その人の勝ちだ。ただ、僕が彼の前にいたというだけだ。フェアなドライバーであればね」「でも、ここはF1だ。誰もが勝ちたいし、ベストドライバーになりたいと思っているのでそうはならない。フェアではないし、こんなのスポーツじゃない」また、エイドリアン・スーティルは、今週末のF1バーレーンGPでマシン重量を少しでも軽くするために、ドリンクボトルを外して走行するつもりだと明かした。「バーレーンはドリンクボトルをクルマに積まないつもりだ。バーレーンなので、1時間半のレースをドリンクなしで走ることのになる。マレーシアでは少しだけお茶を飲んだ。16時のティータイムで十分だ。それ以上はいらない。通常、マレーシアであれば1〜1.5リットルのドリンクを積んでレース中に飲むんだけどね。でも、今は300〜400gの話になっているし、空にしたら0.5kgになるボトルの分も考慮しなければならない」フェルナンド・アロンソは、新車に肉体的な負担は感じないとの理由からマレーシアではドリンクボトルを使っていなかったと明かしている。一方で、現役ドライバーの中で最も身長の低いフェリペ・マッサは、体重の重いドライバーたちに共感していないようで、問題はレギュレーションではなく重量を超過しているマシンにあると考えている。「それはチームの問題だと思う。F1の問題ではないと思う。過去、ダブルディフューザーを搭載したチームもあればなかったチームもある。これはルールの一部だ」「重量のあるエンジンやマシンを持っている場合、その中でいい仕事ができるかどうかはチーム次第だし、それがルールというものだ。それが今の状況の一部だと思っている。僕は軽いし、そこに満足もしているけれど、今より10kg重かったとしても僕の体重はクルマに何ら問題を与えないと思う。みんなが思っているようなことではない。ルールに関係することだし、各チームがクルマを可能な限り軽くするためにいい仕事ができるかどうかだ。ドライバーだけではない。それはまた別の話だ」「僕のチームは良い仕事ができている。別のレベルに置くためにルールをうまく利用したと言うのはフェアではない。空力でも良い物を見つける人がいる。エンジンも良い何かを見つける人がいる。それが今のルールだ」
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