2023年 SUPER GT 第5戦の公式予選が8月26日(土)に鈴鹿サーキットで行われ、GT500クラスはNo.16 ARTA MUGEN NSX-GT(福住仁嶺/大津弘樹)の福住が新体制での16号車でポールポジションを獲得。GT300クラスは、No.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)の山内英輝がGT300クラス最多記録を更新する14回目の予選1位を手にした。
GT500クラスの予選Q1はサポートレースの遅れもあって、10分遅れとなった午後3時53分より開始。走行時間は10分間で行われた。午前の公式練習と同様に、陽射しが強く照りつけ、開始直前の気温は32度、路面温度は51度にも達した。まずはNo.1 MARELLI IMPUL Z(平峰一貴)、No.17 Astemo NSX-GT(塚越広大)、No.36 au TOM'S GR Supra(宮田莉朋)、No.37 Deloitte TOM'S GR Supra(笹原右京)、No.38 ZENT CERUMO GR Supra(石浦宏明)、No.39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛)の6台が走行を開始。残り7分を切ったあたりから残りのチームも徐々にコースに出ていき、最後にNo.3 Niterra MOTUL Z(千代勝正)が残り5分でようやくピットを離れた。そして残り1分を切ったあたりから熾烈なタイムアタック合戦が展開され、ウォームアップ2周から1分47秒176を記録した17号車がまずはトップに。そして、なんと38号車もまったくの同タイムで2番手(規定により先に記録した車両が上位となる)につける。No.23 MOTUL AUTECH Z(松田次生)がこれを上回る1分46秒509でトップに立つ。だがトップ争いはここで終わらない。No.8 ARTA MUGEN NSX-GT (野尻智紀)が1分46秒399で23号車を上回ると、その直後にNo.24 リアライズコーポレーション ADVAN Z(平手晃平)も1分46秒399とトップ2が、またも同じタイムを叩き出したのだ。このままQ1は終了し、8号車がトップとなり、以下24号車、23号車、No.64 Modulo NSX-GT(太田格之進)、No.16 ARTA MUGEN NSX-GT(大津弘樹)、17号車がQ2に駒を進めることに。TOYOTA GR Supra GT500勢で唯一のQ2進出を果たしたのは38号車で、石浦はこれが鈴鹿の予選ラストアタックになる立川祐路にバトンを渡すことができた。No.100 STANLEY NSX-GT(山本尚貴)も8番手でQ1をクリア。ただし、先週末のスーパーフォーミュラ第7戦でクラッシュに遭い、この日まで負ったケガの経過観察中の牧野任祐がドクターストップのためにQ2を走ることができず。このため現時点で獲得し得る最良の予選8位を確保した。GT500クラスのQ2は、午後4時31分にコースオープン。ピットに収まったままの100号車を除く7台がポールポジションを懸けて、10分間の勝負に挑む。まず動いたのは64号車(伊沢拓也)で、残り7分30秒を切ってからコースイン。これを皮切りに残り6台も続々とピットを離れ、残り5分30秒で8号車(大湯都史樹)がコースインした。夕刻に入って気温、路面温度ともに下がり始めており、残り時間が少なくなればなるだけタイムが出やすいと思われるという環境であり、チェッカーフラッグを受けるまで逆転に次ぐ逆転のポールポジション争いとなった。最初にアタックを決めたのは、23号車(ロニー・クインタレッリ)で1分46秒422のトップタイムをマーク。直後に8号車も1分46秒577の2番手タイムを記録したが、デグナーコーナーの2つ目立ち上がりで大きくコースを飛び出したため、このタイムはQ2後に走路外走行と判定されて抹消となってしまう。17号車(塚越)は1分46秒659で、実質3番手につけた。そして最後にNo.16 ARTA MUGEN NSX-GT(福住仁嶺)が1分46秒385を叩き出し、一気にトップに躍り出た。この結果、No.16 ARTA MUGEN NSX-GT(福住仁嶺/大津弘樹)が今季初、16号車がARTAの一員となって初ポールポジションだ。また福住にとっては通算4度目の獲得となった。さらに今季限りのHonda NSX-GTにとっても、これがホームコース鈴鹿でのラストSUPER GT。それに華を添えるポールポジションであり、鈴鹿での有終の美(優勝)に一歩近づいた。予選2、3位はNo.23 MOTUL AUTECH Z(松田次生/ロニー・クインタレッリ)、No.17 Astemo NSX-GT(塚越広大/松下信治)。同4位はNo.64 Modulo NSX-GT(伊沢拓也/太田格之進)という結果となった。 』また、今季いっぱいで現役を退くことを発表した立川祐路の渾身の鈴鹿ラストアタックで1分47秒253を記録、No.38 ZENT CERUMO GR Supra(立川祐路/石浦宏明)は予選5位で、立川はここから鈴鹿ラストレースに臨むこととなった。■GT500No.16 ARTA MUGEN NSX-GT福住仁嶺「僕自身で言うと、2年前に8号車で走っている時以来、もう2年ぐらいポールポジションを獲っていません。まあ、何度か獲れそうな瞬間もある時に限って、自分の些細なミスで獲れなかったとか、どうしても走りでまとめきれない部分もあったんです。ですが、今シーズンから、チームメイトが大津(弘樹)選手に変わって、チームの体制も大きく変わって、ポテンシャルがある程度ある中で、なかなか結果を残せなくて……。ちょっと笑い事じゃないんですけど、4戦中3回もペナルティも喰らっちゃってる状況です。もう、みんなして、ほんとに今、悔しい気持ちでいっぱいだし、少しでもいいところを僕も見せたいなっていうのも今回はすごくありました。その中で、チームみんなが良いクルマに仕上げてくれて、走りとしても悪くなかったですし、大津さんにもすごく褒められたんで、すごくうれしいです。明日のレースもちょっとわかんないですけど、がんばります。その決勝ですが、一番前でスタートできるっていうのは、一番優勝に近い(こと)かなと思います。レースでカギになるのは……ペナルティを喰らわないことですかね(笑)」大津弘樹「今シーズン、チームを移籍して、初めてこういった、しっかりとしたポールポジションという結果を得られたことは、本当にうれしく思っています。僕たちのポテンシャルっていうのは、開幕前からすごく感じていたものですが、なかなかうまくかみ合わなくて、ずっとここまで来ていたんですが、前戦からようやくその歯車が噛み始めたなっていうのをとても実感していて、それが今回の予選にも繋がったのかなと思います。予選自体は、僕のQ1は正直あんまりうまくいかなくて、“ギリギリ突破”という形だったんです。Q2に向けて、結構マシンバランスとかも変えなきゃという中で、チームと(福住)仁嶺選手といろいろ話し合いながら決めたことがかなり前進して、福住選手の素晴らしいアタックに繋がったのかなと思っていて。ほんとに、彼のドライビングはとても...
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