約3か月の延期を経て、いよいよ2020シーズンのSUPER GTが開幕した。富士スピードウェイが舞台となった第1戦は、土曜日の夕方に90分の公式練習を行い、日曜日に予選・決勝を行うというスケジュールになった。また、新型コロナウイルスの感染予防対策により無観客での開催に。これまでのレースウィークとは大きく異なる雰囲気の中、#3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(平手 晃平/千代 勝正)が7位フィニッシュした。
公式練習が行われた18日(土)は雨と霧に悩まされる一日だったが、一夜明けた19日(日)は朝から日差しも差し込むほどに天候が回復。GT300クラスの予選ではWET宣言も出されていたが、続いて10時3分から行われたGT500クラスの予選はほぼ完全に乾いた路面状態で各車が予選に向かった。#3 GT-Rは同じミシュランタイヤを装着する#23 MOTUL AUTECH GT-R(松田 次生/ロニー・クインタレッリ)と揃って、セッション開始と同時にコースイン。Q1担当の平手は序盤2周で丁寧にタイヤを温め、計測3周目からペースアップ。4周目には特に難しいとされるセクター3をうまくまとめ、1分27秒022をマークして暫定2位に上がった。セッション終盤に入りライバル勢もペースアップしてきたことから、最終的には3位でQ2へと駒を進めた。#23 GT-Rは1分27秒435で10位、#12 カルソニック IMPUL GT-R(佐々木 大樹/平峰 一貴)は1分27秒968で14位、#24 リアライズコーポレーション ADVAN GT-R(高星 明誠/ヤン・マーデンボロー)は1分28秒137で15位となった。Q2では、セッションが2分を経過したところで#3 GT-Rの千代がコースインした。ウォームアップからハイペースで周回すると、1分27秒521で暫定トップタイムを更新。しかし、同じタイミングでアタックに臨んでいたライバル勢がこのタイムを塗り替え、6番手まで後退する。千代は2周連続でアタックに挑み、セクター1,2と好タイムを並べ、1分27秒439まで自己ベストタイムを短縮したものの、順位を上げるには届かず、#3 GT-Rの予選結果は7位となった。昼頃から天候は一気に回復。日差しも強まり、決勝レーススタート時には気温は26℃、路面温度は40℃を上回るほどに上昇した。#3 GT-Rは平手がスタートドライバーを務め、オープニングラップは一旦9位にポジションダウン。混戦のうちに挽回を図ろうとしたが、レースは序盤からセーフティカー(SC)が導入される。100Rコーナーで#12 GT-Rと#64 NSX-GTが接触してしまい、#12 GT-Rがマシンに大きなダメージを負ってコースサイドにストップしたためで、#12 GT-Rはここでレースを終えることになった。5周を終えたところでレース再開。再スタート直後、#3 GT-Rは前を行く#39 GR Supraと#16 NSX-GTを追い立て接近戦を展開した。周回数が進むにつれ、前後のマシンとの差も少し広がり、#3 GT-Rは10位をキープして中盤戦に入った。前日に比べ急激な気温上昇に、トラブルから戦列を離れるマシンが出る中、#3 GT-Rはタイヤマネージメントを意識しながら順調に周回を重ね、レース距離が約半分となる32周を終えたところでピットイン。千代にドライバー交代してコースに復帰した。2周前にピット作業を終えタイヤのウォームアップも済んでいた#23 GT-Rにいったんかわされたものの、36周目には8位に浮上。38周目から2度目のSCが入ると、そのリスタート後はペースの落ちてきた#8 NSX-GTに近づき64周目の最終コーナーで逆転に成功した。最終ラップまで粘り強く走り続けた#3 GT-Rは7位でチェッカーを受けた。#23 GT-Rはクインタレッリがスタートドライバーを務め、10位からスタート。30周を終えたところで松田にドライバー交代し8位までポジションを上げていたが、36周目にGT300の車両と交錯し、1秒以内の差で争っていた#3 GT-Rにかわされ9位に後退した。接触の影響で50周目にいったんピットに戻り、車両を確認。再びレースに復帰し11位でチェッカーを受けた。15位からスタートした#24 GT-Rは着実に走行し10位にポジションを上げてフィニッシュした。 平手 晃平「2020シーズンの初戦でデータがまだ揃わない中、ドライバーとしてのベストはつくせたと思います。ロングスティントのテストがなかなかできない状況で、少しでもタイヤを持たせようと、常にタイヤと会話するような形で頑張りました。後半スティントに向けてもいろいろと情報を集めて、千代選手に託しましたが、最後に抜いてきてくれました。今シーズンの初戦としてはいいレースができたと思っています。今回得られたデータをもとに、次戦以降もさらに強くなっていけるよう頑張ります」千代 勝正「ドライバー交代直後の23号車との攻防は結構頑張ったんですが、向こうが2周早くタイヤを交換していて温まり具合の差で一度前に出られてしまいました。平手選手からのインフォメーションで、タイヤをいたわりつつプッシュするという感じで走りました。大変なスティントでしたが、チームといいコミュニケーションをとれたおかげで、自分なりにいいペースで走れました。最終的にペースの落ちてきた8号車を、300が絡んだところでうまく抜くことができました。最後に一つポジションを上げて帰ってこられて良かったです」田中 利和 監督「今シーズンはテストでも安定した天候でロングランをする機会がほとんどなく、ドライでレース距離を走るのはこれがほぼ初めてという状況。ドライバー達にはタイヤマネージメントに気を付けながら走るように言っていましたが、その甲斐あって千代が終盤にライバル車を抜いてきました。今自分たちが持っているものを考えると、精いっぱいできたという感じです。当然このポジションで満足しているわけではないので、さらに上を目指して頑張ります。引き続き、応援をよろしくお願いします」【GT300クラス】GT300クラスは、予選2位の#11 GAINER TANAX GT-R(平中 克幸/安田 裕信)が、スタート直後にトップに浮上し、レース序盤17周までは、レースをリードしたが、3位に後退し、22周目にピットイン。迅速なピット作業で1台を抜き返すことに成功する。気温と路面温度が予想以上に上がり、タイヤにもマシンにも厳しい状況だったが、最後まで粘り強く走り、2位表彰台を獲得した。
全文を読む