アウディ ジャパンは、新型Audi R8 LMSでSUPER GTのGT300クラスに挑戦するカスタマー(プライベート)チームを支援している。5月20日(土)、5月21日(日)、オートポリス(大分県 1周4,674m)で2017 AUTOBACS SUPER GT第3戦となる「SUPER GT in KYUSHU 300km」が開催された。昨年のこのレースは、開催直前に発生した平成28年熊本地震により、オートポリスサーキットも施設に大きな被害を受けたため中止となった。
復興を祈念する今大会にも、新型Audi R8 LMSを擁する#21 Audi Team Hitotsuyama(アウディ チーム ヒトツヤマ)と#26 Team TAISAN SARD(チーム タイサン サード)の2チームが参戦。2年ぶりの開催となったオートポリス大会は予選、決勝共に初夏の快晴に恵まれ、九州での開催を待ちわびた多くのファンが訪れた。Audi Team Hitotsuyamaは、今シーズンよりリチャード ライアンに加えて、昨年までトップカテゴリーのGT500クラスに参戦し、GT300クラスはもとよりGT500クラスでもチャンピオン経験をもつ柳田 真孝が加入している。予選ではタイヤをうまく使いきることができず、Q1を突破することができなかった。日曜日の快晴のもと14時にはじまった決勝レースでは、第1スティントを柳田が担当。レーススタート後、すぐにセーフティカーが入るなど荒れた展開となったが、ベテランらしく落ち着いて28周を走りきり、第2スティントのリチャード ライアンへとドライバー交代する。その際、タイヤバーストのため緊急ピットインしてきた隣のチームにピット前をふさがれるという不運な事態が起こり、大きくタイムロス。しかしニュータイヤでコースに戻ったリチャード ライアンは、最終ラップ直前まで自己ベストを叩き出す気合の走りをみせ、最終ラップでは#26 Team TAISAN SARDに追いつき、2台のAudi R8 LMSによるバトルを制して13位まで順位をあげてレースを終えた。一方Audi R8 LMS で2年目の参戦となるTeam TAISAN SARDは、今シーズンより昨年のGT500クラスのチャンピオンチームであるSARDの野田 英樹監督をチームへ招聘。さらにドライバーラインナップも山田 真之亮とジェイク パーソンという共に20代の若手コンビでの挑戦となる。予選は懸念材料だったトラブルを解消できず、25位で終えた。しかし、チームの深夜に及ぶ原因の究明により問題を解決することができた。決勝は第1スティントをジェイク パーソンが、第2スティントを山田 真之亮が担当。共に上位チームに匹敵するラップタイムを重ねます。特に後半の山田は、リチャードにも匹敵するタイムを刻み、14位で完走を果たした。SUPER GT第4戦は7月22(土)~23日(日)、宮城県のスポーツランドSUGO(菅生)にて開催予定。Audi Team Hitotsuyama一ツ山 亮次 (チーム代表)「今回のレースでは、予選でのタイヤに関するミスが非常に残念でした。決勝では初めて第1スティントに柳田を起用しましたが、それもうまくいきとてもいいタイムで周回を重ねていました。セーフティカーが入ってしまったのはアンラッキーでしたが、トラブルなく前半をクリアして、さあ後半戦というところでピットストップを邪魔される不運な出来事が起きてしまい、挽回することができませんでした。レース中のタイムは上位にも遜色ないものですし、これから夏に向けて菅生と鈴鹿で2回のテストがありますので、今後の方向性を見極めて次のレースに臨みたいと思います」リチャード ライアン「本当はもっといい結果を期待していましたが、残念な週末になってしまいました。特にこのオートポリスは昨年、地震の影響で走ることができなかったため、新型Audi R8 LMSにとってはデータがないこともあり、難しい予選になりました。決勝では柳田もいい走りをしていたし、私自身も燃料が軽くなった後半はとにかくプッシュし続けました。前に#26 Team TAISAN SARDがいることもわかっていて、チャンスは1度しかないと思っていましたが、最終ラップでどうにか追い抜くことができました。とにかくあきらめず、テストを重ねて予選でのパフォーマンスをあげることに集中していきます」柳田 真孝「クルマ本来のポテンシャルを考えれば、もっともっと良くないとダメだと感じています。チームはとても頑張ってくれていて、レース中のラップも悪くないのですが、まだまだフィーリングの改善の余地はありますし、さらにAudi R8 LMSのもつ性能を引き出せると思います。予選ではやはり一発の速さが足りないので、タイヤのピークをいかにもっていくかが課題です。いまだんだん良くなっている感触はあるので、テストで開発をさらに進めて、次のレースにつなげたいと思います」Team TAISAN SARD野田 英樹 (チーム監督)「土曜日にトラブルが見つかり、予選では結果を残せませんでしたが、その日の深夜にその原因が見つかり、決勝グリッド上でも最終調整しながらどうにか対策することができました。これでかなりいい方向に向かったと思います。ドライバーも自信を持って走れるようになりました。これまでなかなか結果が出なくて苦しんできましたが、少し光明が見えてきたように感じています。上位チームにも遜色ないタイムで走ることができましたし、とても意味のある1戦だったと思います。ただ、これでようやくスタートラインに立てたということであり、常にトップ10に入るべくさらに次の段階を目指します」山田 真之亮「開幕戦以来、ずっと気になっていたことに関する原因をチームが探し出し、ようやく改善されました。そのおかげでレースは安心して走ることができました。とにかく集中してミスなくコンスタントに走ることを心がけて、上位チームと変わらないタイムでラップすることができましたし、いい流れができつつあると感じています。次はまずトップ10を目指して頑張ります」ジェイク パーソン「初めて九州を訪れました。オートポリスの印象は、オーストラリアのバサーストにも似ているテクニカルなサーキットでとてもエキサイティングでした。チームはとても努力をしてくれて、タイヤの選択もうまくいき、チーム全体として進化したように感じています。いい傾向が生まれつつあるので、次戦は期待していてください」関連:【動画】 SUPER GT 第3戦 オートポリス 決勝ダイジェスト
全文を読む