2023年F1第16戦シンガポールGP決勝で各ドライバーが使用可能な持ちタイヤ数と予想されるタイヤ戦略を公式タイヤサプライヤーのピレリが発表した。ピレリは、第16戦の舞台となるシンガポール市街地コースにC3(ハード)、C4(ミディアム)、C5(ソフト)というコンパンドをノミネートしている。決勝がドライな場合、2種類のコンパンドを使うことが義務付けられる。
ピットストップのタイムロスがシーズンで最大のシンガポールではミディアム-ハードと繋ぐ1ストップが最速のタイヤ戦略と推定される。その場合、20周~30周目がピットストップウインドウとなる。2番目に速い戦略はソフト-ハードの1ストップとなる。ストリートコースのアクシデントに備えて2ストップを想定した戦略もとられるかもしれない。上位勢ではメルセデス勢がミディアムを1セット多く持っている。Q2で敗退したレッドブル勢はすべてのタイヤで新品を揃えており、戦略に幅が出てくるかもしれない。マリオ・イゾラ(ピレリ モータースポーツディレクター)「このトラックでは、ピットレーンでのタイムロスがカレンダーの中で最も大きい。書類上では、ミディアムとハードの組み合わせがベスト。これまで見てきた限りでは、ソフトを完全に否定することはできないが、第1コーナーまでの距離が短いため、スタート時のグリップでミディアムよりアドバンテージがあることを考慮しなければならない。加えて、このコンパウンドは第1スティントで燃料を満タンにした状態での慎重なマネージメントが要求される。しかし、レース後半にセーフティカーが導入された場合に備えて、ソフトを検討する価値はあるだろう。例年、シンガポールは天候の面でもサプライズをもたらすことがあり、昨年のように突然のにわか雨(一部は大雨)が降ることもある。今のところ、予報によれば雨のリスクは非常に低いが、午後になると可能性が高くなる。トラックに敷かれたラバーを洗い流すほどの強い嵐が来れば、タイヤの挙動に影響する可能性がある」