佐藤琢磨は、スーパーアグリのF1撤退により今シーズンのF1シートを失った。佐藤琢磨の今後の動向が注目される。佐藤琢磨が今シーズン新たなシートを獲得するのは現実的とは言えないが、来シーズン以降の可能性はどうだろう。そもそもスーパーアグリは佐藤琢磨のために創られたチームだといわれている。
佐藤琢磨がホンダのドライバーだった2005年、契約が残っているにも関わらずジェンソン・バトンがウィリアムズへの移籍が内定させたとされ、その後釜としてホンダはルーベンス・バリチェロと契約した。しかしバトンは、翌年ウィリアムズがBMWとのパートナーシップが解消されるのを知りその契約を解消、ホンダのシートに収まったと言われている。その騒動によりホンダのシートを失うことなったのが佐藤琢磨だった。日本で絶大な人気を誇る佐藤琢磨を“クビ”にしというファンの厳しい批判をかわすため、ホンダが計画したのが「鈴木亜久里を代表にした新チーム設立」というアイデア、スーパーアグリだったといわれている。そして今回、直接的ではないにしろ、佐藤琢磨はホンダが関係する中でシートを失った。今回の騒動でも、ホンダに対するファンの反発は避けられないだろう。また2009年の日本GPは、3年ぶりにホンダのホームグラウンドである鈴鹿で開催される。ホンダは、人気と実力を兼ね備えた琢磨のシートを確保したいはずである。そこで考えられるのが、ルーベンス・バリチェロに代わる佐藤琢磨の起用である。トルコGPでF1最多出場記録を達成するバリチェロだが、パドックで“引退説”が流れるほど、実力の衰えは否めない。昨年末、フェルナンド・アロンソがマクラーレンを離脱した際、ホンダがアロンソを獲得するために、バリチェロをスーパーアグリに送り込むという噂も流れたほどだ。もうひとつの可能性は、佐藤琢磨自身が実力でシートを獲得すること。今後、シートを獲得するために琢磨は“ホンダのしがらみ”は考えないかもしれない。実際、琢磨は2005年にシートを失った際、ミッドランドやトヨタへの移籍も考えたという。ただし、近年、各チームが若返りがを図る中、30を迎えた佐藤琢磨を受け入れるチームは、そうそう現われないと思われる。最後の可能性としては、ホンダが新たなエンジン供給先を見つけて、そこに琢磨を送り込むということ。実際、トロ・ロッソはチームの売却を宣言しており、そこへの供給ということも考えられなくもない。しかし、現実的にこの可能性は低いだろう。これまで非力なマシンでも闘志溢れる走りを見せ、日本のモータースポーツファンに感動を与えてくれた佐藤琢磨。上記はどれも夢物語かもしれない。しかし、いずれにせよ、このままF1を去るには勿体ないドライバーだと思う。(F1-Gate.com)