佐藤琢磨は、レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングのマシンでインディ500で優勝することにより、2012年の“借り”を返すことに成功した。2021年、同チームに所属していた佐藤琢磨は、優勝を狙って最終ラップのターン1でトップを走行していたダニオ・フランキッティ(チップ・ガナッシ)に果敢に仕掛けた。しかし、バランスを崩した佐藤琢磨はウォールに接触。無情な結果に終わった。
その後、佐藤琢磨は2017年にインディ500を初制覇するが、アンドレッティ・オートスポーツのマシンでだった。ホンダとシボレーのエンジンを巡る不確実性のなかで佐藤琢磨はアンドレッティ・オートスポーツをわずか1年で離れ、2012年に所属していたレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングに復帰する。2012年も2018年もチーム代表にボビー・レイホールのラブコールによって実現したものだった。レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングに再加入するときに、佐藤琢磨は「2012年に成し得なかったフィニッシュを成し遂げたい」と語っていた。ボビー・レイホール、マイク・ラニガン、デビッド・レターマンにインディ500優勝をプレゼントことは何を意味するのか?「まさにそのミッションを今日成し遂げることができました」と佐藤琢磨は語る。「自分の個人的な野望は2017年にマイケルとともに成し遂げました。しかし、2012年に成し遂げられなかったことが、心のどこかに引っかかっていました。自分が勝つまでには本当いろいろな理由があり、それを一言で説明するのは難しいです」「ですが、とにかくボビーとマイクと一緒を成し遂げたいと思っていました。マイクやデビットは何度も自分を助けてくれました。だから、彼らのお返ししたかった。でも、自分は彼らを失望させてしまった。その状況を変えたかった」「それには実に8年もかかってしまいました。今年まで自分が走っていられるなんて信じられません。本当に感謝したいのはチームオーナーたちが30号車に非常に力を入れてくれたことです」「もちろん彼らはグラハム(レイホール/ホビー・レイホールの息子)にも勝ってほしかったと思いますが、今日、チームがグラハムと1-3を達成したことも嬉しかったです。もちろんグラハムには申し訳ないですが、その成し遂げられなからミッションをコンプリートすることがこの8年本当にやりかかったことなので、本当に最高の気持ちです」