FIA-F2の第4戦がイタリアのイモラ・サーキットで行われ、TGR WECチャレンジプログラムから同シリーズに今季よりフル参戦している宮田莉朋は追い抜きの難しい初挑戦のコースで苦戦。スプリントレースで13位、フィーチャーレースは15位に終わったが、両レースとも着実に完走を果たし、次戦以降に向け貴重な経験を積むこととなった。5月17日(金)から19日(日)にかけて、イタリアのイモラ・サーキットで2024年FIA-F2第4戦が開催された。
FIA-F2には今季TOYOTA GAZOO Racing(TGR) WECチャレンジプログラムのドライバーである宮田莉朋がロディン・モータースポーツからフル出場している。宮田莉朋は、開幕戦サヒール(バーレーン)のフィーチャーレースで9位に入り、デビュー戦で入賞、ポイントを獲得。第2戦ジェッダ(サウジアラビア)では苦戦し12位/15位に終わったが、第3戦アルバートパーク(オーストラリア)ではスプリントレース、フィーチャーレース共に5位フィニッシュで連続ポイント獲得を果たした。中東とオーストラリアでの遠征戦を終えたあと、およそ2か月のインターバルを経て、シリーズはF1との併催となる欧州での連戦に入る。ライバル勢にとっては下位カテゴリーなどで走った経験の多いイモラで、初めての挑戦となる宮田の戦いぶりに注目が集まった。【予選】17日(金)予定よりも5分遅れの現地時間午後4時5分より、30分間の予選が行われた。宮田莉朋は午前中に行われたフリー走行でトラブルに見舞われるなど、初走行ながら十分に周回を重ねることができないまま予選に臨むこととなった。セッション前半にアタックした後、一旦ピットへ。その時点では宮田莉朋は18番手。タイヤを交換し再アタックに入ると、宮田はラストラップでタイムを更新し、トップと1秒以内のタイムで16番手となった。【スプリントレース】18日(土)も快晴となり、気温24度、路面温度は46度まで上昇する中、予定よりも7分遅れの午後2時22分より25周で争われるスプリントレースが行われた。スプリントレースでは予選の上位10台がリバースグリッドとなるが、宮田莉朋は予選通りの16番手からスタート。宮田の前にいた、中団グループの車両が1コーナーを立ち上がり2コーナーへと向かうところで接触、スピン。これに後方車両が巻き込まれる形で多重クラッシュが発生した。宮田莉朋はこの混乱をかわし、走行を継続。しかし、レースは開始早々にセーフティカーが導入された。このアクシデントで5台が戦列を去ることとなり、車両排除とコース清掃の後、6周目からレースは再開。宮田は15位で再スタートを切った。再スタート後は追い抜きの難しいイモラで、各車両僅差で連なったまま周回が重ねられていった。途中、1台がペナルティのためにピットインしたことで、宮田りともはひとつ順位をアップ。その後も最後まで前後とも1秒以内の差での接近戦が続いたが、宮田は順位を守り、14位でチェッカー。レース後、さらに1台が失格となったことで、宮田はスプリントレースを13位で終えた。宮田莉朋予選は16番手で終わりましたが、フリー走行も車にトラブルを抱えていて順調に周回を重ねることができず、イモラというコースをあまり学べないまま予選にも臨まざるを得ませんでした。決勝も波乱なレースで順位は2つほど上げられましたが、自分としてはまだまだ改善したいポイントがあります。とは言っても僕にとってイモラは初めてのレースでしたし、F4の頃から走っているようなドライバーとの経験値の差が広がったままのレースになってしまった部分もあるので、少なからず周回を重ねられましたし、明日のフィーチャーレースに向けてもチームとまた改善をして頑張りたいと思います。【フィーチャーレース】19日(日)、好天の下で午前10時より35周で争われるフィーチャーレースが行われた。16番手グリッドの宮田莉朋は、スタート後ひとつ順位を落とし17位で周回を開始。しかし、2周目の3コーナーで、宮田の前を走っていた車両がコースオフ。そのままコースへと戻ってきた車両を間一髪避けた宮田は、その影響でコースオフを喫し、なんとかコースへは戻ったものの、ほぼ最後尾の21位へと順位を落としてしまった。フィーチャーレースではタイヤの交換が義務づけられており、義務を消化可能となった6周目から数台がピットイン。翌周には宮田莉朋を含む多くの車両がピットへ向かった。ピットを終えてコースへ復帰した時点で宮田莉朋の順位は19位。14周目には1台にかわされ、20位に順位を落とすも、レースが終盤になってくると、タイヤの厳しくなってきたライバルとの順位争いを展開。残り10周を切り、ピットを遅らせていた集団がピットへ向かい、ここで数台がアクシデントで脱落。宮田は17位へと順位を上げると、32周目、33周目と立て続けに前車をパスしていき、14位へ浮上。その後も上位グループと遜色ないペースで周回を重ねていき、ファイナルラップでひとつ順位を落としたが、15位でチェッカーを受けた。宮田莉朋かなり厳しいレースになってしまいました。2周目に前の車両がコースアウトしたところを追い抜こうとしたところ、その車両がコースオフから全開で戻って来て、クラッシュ寸前のところになって、僕もコースアウトする羽目になってしまいました。それによって大きく順位を下げることになってしまったのが、そのままレースに影響してしまった印象です。でもそれに対しては、ぶつからずに相手側に対してのクラッシュを避けられたということをチームもポジティブに見てくれているので、自分としてはクラッシュせずにいられただけでも良かったかなと思っています。ペースとしては、タイヤマネージメントも周りが苦戦しているところを、コース上でオーバーテイクして順位も上げることができました。波乱の中でしっかり走り切って、追い抜くこともできましたし、イモラというコースも、レースをしたことでコースの特性を勉強できたので、この経験をしっかり次に活かしたいと思います。今週末も応援ありがとうございました。
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