F1界のレジェンド、ファン・パブロ・モントーヤは、ダニエル・リカルドのキャリアを決定的に狂わせた「愚かな一瞬」があったと語り、そのきっかけが2023年オランダGPでの負傷だったと主張した。2023年シーズン途中、ニック・デ・フリースに代わってF1復帰を果たしたリカルドは、アルファタウリで好パフォーマンスを見せれば、将来的にマックス・フェルスタッペンのチームメイトとしてレッドブルに復帰する可能性があると見られていた。
しかし、リカルドはオランダGPのフリー走行でクラッシュし、手を負傷。その後の数戦を欠場することになり、代役としてリアム・ローソンがF1デビューを果たすこととなった。ローソンは短期間ながらも印象的な走りを見せたが、2024年のフルタイムシート獲得には至らなかった。リカルドも2024年シンガポールGPを最後に再びシートを失い、以降はローソンがレッドブルに起用されたものの、わずか2戦で放出された。モントーヤは、この一連の出来事がすべてリカルドのケガから始まったとし、こう語った。「あれがまさにローソンがチャンスを得た理由だったんだ。考えてみろよ。あのレベルの“愚かな一瞬”がリカルドのキャリアを決定づけ、ローソンへの扉を開けてしまった」「もしリカルドが手を骨折していなければ、ローソンが起用されることはなかった。彼にとってはうまくいった。それでシートが与えられたわけだからな」リカルド、キャデラック参戦にも関心示さずF1グリッド復帰が期待されていた2026年についても、リカルドが復帰する可能性は低いようだ。ゼネラルモーターズの支援を受けて2026年にF1に参入するキャデラックは、セルジオ・ペレスやバルテリ・ボッタスといった経験豊富なドライバーと交渉しているとされるが、リカルドは候補に挙がっていない。米国では非常に人気のあるリカルドだが、F1復帰には乗り気ではないようで、キャデラックのボスであるグレアム・ロードンは次のように語っている。「実際、彼は公の場で“F1には興味がない”と発言している」「私の役割は(彼を)説得することではない。もし誰かを説得しなければならないなら、それはそもそもふさわしいドライバーではない。F1ドライバーに『クルマに乗れ』と説得する必要なんてないはずだ」