2025年F1スペインGPではマクラーレンが灼熱のバルセロナで最大ポイントを獲得、後方では波乱の展開に。アクション満載の週末が幕を下ろした今、パワーランキング審査員が最も高く評価したのは誰だったのか。モナコGPでの興奮冷めやらぬ中、スペインGPはさらなる熱気とドラマを生んだ。マクラーレンが1-2フィニッシュで最大ポイントを手にする一方、中団以降ではセーフティカーのタイミングやタイヤ戦略が順位を左右する展開に。
熾烈な戦いを制したのは誰か。今週のパワーランキングと総合順位表をチェック。F1パワーランキングは、F1.comの5人の審査員がグランプリ終了後に各ドライバーを評価し、週末を通してのパフォーマンスに応じて10点満点で採点。専門家のスコアを平均してレーススコアを作成し、そのスコアは総合パワーランキングのリーダーボードでシーズンを通して集計される。オスカー・ピアストリはモナコのレース週末ではチームメイトのランド・ノリスの陰に隠れていたが、バルセロナ-カタルーニャ・サーキットでは見事なポール・トゥ・ウィンで状況を一変させた。これでグランプリ7勝目を挙げ、ドライバーズ選手権でノリスに10ポイント差をつけることに。審査員たちはその走りに大いに感銘を受けた。ニコ・ヒュルケンベルグはQ1敗退から巻き返し、レース当日はスタートで猛プッシュしてポイント争いに食い込んだ。終盤のセーフティカー導入時点ですでにトップ10圏内を走行しており、新品ソフトタイヤという「ゴールデンチケット」を使ってルイス・ハミルトンのフェラーリをかわし、目覚ましい6位(フェルスタッペンのペナルティにより5位)を獲得した。シャルル・ルクレールは、Q3でソフトタイヤが不足するというギャンブルの結果、7番グリッドにとどまった。だが、レースでは着実にポジションを上げていき、マクラーレン勢とフェルスタッペンの後方となる4番手に浮上。さらに、セーフティカー再スタートでのソフトタイヤの優位性を活かしてフェルスタッペンを交わし、予想外の表彰台を手にした。オーストラリアGPのフォーメーションラップでの出来事を除けば、アイザック・ハジャーにとってF1デビューは夢のような滑り出しとなっている。生まれ持った速さと年齢を超えた成熟した走りを見せ、今回のスペインでも例外ではなかった。フランス人ルーキーは再びQ3進出とポイント獲得を果たし、三連戦すべてでこの2つを達成する100%の成功率を記録している。ランド・ノリスはモナコで予選の神がかったラップを含め、F1キャリアでも屈指の走りを披露したが、バルセロナではフリー走行からピアストリに後れを取り、小さなミスもあってQ3では伸び悩んだ。スタートでフェルスタッペンに前を許したことでレースはやや困難になったが、それでも2位に戻ってピアストリに続き、ダメージを最小限に抑えた。フェルナンド・アロンソは母国GPを通じて、まさに闘志を燃やしていた。数え切れないほどの地元ファンの声援を受けた2度の世界王者は、プラクティスからキレのある走りを見せ、予選ではトップ10入り、決勝ではアグレッシブなオーバーテイクを連発して今季初ポイントを獲得した。メルセデスはイモラとモナコで存在感を示せなかったが、スペインGPでも依然としてトップ勢に一歩届かない状況だった。そんな中、ジョージ・ラッセルは週末から最大限を引き出し、予選では2列目を確保。決勝ではフェルスタッペンとのあの場面もあったが、最終的に4位という堅実なポイント獲得で終えた。アルピーヌはバルセロナでの週末を何としても好転させたかった。4戦連続ノーポイントという状況で、モナコではクラッシュを喫したピエール・ガスリーが気持ちを切り替えて奮闘。週末を通じてチームを牽引し、Q3進出と貴重な8位入賞を果たした。ガブリエル・ボルトレトは予選で2人のキック・ザウバー勢の中で速さを示し、Q2進出と12番グリッドを確保。決勝ではチームメイトのヒュルケンベルグがより上位でフィニッシュしたものの、ボルトレト自身もポイントに肉薄する走りを見せ、週末全体から大きな自信を得ることとなった。2025年序盤は厳しい展開が続いていたリアム・ローソンだが、モナコで兆しを見せ、バルセロナでもプラクティスを通じて有望なペースを示した。予選では惜しくもQ3進出を逃し、決勝ではセーフティカーのタイミングに「やられた」と感じる形となった。ランク外ルイス・ハミルトンは、スペインでの決勝後、どこか落ち込んだ様子でインタビューを受け、数語しか発しなかった。控えめな内容に終わった6位という結果が、今回のパワーランキングトップ10入りを逃す要因となった。なお、ピットレーンスタートから13位まで挽回した角田裕毅もトップ10には選ばれなかった。
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