ルノーは、2014年のF1にむけて開発している1.6リッター V6ターボエンジンを将来的にアルピーヌのブランドでLMP1にカスタマーエンジンとして供給する可能性を除外していない。ルノーのカルロス・タバレスCOOは、F1で証明されれば、新しい1.6リッター V6ターボエンジンをスポーツカーエンジンのベースにするという考えにオープンであることを明かした。
今年、ルノーはアルピーヌの名でLMP2クラスにル・マンに復帰したが、カルロス・タバレスは、1978年のル・マン24時間レースで優勝して以来となるファクトリーチームには繋がらないと述べた。「我々がLMP1を造らないのは確かだ。アルピーヌのスピリットとも一致しない」とカルロス・タバレスはコメント。「アルピーヌは、常にダビデとゴリアテ(勝ち目の無い戦い)だった」「我々がLMP1において研究している唯一のことは、ルノーF1エンジンの派生型をチームに供給するということだ。F1には規制があり、エンジンは5000kmを走るようになっている。それはル・マンに必要なマイレージに非常に近くなっている」カルロス・タバレスは、すでにスポーツカーレースにおけるルノーF1エンジンの使用についてアプローチがあったことを明かした。「それについて私に会いに来た人々がいるのは確かだ。彼らは私がモータースポーツファンであることを知っているからね」「2014/2015年に我々のF1エンジンが競争的であることを証明できれば、そこに目を向けるだろう。2016年より前に耐久レースでこのエンジンが使われるとは想定していない」ルノーは、ケータハムと合弁会社「アルピーヌ・ケータハム」を設立し、2016年にスポーツカーの発売を予定しており、アルピーヌのモータースポーツへの復帰はより戦略的なアプローチだと言える。「スポーツカーが2016年以降に成功を収めれば、日和見性なアプローチからより戦略的なアプローチへの転換が見えてくる」今年、アルピーヌは、シグナテックLMP2チームを支援し、先週のル・マン24時間レースをクラス9位でフィニッシュ。一方、ケータハムもグリーブス・モータースポーツと提携してケータハム・モータースポーツとしてル・マン24時間レースに参戦。両社はELMSにも参戦していく。カルロス・タバレスは、両社間に対立はないと述べ、2つのチームが、スポーツカーで互いに競争していくことは可能だと述べた。「ジョイントベンチャー企業は、エンジニアリングと製造に集中し、流通を務める親会社にクルマを売っていく」「アルピーヌとケータハムは、同じエリアでそれぞれのクルマの販売促進を望んでいるが、そこには悩んではいない。2台のクルマには大きな違いがある」