レッドブル・レーシングのチーム代表ローラン・メキースは、角田裕毅がスプリント予選(SQ1)で敗退した責任を認めて謝罪したが、問題はそれだけにとどまらなかった。角田裕毅は1回の計測ラップのみを完了し、暫定14番手のままピットに戻った。しかし、その後ガレージでの作業に時間を要し、チェッカーフラッグ掲示前に最終アタックラップへ出られずに終わった。
オリー・ベアマン、エステバン・オコン、ガブリエル・ボルトレトらも同様に最終ラップを開始できず、メキースは「我々の判断ミスだ」と謝罪した。メキースは英スカイスポーツF1のインタビューで、チームの走行プランが不十分だったと認めた。「正直に言って、我々のミスだ。裕毅には謝らなければならない。プログラムが少しタイトすぎた」とメキースは語った。「走り続けてコース上で冷やすか、あるいはガレージに戻ってより効率的に冷やすかの選択だった。後者を選び、ガレージで冷却して再びコースに出る時間があると考えたが、実際には数台しか間に合わず、我々はそのカットに間に合わなかった」「だから裕毅には謝罪しなければならない」ペース不足と複合的な要因チームの判断ミスに加え、角田の最初のラップペース不足も結果を左右した。初回のフライングラップはチームメイトのマックス・フェルスタッペンより1.119秒遅れで、フリー走行から続く課題が表れた。ハードタイヤでは好調だったが、ソフトやミディアムではグリップを引き出せず、SQ1でも同様の傾向を示した。角田はターン1とターン11で向かい風に苦しみ、さらに旧仕様のフロントウイングを使用していたが、「それほど大きな差ではない」と木曜に語っていた。ピット戦略の誤算レッドブルは、角田を一度ピットに戻す戦略を採用した。これは燃料補給の必要性からであり、初回ラップの軽量化を狙った判断でもあった。ピットボックス前で停止してから再びコースインするまで約2分8秒を要したが、特別遅い作業ではなかった。しかし、再出走した時点で角田裕毅は長い車列の最後尾につくことになり、タイムアップ前に最終ラップを開始できないリスクをチームも本人も認識していた。無線では「時間がギリギリだ」「間に合わないかもしれない」と角田裕毅は伝えていた。さらに、周回を続けていたメルセデスやガスリーらがスペースを確保するために速度を落としたことで、ピットレーン出口の混雑はさらに悪化。結果として、角田はガレージを出てからコースインまでに93秒を要し、最終的にラップを開始できなかった。角田「コントロールできることではなかった」セッション後、角田は状況を理解できないまま悔しさをにじませた。「ガレージを出るタイミングが全然合っていなかったです。正直、何が起きたのかよくわかりません。何かが間違っていて、ラップタイムを記録するチャンスがまったくなかったのは本当に残念です」「すごくフラストレーションが溜まります。僕がコントロールできることではないですし、どちらかというとチームのマネジメント側の問題だったと思います。だから本当にショックです」分析:結果以上に浮き彫りになった課題メキースの謝罪が示す通り、チーム戦略のミスは明らかだが、角田にも改善すべきポイントはあった。初回ラップの遅れがなければ、SQ2進出の可能性は十分にあった。また、フリー走行でのソフトタイヤでのパフォーマンス不足が、チームの燃料戦略にも影響したとみられる。もし角田の初回ラップがもう少し速く、チームが余裕をもって燃料を積めていれば、最終アタックを行うチャンスも得られた可能性が高い。フェルスタッペンがポールポジションを獲得したことからも、マシンの速さは十分にあっただけに、今回の結果は痛恨だ。