メルセデスF1のチーム代表で共同オーナーでもあるトト・ヴォルフが、2026年のラインアップに向けてマックス・フェルスタッペンとの可能性を完全には否定していない。その背景には「メルセデスというブランドへのリスペクト」があるという。フェルスタッペンとヴォルフの間に再び接触があるのではないかという噂は、F1オーストリアGPの場で再燃した。きっかけとなったのは、メルセデスのジョージ・ラッセルの発言だ。
これに対し、レッドブルのアドバイザーであるヘルムート・マルコは不快感を露わにした。「ラッセルが今度は何を言ったんだ?」とマルコはレッドブル・リンクで語り、「彼は喋りすぎだ。もう契約があると思っていたが」と皮肉を交えた。さらに、「あれはモントリオールの結果のせいだ。あの勝利が彼にとってはむしろマイナスだった。我々としては真剣に受け取るつもりはない。とにかく彼はよく喋りすぎる」と不満をにじませた。とはいえ、ヴォルフとフェルスタッペンがこうした噂を止めていないのも事実だ。フェルスタッペン自身も2026年以降のレッドブル残留を明言することは避けている。記者から「フェルスタッペンとの“フラート(いちゃつき)”はあるのか」と問われると、ヴォルフは次のように答えた。「“フラート”をどう定義するかによる。実際にはそういう意味でのフラートはない。ただ、どう振る舞うかによる話だ。フラートもできるし、普通に会話をすることもある」ヴォルフは、18歳のプロテジェ(育成ドライバー)であるアンドレア・キミ・アントネッリを1年限りで放出することは考えていないとも明言しており、イタリア人ルーキーを「将来のチャンピオン」と呼び続けている。しかし、ラッセルとフェルスタッペンのコンビも「あり得る」とする考えに変わりはない。「どんなラインアップでも想像できる」とヴォルフは語り、「私はニコ・ロズベルグとルイス・ハミルトンがチャンピオン争いを繰り広げたのを見てきた。だからそれ以降のことはすべて簡単だ」と自信を示した。Skyイタリアのインタビューでも、ヴォルフはフェルスタッペンとの対話の可能性について開き直っている。「我々は現行のドライバーに満足している。ただ、メルセデスのような企業にとっては、すべての可能性を検討するのが当然だ。それが4度の世界チャンピオンであるなら、なおさらだ」と語った。一方、マルコはフェルスタッペンの去就について心配していない様子だ。「事実として、マックスはキャリアを通じてずっと我々のマシンに乗ってきた。そして彼はこのチームに居心地の良さを感じている」と述べたうえで、「ただし、今の我々はマクラーレンに後れを取っている。マックスが自力で勝てるマシンを作らなければならない。とはいえ、現時点ではマックスは我々と共にある」と断言した。レッドブルのチーム代表クリスチャン・ホーナーもViaplayに対して、フェルスタッペンの去就報道についてこう一蹴している。「こんな話には何の注意も払っていない。今のところはただの噂だ。我々はマックスとどこに立っているかを正確に把握している。残りはただの雑音にすぎない」
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