レッドブルF1のチーム代表であるクリスチャン・ホーナーは、マックス・フェルスタッペンが他のF1ドライバーたちから「標的」にされているとの懸念から、カナダGPを前にFIAと話し合いを行ったことを明かした。フェルスタッペンは現在、F1での出場停止処分の瀬戸際に立たされており、スペインGPでメルセデスのジョージ・ラッセルと接触したことで、あと1点でペナルティポイントが累積上限に達する状況だ。
4度のF1ワールドチャンピオンであるフェルスタッペンは、モントリオールの週末を無事に乗り切ったものの、6月末にペナルティポイントが期限切れとなる前に、次戦オーストリアGPを無傷で終える必要がある。そして今になって、レッドブルがFIAのレースディレクターであるルイ・マルケスに接触し、この微妙な状況にあるフェルスタッペンが「駆け引き」の標的にならないように保護を求めていたことが明らかになった。「ジョージの予選後の記者会見を聞けば分かると思う。彼の目的はかなり明確だった」とホーナーは語った。「見ての通り、ある程度の駆け引きが行われるのは避けられないと思う」「我々はドライバーズブリーフィングの後にレースディレクターと話をして、この件について彼らにも意識してもらえるように伝えた。なぜなら、そういったことが行われるのは明白だからだ」「でもマックスは週末を通して非常にクリーンに走っていたと思うし、今日は素晴らしいレースをしていた」レッドブルがマルケスに何を伝えたのか問われると、ホーナーはこう答えた。「メディアでそういうコメントが出ていることもあったので、『気を付けて見ていてほしい』とだけ伝えた」レッドブル、抗議は不発に終わるカナダGPの終盤、セーフティカー中のラッセルの走行に対してレッドブルが2件の抗議を行ったが、いずれも却下された。モントリオールでラッセルはフェルスタッペンを抑えて優勝を果たしたが、レッドブルはラッセルが2点においてレギュレーションに違反しており、故意にフェルスタッペンにペナルティを与えようとしていたと主張した。しかし、レーススチュワードは数時間にわたる調査の末、両方の訴えを却下。レース結果が正式に確定したのは、チェッカーフラッグから5時間以上経った後だった。この結果、フェルスタッペンは現在ランキング首位のオスカー・ピアストリから43ポイント差、2位ランド・ノリスとの差は21ポイントに縮まっている。