レッドブル・レーシングF1のチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーは、ホンダがこれほどまで早くにF1に復帰すると知っていたら、レッドブルは独自のパワートレイン部門を設立することはなかったと主張する。先週、ホンダは2026年シーズンからアストンマーティンF1チームと提携すると発表した。ホンダは、事実上ワークス関係でアストンマーティンF1チームの要求に合わせてパワーユニットを設計、生産することになる。
ホンダは2020年10月、翌シーズン限りでF1から撤退する意向を発表した。クリスチャン・ホーナーによると、ホンダのF1撤退という決断の鍵となったのは、F1が内燃エンジンに固執していることだったという。だが、それ以来、F1は新しいパワーユニットレギュレーションを発表し、パワーユニットの電化の側面を約20パーセントから50パーセントに引き上げることになった。また、完全なサステイナブル燃料も義務付けられ、内燃エンジンに新たな息吹を吹き込むことになった。こうした変化は、ホンダをF1復帰へと心変わりさせるには十分だった。しかし、ホンダのこの決断はレッドブルにとっては遅すぎた。レッドブルはその時点で、レッドブル・パワートレインズという独自のプロジェクトに着手しており、その後フォードと契約を結んでいる。レッドブル・パワートレインズ「確かに高価な決断だった」と、ホーナーは計画の変更について語った。「我々はカスタマーであることを超えて成長した。「パワーユニットを敷地内、キャンパス内に置き、シャシーと完全に統合し、エンジンとシャシーのエンジニアが隣り合わせになることで生まれる相乗効果を考えれば、長期的には大きなメリットがあると思っている」「ホンダの撤退がなければ、我々はこのような飛躍を遂げることはなかっただろう。したがって、多くの点で、ホンダには、我々に独自のエンジン施設を作るための後押しをし、それによって雇用を創出し、提供してくれたことに感謝すべきだ」「もちろん、フォードとのパートナーシップは、将来に向けて特にエキサイティングなものであり、レッドブルと株主がこのプロジェクトにコミットしていることは明らかだ」「ホンダの決断を知っていたら、我々は同じ決断をしただろうか? 絶対にしなかった」「しかし、我々は決断し、それにコミットした。そして、我々が関与すればするほど、長期的にはグループにとってより多くのメリットがあると考えている」マックス・フェルスタッペンもホンダのF1復帰に苦言マックス・フェルスタッペンも、レッドブルにとってホンダを失うことは「残念」だと認める。「僕たちの側としては、もちろん、すべてがどのよう展開したかは少し残念だ」とフェルスタッペンは語った。「なぜなら、数年前、彼らは『やめる』と言い、その後レッドブルは独自のエンジン部門を設立したけど、ある時点で彼らは『やっぱり続ける』と言った。残念ながら、すでにエンジン全体を自分たちで構築するプロセスに入ってしまうと、もう一緒に作業することはできない」「ちょっと残念という感じだね。僕たちは彼らと常にとても良い関係を築いてきたけど、彼らがアストンマーティンに行くのを見るのはちょっと残念だ。でも、僕たちとしても、2026年以降、フォードとともに何が起こるか非常に楽しみにしている」「それが現実だ。数年前、僕たちは彼らが去ると思っていたけど、今では彼らは残り、アストンマーティンと一緒に行動を共にする。アストンマーティンにとって、それは本当に良いことだ。彼らは素晴らしいエンジンを持っているし、それは誰もが知っている」ホンダとの対談フォードとの提携を決めたのは、ホンダと提携を維持するための話し合いをした結果、結局何の成果も得られなかったためである。それは、ホンダがパワーユニット供給の面でレッドブルへのサービスを継続するため、F1撤退が撤回された後でもあった。「ここ数年、大切なパートナーであるホンダと多くの話し合いをしてきた」とホーナーは語った。「当初の契約では、彼らは2022年末までに完全にF1から撤退し、我々はエンジンの組み立てを自分たちで担当することになっていた」「そこで我々はホンダに残留して2025年末までエンジンの組み立てを続けるよう説得することができた」「そして、昨年の秋から冬にかけては、電動化に関して何か連携ができないかという話し合いをしました。というのも、内燃エンジンは、彼らが継続を望んでいないものだったからだ」「しかし、正直なところ、それを実現するためには、両者の間であまりにも多くの妥協が必要だった」「そこで、我々はフォードととのオプションを採用することに決めた」持続可能な未来アストンマーティンとの契約を発表した際、ホンダはF1における電動化の進展と、それが将来的にロードカーに与える影響の重要性を強調した。これはホーナーにとって納得できないポイントであり、議論の中で、燃焼力の有無がネックになっていたと指摘した。「これは内燃機関が死んでいないことを示している」とホーナーは述べた。「ホンダが撤退したのは電動化のためだったが、内燃エンジンにはまだ命が残っている」「おそらく、持続可能な燃料とゼロエミッション、そして2026年に向けてフォーミュラ1が目指す方向性によって、内燃エンジンは再び彼らにとって重要なものになったのだと思う」「だから、もしかしたら、完全に持続可能なV8やV10に戻るかもしれない…」
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