レッドブルのエイドリアン・ニューウェイは、F1のレギュレーションがいまだにシャシーマニュファクチャラーにとって厳しすぎであり、パワーユニットが序列に与える影響が大きすぎると考えている。新しいV6ターボ規約が導入されてからまだ1年しか経っていないが、エイドリアン・ニューウェイは、すでにF1の第一線から退き、他のプロジェクトを追求している。
昨年、レッドブルは何とかコンストラクターズ選手権2位につけたものの、ライバルのメルセデスからは大きく遅れて、メルセデスが16勝したのに対してわずか3勝にとどまった。レッドブルとルノーの考えでは、2014年のメルセデスとのパワー差は10%だが、エイドリアン・ニューウェイは、シャシーの規約には今年追い上げを可能にするだけの柔軟性が不足していると考えている。「うまくいけば進歩は常に可能だが、問題はレギュレーションの制限にある。ノーズ規約の小さな変更を除けば、レギュレーションは冬の間に本当に安定した状態を保っていた。残念ながら、かなり制限のあるレギュレーションになりつつある」とエイドリアン・ニューウェイはコメント。「我々はそれを少しずつ削り、幅の狭いフロントウイング、より低いノーズ、エキゾーストエフェクトのほぼ禁止といった面で2013年とは大きく異なるマシンについて理解した。昨年は多くの新しいことを学びとり、今年のクルマにそれらの教訓を生かそうとしている」だが、ルノーがパワー面でメルセデスとの差をつめることはできないため、レッドブルにほぼ不可能なタスクが生まれているとエイドリアン・ニューウェイは語る。「ルノーは、昨年のパワー差が10%前後だと認めている。これは我々の分析からくる概算で、彼らも当然同じ意見だ。大きな数字だし、ルノーにとって短い期間で乗り越えるのが容易なものではない。彼らは冬の間のエンジン開発でとても優れた仕事をしたと思うが、10%は数カ月で覆せるものではない。それが我々のいるポジションだ」「昨年よりは良いが、今でもメルセデスが去年いた場所からは大幅に遅れている。そして、彼らが冬の間に見つけたものは考慮に入れていない」「それがエンジンビジネスの特性だ。シャシーマニュファクチャリングが達成できるよりも長いリードタイムが必要であり、成長曲線は緩やかだ。その理由はパーツの製造にずっと長い時間がかかるためだ。今年は非常に厳しくなりそうだし、その部分で少し不利な状況だ」「私の意見では、F1はドライバーのパフォーマンスとシャシー、エンジンのブレンドであるべきだ。現在のレギュレーションはエンジンの方に振れすぎており、シャシーにはかなり縛りがある。あるエンジンマニュファクチャラーが恩恵を導けば、シャシーマニュファクチャラーがそれをひっくり返すだけの違いを生み出すのは難しくなる。シャシーに違いがないというわけではなく、もちろんあるが、最後のあとわずかを見出すのがより難しい」