キミ・ライコネンのレースエンジニアを務めるマーク・スレイドが、キミ・ライコネンの性格、ドライビングスタル、そしてF1復帰後のパフォーマンスについて語った。キミ・ライコネンは、ロータスでF1復帰した今年、マクラーレン時代にレースエンジニアを務めていたマーク・スレイドを自らレースエンジニアに指名した。
マーク・スレイドは、キミ・ライコネンは2年間F1から離れてはいたが、開幕2戦ですでに本来のパフォーマンスに戻っていると語った。「彼はシーンに登場した若きスーパースターの頃と変っていないと思う。彼はこれまでと同じように良いコンディションに見えるし、これまで私が見た限りでは絶好調だ」キミ・ライコネンは、ステアリングに違和感を抱えているが、マーク・スレイドは、昨年ケータハム(当時ロータス)で同じような問題に苦しんだヤルノ・トゥルーリのような深刻なものではないと述べた。「メルボルンでは、まだ少し新しい環境に慣れようとしていたし、セットアップ面でいくつかやらなければならないことがあったと思う。まぁ、一旦わかってしまえば、そのようなことは望まなくなるだろうが、今の段階ではまだそれが残っている。だが、今週末(マレーシア)、彼はどのような変更を望んでいるかというようなコメントをしていたと思う。つまり、彼は再びきちんとそれを身につけているということだ」キミ・ライコネンのドライビングスタイルについては「実は彼は非常にスムーズだ。つまり、よりアグレッシブにステアリングに入力を与える他のドライバーが対処できるよりも、しばしばシャープにマシンを取り扱うことができる。それが彼の強みだと思う」とコメント。マーク・スレイドは、“アイスマン”と呼ばれるキミ・ライコネンの独特で独立した性格について以下のように述べた。「彼は周りに流されるようなことはないし、我々が改善する必要があるものについてフィードバックを与えるのが非常に得意だ。彼は非常に自主的な考えをしており、彼のために人々がなにかをすることを望まない。自分でヘルメットを被り、自分で無線コネクターを整理することを望む。人々が彼の周りでそわそわと歩き回ることを望まない。そのすべてが、仕事にとって非常に良いひなむきな決意を彼に与えている」「予選走行に行く1分前に彼のマシンが台に乗っていても、彼は我々がすべてをまとめるだろうと思いこんで、そこに座っていたときがあった。他のドライバーならおどおどするだろうが、キミに関しては、たいてい彼を起こすためにヘルメットを軽く叩かなければならないだろう」マーク・スレイドは過去に数人のワールドチャンピオンと働いている。1998年〜2001年はミカ・ハッキネン、2002年〜2006年はキミ・ライコネン、2007年はフェルナンド・アロンソ、そして2011年にはミハエル・シューマッハのレースエンジニアを務めていた。だが、マーク・スレイドは、最もうまくいっていたドライバーはキミ・ライコネンだと考えている。「彼ら全員とうまくやっていたと感じているが、おそらくキミは最も緊密な関係を築いたドライバーのひとりだ。そのような手腕のあるドライバーは、努力をすれば、確実に返ってくることを知っている。それが全てを価値あるものにするということをね」多くの人々は、キミ・ライコネンのF1復帰に対するモチベーションに疑問を抱いていたが、マーク・スレイドは、キミ・ライコネンから電話を受けたときに、ライコネンが復帰について真剣だということがわかったと述べた。「一部の人々は、キミが正当な理由で復帰したと確信していなかったと思うが、彼から協力して欲しいと電話があったときに、彼は私を失望させることはないだろうし、完全に真剣であるとかなり確信していた」過去にキミ・ライコネンは、PR活動には積極的だとは言えなかったが、2年間のWRC活動でプレスに対応したことで、今はその成熟度が増していることを示している。例を上げれば、トップ・ギアへの出演や、ジュネーブ・モーターショーでのロータスの特別仕様車の公開など、ロータスのために姿を現している。「彼は、クルアに乗り、それを速く走らせ、エンジニアと作業をして、それをもっと速く走らせたいだけなんだ。その残りは、煩わしく、目触りなように見える。その他のものをやる必要はあるが、彼は一旦それをする必要があると納得すれば非常に得意だ。ただ、極力やりたくないだけだ。そのように理解できる。完全にそれに合意していると言わないが、彼がなぜそのように感じているかは理解できる」F1オーストラリアGPでは、そのクールなイメージに反して、キミ・ライコネンは青旗についてレースエンジニアに叫んでいた。「ポイントを知りたいとき、彼は非常に強くそうする。いくぶん興奮しているように聞こえたかもしれないが、そうではない。彼は単に望んでいる方法に誰も疑いがないようにしたいだけだ。それを間違った方向に受け取ってしまう人もいると思うがね」