2025年F1第23戦カタールGPのスプリント予選が11月28日(金)にルサイル・インターナショナル・サーキットで行われ、オスカー・ピアストリが重要なポールポジションを獲得し、ジョージ・ラッセルとマクラーレンのチームメイトであるランド・ノリスを抑えてトップに立った。金曜のSQ3でオーストラリア人は最も重要な場面でペースを発揮し、2回のフライングラップいずれでもタイムシートのトップに位置し、最終的な基準タイムとなった1分20秒055はメルセデスのラッセルにわずか0.032秒差をつけたものだった。
ノリスはカタールGPを前にピアストリとマックス・フェルスタッペンに対して24ポイントのリードを持っており、つまり今週末に自身初のF1タイトルを獲得する可能性があるが、最終アタックで最終コーナーでワイドにふくらんだ後、さらに0.2秒遅れてフィニッシュした。アストンマーティンのフェルナンド・アロンソが見事な4番手を獲得し、角田裕毅はレッドブルのチームメイトであるフェルスタッペンを上回った。フェルスタッペンはバウンシングに苦しみ、6番手で終えている。トップ10はキミ・アントネッリ(メルセデス)、カルロス・サインツ(ウィリアムズ)、シャルル・ルクレール(フェラーリ)、そしてウィリアムズ2台目のアレックス・アルボンが続いた。アイザック・ハジャーはターン8でトラックリミットにより最終ラップタイムを失ったためSQ3に進出できず、レーシングブルズのドライバーはオーリー・ベアマン(ハース)、ガブリエル・ボルトレト(キック・ザウバー)に続く11番手に分類された。ザウバー2台目のニコ・ヒュルケンベルグもトラックリミットにより最終ラップタイムを失っており、14番手でフィニッシュし、ハース2台目のエステバン・オコンの前となった。アストンマーティンのランス・ストロールはSQ1でノックアウトされた最初のドライバーで、レーシングブルズのリアム・ローソンとルイス・ハミルトンに続いた。ハミルトンは再び予選のオープニングフェーズで敗退しており、アルピーヌのピエール・ガスリーとフランコ・コラピントが土曜の19周スプリントに向けた順位表を締めくくった。■ SQ1:序盤から路面コンディションが急改善、角田裕毅が安定感ある走り/ハミルトンはグリップ不足で苦戦スプリント予選の幕開けとなるSQ1は、全員がミディアムタイヤで一斉に飛び出す混雑スタートとなった。フェルスタッペンがまず基準となるタイムを刻んだものの、周回を重ねるごとにサーキットのグリップが一気に高まり、後続のアタックが続々と更新していく展開へ。角田裕毅は最初の走り出しからリズムが良く、セクターごとに堅実なタイムを積み上げて上位ポジションをキープ。ターン7〜10の高速区間で特に鋭い動きを見せ、序盤にして好調ぶりを印象づけた。ハジャーやアルボンも路面の進化をしっかり活かし、中団ながら上位に食い込むパフォーマンスを発揮していた。一方、ハミルトンはマシンバランスが整わず苦しい立ち上がりに。「これが限界だ」と無線で漏らした通りペースは上がらず、終始脱落圏から浮上できなかった。最後にアルボンがタイムを伸ばして突破を決める一方で、ローソン、ストロール、ガスリー、コラピント、そしてハミルトンがSQ1で姿を消すことになった。■ SQ2:フェルスタッペンは“跳ねるマシン”に苛立ち、角田裕毅は落ち着いた攻めで上位確保/アントネッリが土壇場で大逆転SQ2でも新品のミディアムで各車が次々とコースへ送り出される。フェルスタッペンは早いタイミングでタイムを記録するが、その後すぐ「車が動きすぎる」「跳ねて全然狙えない」と無線で訴え、マシンが適正なウィンドウに入っていない様子が明確だった。その中で光ったのは角田裕毅の堅実なアプローチだ。余計なリスクを避けながらも、必要な場面ではしっかりとアクセルを開け、フェルスタッペンより上のラップを安定して記録。SQ1同様に中高速区間で強みを見せ、上位通過をあっさりと固めてみせた。アントネッリは前半ほとんどタイムを残せず下位に停滞していたが、終盤にかけてじわじわと温度を整え、残り数分で会心の1周をまとめて一気にトップ10へ。若手らしい爆発力を示した。アルボンも最後の一撃で順位を押し上げ、ギリギリでSQ3に滑り込むことに成功。反対に、トラックリミット違反も響いたハジャーは11番手で惜しくも敗退。ベアマン、ボルトレト、ヒュルケンベルグ、オコンもここで脱落となった。■ SQ3:メルセデスが先攻、ノリスはクリアラップを逃す/ピアストリが最終決戦を制し、角田裕毅はフェルスタッペンを上回る5番手最終ステージのSQ3ではソフトタイヤに履き替わり、ドライバー達は一気に変わるブレーキング感覚と荷重の乗り方に対応しなければならなかった。メルセデス勢は早めにコースへ出てアタックをかけ、ラッセルが丁寧にタイヤを温めつつ序盤の基準となるラップを築く。それを追いかける形でマクラーレンが本格的に動き出し、ノリスとピアストリのタイム差はコンマ数十秒の攻防に。ピアストリが先に20秒台へ突入し、ノリスも応じようとするが、隊列の中で空力が乱れた影響もあってクリアラップを掴み損ね、最後の最後でわずか0.044秒届かず。最終的に、若きピアストリが勝負の1周を完璧にまとめてポールを奪い取った。レッドブル勢の対比も際立った。フェルスタッペンは「跳ねすぎて走れない」と無線で不満を漏らし続け、タイムの伸びは鈍いまま。角田裕毅は一方で落ち着いてソフトを使いこなし、フェルスタッペンを上回る5番手を獲得。マクラーレン・メルセデス・アストンマーティンなど強豪が並ぶ上位へ堂々入りした。サインツJr.とアルボンは共にトップ10入りを果たし、ウィリアムズとしては戦前予想から見れば上出来の成果。こうして激しい攻防が続いたスプリント予選は幕を閉じた。F1 カタールGP スプリント予選 結果1.オスカー・ピアストリ(マクラーレン)2.ジョージ・ラッセル(メルセデス)3.ランド・ノリス(マクラーレン)4.フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)5.角田裕毅(レッドブル)6.マックス・フェルスタッペン(レッドブル)7.アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)8.カルロス・サインツJr.(ウィリアムズ)9.シャルル・ルクレール(フェラーリ)10.アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ)11.アイザック・ハジャー(レーシングブルズ)12.オリバー・ベアマン(ハース)13.ガブリエル・ボルトレト(ザウバー)14.ニコ・ヒュルケンベルグ(ザウバー)15.エステバン・オコン(ハース)16.ランス・ストロール(アストンマーティン)17.リアム・ローソン(レーシングブルズ)18.ルイス・ハ...