ピレリが、F1イギリスグランプリの決勝レースを振り返った。メルセデスのルイス・ハミルトンが、ピレリの3種類のコンパウンドを使用して、母国グランプリ4勝目を挙げた。今年のイギリスグランプリ決勝は、スタート15分前の豪雨により、全ドライバーがCinturatoブルー・フルウェットタイヤを装着して、セーフティーカー先導で開始された。
5周後、セーフティーカーが退くと同時に、多くのドライバーがCinturatoグリーン・インターミディエイトへと交換したが、上位勢は、その後のバーチャル・セーフティーカー周回を活用してインターミディエイトへ交換した。インターミディエイトよりもスリックタイヤでの走行が速くなるクロスオーバーポイントは、全52周中の15周から18周の間に訪れた。フェラーリのセバスチャン・ベッテルが最初にスリックタイヤへ交換した。状況に即したタイヤを使用することで大きなゲインを得られる可能性があったことから、ピットストップのタイミングが極めて重要になった。決勝がウェットコンディション下でのスタートとなり、2種類のスリックコンパウンド使用義務は無くなった。レースの中盤まで、全ドライバーが全く同じタイヤの使用方法(フルウェット – インターミディエイト – ミディアム)を採る珍しい展開になった。大半のドライバーがミディアムで最後まで走り切り、2ストップが主流のレースとなった。トップ10も2ストップ戦略を採用し、トップ3は、終始10秒以内の差の中で競い合っていた。3ストッパー中の最上位ドライバーは、終盤にソフトタイヤを使用したウィリアムズのフェリペ・マッサだった。ポール・ヘンベリー (ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター)「ずっと懸念されていた雨がスタート直前に現実のものとなり、特に、長くセーフティーカーが導入されたことでレースの様相は一変し、タイヤ戦略にも影響が及びました。スタート後、乾いていく路面上で、全ドライバーが、フルウェットからインターミディエイト、そしてスリックへとタイヤ交換を行うことになり、ピットストップのタイミングが極めて重要になりました。イギリス特有の天候と多彩なコンディションの下、終始接戦が繰り広げられましたが、ドライバーたちはチェッカーフラッグまでプッシュし続けることができていたと思います」関連:【動画】 F1イギリスGP 決勝レース ハイライト