ピレリが、F1シンガポールGPの予選を振り返った。F1シンガポールGP 予選では、レッドブルのセバスチャン・ベッテルが、P Zeroレッド・スーパーソフトを使用して、シンガポールで自身通算41回目のポールポジションを獲得した。シンガポールグランプリ用として、P Zeroレッド・スーパーソフトとP Zeroホワイト・ミディアムタイヤが選択されている。
両コンパウンド間の性能差がラップあたり約2秒となっているため、決勝での戦略は多岐に渡る。セバスチャン・ベッテルにとってシンガポールでの2回目のポールポジションを決めたタイム1分42秒841と、2番手となったメルセデスのニコ・ロズベルグとのタイム差は、0.1秒を切る僅差だった。気温31℃の高温で湿度の高いコンディションの下、大半のドライバーがミディアムタイヤでQ1を開始。その後、上位勢の多くは、スーパーソフトを使用してセッション終盤での1回のランに照準を合わせた。レッドブルの両ドライバーとロータスのロマン・グロージャンのみが、Q1をミディアムタイヤだけで終え、マーク・ウェバーがミディアム勢では最上位の6番手となった。Q1でのトップは、スーパーソフトを使用したメルセデスのルイス・ハミルトンだった。Q2に進出した全ドライバーがスーパーソフトタイヤでセッションを開始。そのほとんどがQ1で1回使用した中古のタイヤを使用した。セバスチャン・ベッテルは、スーパーソフトを使用した1回のランで最速タイムを記録。ベッテルのタイムは、同様の戦略を採って2番手となったチームメイトのウェバーのタイムより0.8秒速いものだった。メルセデスの両ドライバーも、スーパーソフトでの1回のランでQ3へ進出した。マクラーレンのジェンソン・バトンを除く全ドライバーがスーパーソフトでQ3を開始。ジェンソン・バトンは、ミディアムタイヤでコースへ出たもののタイムは記録せず、その後の2回目のランをスーパーソフトで行った。セバチャン・ベッテルは、スーパーソフトを使用した1回のランでポールタイムを叩き出しました。フェラーリの両ドライバーも、スーパーソフトでの1回のランのみでセッションを終えた。ザウバーのエステバン・グティエレスは、Q3でタイムを計測しなかったが、今シーズン自己ベストとなる10番グリッドを獲得した。セバスチャン・ベッテルは午前中の最終フリー走行でも最速となり、2番手にはロマン・グロージャンが続いた。レッドブルの両ドライバーがセッションの大半でワンツーを独占する中、セバスチャン・ベッテルはスーパーソフトでセッション最速タイムを記録した。ポール・ヘンベリー (ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター)「レース週末の開始時点から、今回のグランプリの決勝がタイヤ戦略中心の展開になることは明らかでしたが、戦略に関する決断が予選にも影響を及ぼし、既にQ1からレース戦略が始まっていたようです。過去の結果から見ても、シンガポールではオーバーテイクが難しいので、予選で上位グリッドを獲得することは常に重要です。そして、両コンパウンド間のタイム差により、スーパーソフトが予選での選択となりました。しかし、決勝用の両コンパウンドの使用についても考えておく必要があります。決勝同様、予選も夜間に行われるため、他のグランプリとは異なる路面の改善や気温の進行パターンが見られます。摩耗に関しては特に厳しいトラックではありませんが、熱によるデグラデーションレベルが非常に高く、長いストレートの無いシーズン中でも極めて多いコーナー数が、タイヤにとって過酷な条件となります。また、このトラックのもうひとつの特徴であるヘビーブレーキングもタイヤ温度を上昇させます。明日の決勝では、2〜3回のピットストップを予測していますが、気温やセーテフィーカーなどの外部要因に左右されることもあるでしょう。戦略の機会は豊富ですので、決勝の行方は極めてオープンです」関連:F1シンガポールGP 予選:セバスチャン・ベッテルがポールポジション
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