ピエール・ガスリーは、トロロッソはまだホンダが導入したアップグレード版F1エンジンを最大限に生かすことができていないと考えている。ホンダは、F1カナダGPで内燃エンジンを改善させた“スペック2”パワーユニットを導入。それはレッドブル・レーシングが2019年にルノーからホンダにパワーユニットを変更するという決定において重要な役割を果たした。
しかし、前戦F1イギリスGPが開催されたシルバーストンにおけるホンダのF1パワーユニットのメルセデスとフェラーリとのパフォーマンス差は1周あたり1秒あったと見積もられており、ピエール・ガスリーは、中団のライバルと比較してホンダのF1エンジンの直線スピード不足は“半端ない(クレイジー)”だと語っていた。ピエール・ガスリーは、自身のフラストレーションはホンダではなく、彼らは“多くの改善”を遂げていると擁護するが、むしろ他のエンジンメーカーが“取り戻すのが本当に難しい”くらいの改善を果たしたことでさらにその差は広がったと考えている。「とにかくエンジンの純粋なパフォーマンスとパワーという点が大きいけど、彼らがそれに取り組んでいて、いくつかアイデアを持っていることはわかっている」とピエール・ガスリーはコメント。「彼らがトラックにそれを持ち込むには時間を与える必要があるけど、現時点で僕たちはストレートスピードという点でかなり多くを失っている」「僕たちはまだスペック2エンジンを最大限に生かすための方法を正確に理解しなければならない」ホンダは、シーズン終了までに再び内燃エンジン技術をアップグレードさせられることを期待している。ホンダF1のテクニカルディレクターを務める田辺豊治は「イエスかどうかは正確には言えませんが、我々はまだICE(内燃エンジン)に取り組んでいます」と Autosport にコメント。「我々は今シーズン中にいくつかのアップデートと改善をもたらせることを期待しています」「ガスリーのシルバーストンでの予選データでは、ストレートでパフォーマンス差が見られました」「もちろん、特に予選ではコーナーでフルスロットルで行ける場所というのもあります。そこは我々を手こずらせました。ここでのパフォーマンス差は他のサーキットよりも大きいことを意味しました」シーズン序盤のホンダの進歩、特にルノーと比較しての前進はレッドブルを元気づけており、レッドブルは2019年シーズン開幕までにホンダが他のゲインを見つけられることについて楽観視している。F1イギリスGPでは、ピエール・ガスリーは10位でフィニッシュしたが、レース後のペナルティによって13位に降格してポイントを手にすることができなかった。一方、チームメイトのブレンドン・ハートレーは、マシントラブルによりわずか1周でレースをリタイアしている。ブレンドン・ハートレーは、フリー走行3回目のサスペンション故障によってモノコックを交換し、予選を欠場して、レースをピットレーンからスタートした。しかし、新しいホンダのエンジンパーツのインストールに問題があったことでブレンドン・ハートレーはガレージを離れるのが遅れ、さらにすぐにピットに戻ることを余儀なくされた。「クルマの修理している間に、パワーユニットの組み付け作業で不具合があり、それが機能不全を引き起こしました」と田辺豊治はコメント。「パワーユニットに異常値がみられ、リタイアすることを決断しました。コンポーネントは問題ないと思います。ダメージがなかったかんついては慎重にチェックしていきます」トロロッソ・ホンダのドライバーはすでにパワーユニットの使用数がシーズンの制限を超えており、今後は新しいコンポーネントを導入する際にはグリッド降格ペナルティが科せられることになる。しかし、レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、ホンダのエンジン開発を支援したいと考えており、そのためにはトロロッソを実験台にしてもかまわないと考えている。「もちろん、それはホンダが決めることだが、開発によって彼らがコンマ1秒を見いだせるのであれば、彼らはそれをレースでテストすることができる。例えそれによってトロロッソがペナルティを受けることになってもね」とヘルムート・マルコは Auto Motor und Sport に語った。
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