セルジオ・ペレスは、2025年F1メキシコGPとブラジルGPでランド・ノリスに向けられたブーイングについて、「良い面もある」と語り、F1ファンの情熱が強く表れた出来事だったと指摘した。メキシコシティのスタジアムセクションでは、優勝直後のノリスへのインタビュー中にブーイングが鳴り響き、ブラジルGPでもスプリントと決勝の両方で同様の反応が見られた。一方で、ノリスはメキシコとブラジルで連勝し、ドライバーズ選手権の首位を奪還。とはいえ、モンツァでのチームオーダーをきっかけとしたファンの不満が続いており、表向き落ち...
ノリス連勝の裏で続く“ブーイング問題”とペレスの見解ランド・ノリス(マクラーレン)はメキシコとブラジルで連勝し、2025年F1ドライバーズ選手権の首位に返り咲いた。しかし、その一方でファンからブーイングを浴びる場面が続いた。メキシコシティGPでは、オートドローモ・エルマノス・ロドリゲスのスタジアムセクションで、一部のファンが圧勝したノリスへのインタビュー中にブーイングを送った。ブラジルGPの週末でも同様の反応が見られた。続くノリス批判とF1ファンの複雑な感情一部では、ノリスに向けられたブーイングは、モンツァでのチームオーダーでノリスが得をした件への不満を表していると指摘されている。モンツァ前、ドライバーズ選手権ではピアストリが34ポイントリードしていたが、現在は24ポイント差を付けられる形で逆転されている。マクラーレンはイタリアGPで、先にピットインしたピアストリがノリスをアンダーカットする形になったことを受け、ポジションを返すよう指示。これは「ピアストリが前に出ることはない」という事前説明と異なる展開だった。ランド・ノリスはメキシコシティGP優勝後、マクラーレン車上で歓喜を見せたが、同時にファンの一部からブーイングを浴びていた。ピアストリはモンツァ以降の6レースで一度もノリスを上回れておらず、メキシコでも42.065秒差のP5。ブラジルでもスプリント、決勝共にノリスは優勝し、ファンからは再びブーイングが起きた。セルジオ・ペレスはこのブーイングについて「良くないことだ」としながらも、ファンが本音を見せる“ある意味での良さ”もあると述べた。ペレスはロイター通信に語った。「レースに勝ったドライバーにブーイングするのは良いことではない。でも同時に、ファンの本音や情熱を見られるのは良いことでもある」「ただし、敬意を持ってやるべきだ。勝者への敬意は常に必要だ。でも、まあ、こういうものだよ」ブラジルでは、レース前のドライバー紹介でノリスの姿がビッグスクリーンに映し出されるだけでブーイングが起きており、ノリスは表向きは気にしていないと語るものの、内心では疲れを見せているという。ファンが不満を抱える理由としては、モンツァでのチームオーダーで「ピアストリが不当に順位を譲った」とされる構図が残っているためだ。しかしマクラーレンとしては、ノリスのピットストップが遅れたことで起きた予期せぬ状況を収拾すべく、苦渋の判断を取らざるを得なかった。ペレス発言に見える“F1ファン文化”の特徴セルジオ・ペレスが示した視点は、ラテンアメリカを中心とした“感情表出型のスポーツ文化”にも通じる。彼の発言は、・熱狂的な応援・結果への強い反応・好き嫌いが明確に表れるファン気質といった地域性を踏まえたものでもある。「良い面もある」という言葉は、ブーイングそのものを肯定したというより、F1というスポーツの“情熱の強さ”を読み取った発言と言える。ノリスは今後もブーイングに直面するのかノリスがタイトル争いを主導する限り、特定の地域でのブーイングは続く可能性が高い。・モンツァの後遺症・連勝による“勝者への反発”・ピアストリ支持層の不満など、複数の要因が絡み合っているためだ。ただし、ペレスが指摘したように、これは“情熱の裏返し”でもあり、ノリスが嫌われているという単純な構図ではない。
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