アルガルベ・サーキットは、2020年にキャンセルとなったフライアウェイラウンドに代わる開催地としてF1ポルトガルGPを開催するべくF1側と“強力な交渉”を行っていることを明らかにした。新型コロナウイルスにより開幕が大幅に遅れていたF1だが、リバティ・メディアは7月5日のオーストリアGPから始まるヨーロッパでの序盤8戦のカレンダーを発表。レッドブル・リンクとシルバーストンは2週連続開催のダブルヘッダーとなり、ハンガロリンク、カタロニア、スパ・フランコルシャン、モンツァがカレンダーに含まれている。
だが、9月初旬のF1イタリアGP以降のレースはまだ確定しておらず、先週、F1はアゼルバイジャン、シンガポール、そして、日本での2020年のグランプリを中止することを発表。すでにオーストラリア、フランス、モナコ、オランダが2020年の中止を決定しており、今シーズンはヨーロッパでのレースを拡大する必要があると考えられている。ロシアは2020年に2つのレースを開催することを検討中であると伝えられており、バーレーンもオーバルのトラックを用いて2つのレースを開催する可能性がある。だが、テレビ放映権による収入を確保する15戦という最低ラインを確保するために、F1は当初の2020年F1カレンダーになかったトラックに目を向ける必要があるかもしれない。すでにイモラ、ムジェロ、ホッケンハイムがその候補地に挙げられており、そこにアルガルベ・サーキット(別名ポルティマオ・サーキット)が加わった。アルガルベ・サーキットは、F1によってしばらく検討されていたと考えられており、サーキットの広報担当はF1側と話し合いが行われていることを確認し、F1チームからも同サーキットが選択されることに“多くの意欲”があると主張している。「我々はFOMと連絡を取り、強力な交渉をしている」と広報担当者は語った。「ロス・ブラウンが言ったように、可能性はある。現時点では何も確認されていないが、我々はF1チームがポルトガルがカレンダーに選択されることに非常に高い意欲を持ってることを知っており、我々のレーストラックにF1をもたらすためにできる限りのことを行っている」「ロケーション、トラック、より大きなセーフティディスタンスが可能な大きな施設、気候、ホテル、そして国における新型コロナウイルスの影響の軽減など、誰もが望むオプションだ。だが、決定は7月にならなければ下されないだろう」F1は3戦の中止を発表した6月13日の声明のなかで「同時に、我々は改訂されたカレンダーで既存および新規のプロモーターと大幅な進歩を遂げており、2020年シーズン中にF1レースを開催する際の新しい会場からの関心に特に励まされている」と述べている。また、F1のマネージングディレクターを務めるロス・ブラウンは「包括的なシーズンを確実にするために、さらに1〜2レースを追加できるヨーロッパの優れたコースがたくさんある」と語っている。「それはまだ進行中の作業なので、まだそれを宣言するつもりはない」ポルトガルの地元紙 A BOLA は、9月13日のムジェロ、もしくはイモラでのイタリアでの2番目のレースに続き、9月27日にF1ポルトガルGP、10月24日にアルガルベGPとして開催されると保持ている。だが、現時点では9月27日はF1ロシアGPのために予約されており、ソチも2レースが可能な開催地として提案されている。そのため、ポリティマオは、事実上、F1ロシアGPが実現しない場合のバックアップだと考えられている。2008年にオープンした4.6kmのアルガルベ・サーキットは、2008年12月と2009年1月に3回のF1プレシーズンテストに使用され、フェラーリ、マクラーレン、ルノー、ウィリアムズ、トヨタ、トロロッソが参加した。現在、それらのテストに参加した現役ドライバーはルイス・ハミルトンしかいない。だが、下位カテゴリーでは、セルジオ・ペレス(GP2)、ダニエル・リカルド(ルノー3.5 /ブリティッシュF3)、バルテリ・ボッタス(ブリティッシュF3)、また、2015年のFIA F3ではアレクサンダー・アルボン、シャルル・ルクレール、アントニオ・ジョビナッツィ、ジョージ・ラッセル、ランス・ストロールなどが参加している。F1ポルトガルGPは1996年にエストリルで最後に開催された。