F1の独立系6チームが、現行のコンストラクターズ選手権と並行して“インディペンデント選手権”の設立ついて議論していたことが明らかになった。このアイデアは、フォース・インディアの副チーム代表ボブ・ファーンリーが発案。ライバルチームであるウィリアムズ、トロ・ロッソ、ザウバー、ハース、マノーに打診した。
インディペンデント選手権の参加条件は、マーケティング、ホスピタリティ、ドライバーとの契約に関する費用は含まない1億ドルのコストキャップを適用することとしていた。インディペンデント選手権はFIAが管轄し、コンコルド協定とは別の商業契約も結び、順位に応じて分配金を受け取るというもの。だが、FIAや商業権の所有者と協議するまでには至らなかった。この6チームは、引き続き従来のコンストラクターズ選手権のコンペティターでもあり、ワークスチームに対抗してポイント、ポディウム、総合優勝を目指す権利もあるとされていた。しかし、最終的にはトロ・ロッソとウイリアムズが反対したため、このアイデアは棚上げとなった。ボブ・ファーンリーは「私が目指していたのは、6つの独立チームが、監視によってFIAされるが、自主的に行われるコストキャップを望むかどうかだった。2段階としてコストキャップの議論に入るつもりだった」とコメント。「それにはまず、第一にそのような欲求があるかほうかをみてみる必要があった。我々は予備調査を行った」「原則として、彼らはそのコンセプトに好意的だったが、彼らnはそれについて考える時間が必要がだった」「コンセンサスが得られれば、ホッケンハイムで全チームと会議を行うつもりだった」「(だが)6つの独立系チームのうち、33%にあたる2チームはコストキャップに否定的だった。それでは意味がない」トロ・ロッソのチーム代表フランツ・トストは、彼らが賛同しなかったのはレッドブルの支持が得られなかったからだとしつつ、コスト削減の方法を探す必要はあると考えている。「2つのクラスが存在することになり、それはレッドブルの観点では意味のないことだった」とフランツ・トストはコメント「1億ドルのコストジャップでそれを開始すれば、それ以上の開発はできないし、パフォーマンス的に最下位となる」「コストキャップは実施すべきだが、やるなら全チームを対象とすべきだ」「コントロールできないという議論になった。だが、それではナンセンスだ」「マニュファクチャラーチームは、資金があるのでそれを望んでいない。しかし、資金が豊富なチームがさらに多くのお金を得て、それを費やしている状況だ」マノーのチームオーナーであるステファン・フィッツパトリックは、これを「真剣な検討に値する」コンセプトであると評価していた。「多くのチームが事実上制限なしの予算を与えられ、何らかの形でそれを全部使ってしまう。F1を財政的に持続可能なものにしたいのであれば、パフォーマンスを犠牲にすることなく、ファンやサーキットの所有者、チームが負担するコストを最小限に抑える方法を探す必要がある」「だが、インディペンデント選手権のアイデアは、自分たちが別の階級に属することを認めるようなもので、私には反対したチームの考えも理解できる」ハースのチームプリンシパルを務めるギュンター・シュタイナーは「確かにそのような打診は受けた。そして、もっと詳しい話を聞きたいと思っていたが、結局本格的に議論する段階までは行かなかった」とコメント。ある人物がこのアイデアを提案したものの、一部の人々が参加を望まず、すぐに立ち消えになったんだ」と述べた。「私は計画の詳細を知らなかったし、関係機関との話し合いも一切行われなかった。つまり、単なるアイデアの域を出るものではなかったということだ」