ハースF1チームの20歳、オリバー・ベアマンがF1メキシコGPで自己最高の4位フィニッシュを果たした。父のデイビッド・ベアマンは、この結果は「チームと息子の関係性が深まっている証拠」だと語り、ハースの戦略判断を称賛した。ベアマンはレース序盤の混乱をうまく切り抜け、3番手に浮上。その後しばらくトップ3を維持したが、ハースはメルセデスやマクラーレン勢に対応するため、2回目のピットストップを敢行。この判断によりマックス・フェルスタッペンに順位を譲ったが、チームは「確実なポイント獲得」を優先した。
父デイビッド「正しい判断。全員がひとつにまとまっていた」デイビッド・ベアマンは『RacingNews365』に対し次のように語った。「心臓が上がったり下がったり、大変だったよ。メルセデスとマクラーレンに反応してピットに入ったけど、それは必要な判断だった。今はみんなが本当に一体となっている。チームはオリーを理解し、オリーもチームを理解している。いい判断だったし、素晴らしいチームワークの成果だ」ベアマンは4位でフィニッシュし、ハースにとってもチーム史上最高位タイのリザルトを記録。「F1でもカートでも同じ気持ち」息子のレースを見守り続けてきた父は、その喜びが過去と変わらないと語る。「本当に素晴らしい仕事をしたと思う。F1に来るのは簡単じゃない。F2とはまったく違うフォーマットで、プラクティスは1回だけ。1000馬力のマシンに1000個のスイッチ、メディア対応もあって注目の的だ。簡単な世界じゃない。最初は多くのルーキーと同じようにミスもあったけど、夏の間にリセットして休暇を取り、リフレッシュして戻ってきた。今は集中し直している。F1でもF2でも、カートで初優勝した時でも、僕にとって感じる喜びは同じなんだ」ハースの決断が示す“堅実な現実主義”今回のハースの戦略は、結果的にベアマンの表彰台を逃す判断だったが、レース全体を見ると合理的だった。メルセデスとマクラーレンが2ストップ戦略を採った中で、チームは若手ドライバーのタイヤマネジメントと集中力を考慮し、安全圏での4位確保を選択。結果、フェルスタッペン以外には抜かれず、安定したレースペースを維持した。ハースF1チームは近年まれに見る上位入賞で、自信と信頼を大きく高めたと言える。ベアマン親子の絆と、チームの冷静な戦略判断が交錯した今回のメキシコGPは、ハースにとって2025年シーズン最大のハイライトとなった。
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