映画『F1/エフワン』で元F1ドライバーのソニー・ヘイズを演じたブラッド・ピットが、ついに本物のF1マシンのステアリングを握った。ピットは先日、テキサス州オースティンのサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)にて、2023年型マクラーレンMCL60をドライブする機会を得た。このテスト走行はマクラーレンF1のCEOであるザク・ブラウンの計らいによって実現したもので、映画撮影中に使用されたF2ベースのAPXGPマシンとは異なり、本物のF1マシンによる“本気”の走行となった。
この貴重なテスト走行は、マクラーレンF1のCEOであるザク・ブラウンの全面的なサポートによって実現。映画撮影に使われたF2ベースの改造車とは異なり、今回はF1の実戦仕様マシンによるリアルな走行だった。マクラーレンは事前に公式SNSで、「BP(Brad Pitt)」の刺繍が入ったスーツの写真を「オースティンは“ソニー”日和」とのキャプション付きで投稿し、この走行を示唆していた。この体験について、ピットはF1公式ポッドキャスト『Beyond the Grid』で語っている。「今週は197マイル(約317km/h)まで出せたんだ」「どうしても200マイルを超えたかったから、あと3マイル足りなかったのがちょっと悔しいよ。場所はオースティンだった」「これまでの人生で、あれほど『今この瞬間にいる』と感じたことはなかった。ただし、緊張で手がこわばってるような感じではないんだ」「ただただ集中していて、完全に“ゾーン”に入っている。本当に特別な感覚だったよ」「ダウンフォースの感覚を説明しようとしても、毎回失敗するんだ」「ジェットコースターみたいに感じると言いたくなるけど、それも正確じゃない。体の下に支点(フォルクラムポイント)があるように感じる。その中に自分が“いる”という感覚なんだ」「以前、曲技飛行機に乗ったことがあって、それが一番近い体験だったと思う。でもそれでも、このF1マシンの感覚には敵わない」「これは本当にユニークな感覚で、完全に“ハイ”になるような体験だった」「いまだにハイな状態が続いてる。まだ興奮が冷めてないんだ。本当にそうなんだよ」「ザク・ブラウンとチームには心から感謝しているし、ランド・ノリスと一緒に1日を過ごせたのも、本当に最高の時間だった」映画『F1/エフワン』は2025年6月27日に日本公開予定。ピット演じるベテランドライバー、ソニー・ヘイズは、若き才能ジョシュア・ピアース(ダムソン・イドリス)を指導する立場として登場し、架空のチーム「Apex GP」の一員としてF1グリッドに挑む。劇中では、F2シャシーをベースにダラーラとカーリン、メルセデスが協力して制作した改造マシンを使用。黒と金を基調とした「Apex GP」のリバリーをまとい、実在のF1チームと並んでグランプリに挑む迫力のシーンが展開される。今回のCOTAでの走行は、単なる映画プロモーションの枠を超え、ブラッド・ピットがF1の世界に深く足を踏み入れた瞬間となった。