ビニャーレスが2位表彰台、ロッシは8位Monster Energy Yamaha MotoGPのマーベリック・ビニャーレスがドイツGP決勝でメンタルの強さを見せた。2位の座を奪い取ろうとするC・クラッチロー(ホンダ)からレースの半分にわたってプレッシャーを受けながら、決してぶれることなくポジションを守り切った。チームメイトのバレンティーノ・ロッシは4位グループの背後までたどり着くも戦いに加わることができず8位で終えている。
ビニャーレスはグリッド3番手から好スタートを切り2番手で第1コーナーへ。トップのM・マルケス(ホンダ)を逃すまいと序盤から果敢に攻めるが、同時にタイヤ・コントロールも必須の課題。そのため4ラップ目でA・リンス(スズキ)に先行を許したあとはその後ろについて、行動は起こさず2台揃ってペースを上げる方法を選んだ。しかしまもなくすると1分21秒台をキープするのが難しくなり、追い上げてきたクラッチローに注意を向けざるを得なくなる。そして19ラップ目にリンスが転倒するとクラッチローとの2番手争いが激化。そのまま15ラップにわたりプレッシャーを受け続けたが、高い集中力と安定性で抑え込み、ついにはクラッチローが小さなミスをして遅れる間にアドバンテージを広げてチェッカーを受けた。トップとの差は4.587秒だった。一方のロッシはグリッド11番手からスタート。厳しい展開が予想されるなか、1ラップ目でひとつ順位を下げたあと序盤で転倒車が出たことから9番手まで浮上。長くそのポジションをキープしながら7台に膨れ上がった5番手争いについてゆくが、なかなかバトルに加わることができない。そして中盤ではJ・ミル(スズキ)に先行を許してひとつ下げるも、リンスの転倒によりふたたび9番手へ。終盤になるとタイヤの消耗にも苦しめられたが、残り9ラップではフランコ・モルビデリをとらえ、さらに4番手グループに迫って行った。しかし残り4ラップでミスをおかしてコンマ数秒遅れ、もう一度トライするもかなわず、8位でチェッカーを受けた。この結果、ビニャーレスはランキング5位に浮上してトップとの差は100ポイント。ロッシは105ポイント差のランキング6位となっている。ヤマハはコンストラクターズ・ランキング3位をキープ。Monster Energy Yamaha MotoGPもチーム・ランキング3位を守っている。MotoGPはこのあと3週間の夏休み。次回、第10戦は8月2日~4日、チェコはブルノ・サーキットで行われる。モルビデリが9位を獲得、クアルタラロは転倒リタイアの悔しい結果PETRONAS Yamaha Sepan Racing Teamのフランコ・モルビデリは序盤で表彰台争いを目指したあと9位でゴール。その一方でチームメイトのファビオ・クアルタラロは、序盤で表彰台争いを展開中に転倒リタイアとなった。ひと晩、降り続いた雨でコース・コンディションが変化したザクセンリンク。モルビデリは慎重なレース運びでタイヤを温存し、終盤も後続との距離を保って走り切り今季5度目となるトップ10入りを果たした。フロントロー・スタートのクアルタラロは前回に続く好成績獲得を目指していたが、序盤のポジション争いのなかで他の多くのライダーと同様に小さなミスをおかし、2ラップ目の第3コーナーで転倒してリタイアとなった。Monster Energy Yamaha MotoGPマーベリック・ビニャーレス(2位)「ウイークの早い段階から今回は2位が最高だとわかっていました。その点では目標を達成できたことになります。私にとってここでは2位がベスト・リザルトなのです。スタートも良かったし、好調ラップも何度かありました。次につながるいいレースだったと感じています。進むべき方向がはっきり見えていて、今は自分たちの長所も短所もわかっています。マシンと自分自身をさらに高めるために、ここで夏休みに入るのはとても良いことだと思います。今日はタイヤ・チョイスが難しかったのですが、最も慣れていたハード・コンパウンドに賭けました。それは完走できるかできないかのぎりぎりのところでしたが、"もしも最後の10ラップでペースを落とさなければならないような状態になったら、そうする。でもそれはトップに立っているとき"と自分自身に話しかけていました。ヤマハにとって2戦連続の好成績は非常に重要なものだと思います。私のピットボードにはずっと'Cal'の文字が出続けていましたが、約15ラップにわたってそのドアを閉め続けました。彼に抜かれないように必死でした。抜かれたら逃げられてしまうとわかっていたからです。幸運にも2位を獲得でき本当にハッピーです。次のブルノでまた新しいことを試し、進化を確認するのを楽しみにしています」バレンティーノ・ロッシ(8位)「非常に難しいレースになってしまいした。ミシュランによればハード・コンパウンドでは不可能ということだったのでミディアムを使用したのですが、実際に走り出してみるとスライドが激しくグリップが十分ではありませんでした。これがひとつめの問題。それ以上に大きな問題は、アッセンでの好調をここで再確認したかったのですが、まったくペースが上がらずマシンのフィーリングも良くなかったことです。昨年のこの時期は非常に好調で、ル・マンからザクセンリンクまでいいレースが続いていたことを考えると、今は本当に苦しく厳しい状況です。マシンに好感触を得られず思い通りにペースを上げられない状態なので、原因を把握して問題を取り除かなければなりません」マッシモ・メレガリ(チーム・ディレクター)「リアタイヤの耐久性が鍵になるということは、昨日の時点ですでに予想できていました。そして実際にその通りになったのです。マーベリックはウイーク初日からずっと好調を維持していたのでタイヤもうまく機能しているとわかっていましたが、決勝の全工程でどこまで消耗を抑えられるかについては依然としてチャレンジでした。とくに今日のように追撃のプレッシャーを受け続ければ、さらに苦しいものになりますが、マーベリックは安定性と精確性を維持して素晴らしい仕事をしてくれました。バレンティーノはミディアム・コンパウンドを使用しましたが、それが私たちが思っていたのとは違う動きをしていました。とくに後半戦でもっと安定すると考えていましたが、予想以上にパフォーマンスが下がってしまい、終盤でのアタックが不可能になったことはとても残念です。このあとは3週間の休暇をとり、充電してから次のブルノに臨みます。そこではまた新しいものも試せると思います」PETRONAS Yamaha Sepan Racing Teamフランコ・モルビデリ(9位)「私にとっては不思議なレースでした。4番手争いから...
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