MotoGP アラゴンGPの予選でMovistar Yamaha MotoGPのマーベリック・ビニャーレスはQ1の最初のアタックでベストラップを記録し、Q2へ進出して11番手を獲得。チームメイトのバレンティーノ・ロッシはQ2に進出することができず、18番手に留まった。Q1の序盤でベストラップを記録したビニャーレスはQ2でもタイムを更新して11位を獲得。一方のロッシはQ1で力を出し切れず、グリッド6列目に留まっている。
ビニャーレスはクリアスペースを確保するため最後尾からスタート。最初のアタックで初めて18秒台の壁を破り、1分47秒823を記録してトップに立った。次のトライではタイムを更新できず、残り6分強でピットイン。タイヤを交換してコースに戻ったときには依然として0.186秒のアドバンテージを維持しており、その後もタイム更新はならなかったものの、2番手に0.123秒差をつけてトップでセッションを終了した。Q2も同様の戦略で臨み、後方からスタートするや、すぐさまアタックを開始。1分47秒810へ更新して一旦3番手に浮上したが、全員が2ラップ目を終えるころには10番手へと後退した。残り8分でピットに戻り、コース復帰後は2回のトライを行ったが、ラップタイムを更新することができずにトップから0.929秒差の11番手となった。ロッシもQ2進出を目指してQ1に臨んだが、一時2位に上がったあとまもなく4位に後退。2回目のアタックをあきらめて5番手に下げてからピットに戻ってきた。残り4分で復帰してクリアスペースを探すも、フィーリングをつかみきれないまま、ビニャーレスに0.804秒遅れる1分48秒627でQ1を終了。これで8番手となり、決勝グリッド18番手が決定した。予選セッション終了後にビニャーレスは、Q1のアタック中にB・スミスを妨害したとして3ポジション・ダウンのペナルティを科されて14番手へ。一方ロッシは、F・モルビデリのペナルティによってひとつ上げて17番手となっている。Monster Yamaha Tech3のヨハン・ザルコは予選セッションで懸命の走り。自分自身とYZR-M1から最大限の力を引き出して前日より一歩前進し、Q2進出まで0.106秒差と迫った。日曜日の決勝はグリッド5列目からスタートする。ザルコのチームメイトのハフィス・シャーリンも少しずつ調子を上げてきており、前日のフリープラクティス第1セッションから1.719秒も短縮。Q1ではロッシのひとつ後ろの9番手を獲得し、グリッド7列目からのスタートが決定した。Movistar Yamaha MotoGPマーベリック・ビニャーレス (予選14番手/1分47秒810)「予選セッションでは十分にポテンシャルを出し切ることができませんでした。Q2で は電子制御システムに不具合があったので、それがなければもう少しいい走りができたのではないかと思っています。明日までにまだ時間があるので、このあと も作業を継続していきます。モチベーションを高く維持して、明日の決勝で今まで以上の走りができるよう頑張ります。ルールはルールですからペナルティには 納得しています。私はおそらく、ブラッドリーのアタック中にそのラインに入ってしまったのだと思います」バレンティーノ・ロッシ (予選17番手/1分48秒627)「今日は朝から難しい状況でした。問題が出たときに、それを何とか改善しようとしているのに逆に悪くしてしまうことがあるのです。フリープラクティス第3セッションでは転倒もしてしまったのですが、そのあとの午後のセッションがそれ以上にひどくて、ペースがまったく上がりませんでした。Q1ではちょっと混乱があって時間を無駄にしてしまい、ラップタイムもペースも上がらないまま終わってしまいました。ピットのなかでの作業ではほとんど効果がなく、問題はそこに残ったままという状態が続いています。明日は何か別のものを試し、様子を見守りたいと思っています」マッシモ・メレガリ (チーム・ディレクター)「今 日もまた厳しい一日になってしまいました。フリープラクティス第4セッションでマーベリックがややペースを上げた以外は、昨日と同様の問題に悩まされてい ました。他のエリアに影響を及ぼすことなくリア・グリップを向上させるという、私たちのこれまでの方向性をキープしながら、ふたりに良いマシンを提供でき るよう努力を続けています。明日のウォームアップ・セッションでそれをテストする予定です。物事がうまく運ばない時に問題はさらに大きくなっていくもの。 マーベリックはQ2でセンサーが故障し、終盤で十分に攻め切れませんでした。その上に3ポジションもペナルティを受け、1列下げられてしまったのです。バレンティーノは午前中のプラクティス・セッションで転倒。ここから混乱が始まり、Q1ではアタックを行う前に時間切れになり、このような結果になってしまいました」Monster Yamaha Tech3ヨハン・ザルコ (予選12番手/1分48秒052)「ハッ ピーかアンハッピーかを答えるのは簡単ではありません。ポジションは期待していたものとは明らかに違っていますが、これ以上のことは不可能だったと思って います。何とか改善しようと毎ラップで最大限の努力をしてきましたが、あまり成果を得られず、これ以上は無理だと感じてしまうのです。前回のミサノ以来、 厳しい状況が続いていて、今回もあとコンマ1秒というところでQ2進出のチャンスを逃してしまいました。明日の決勝は後方からのスタートとなりますが、できることなら序盤からハイペースでポジションを上げていき、終盤でライバルたちのグリップの変化を見たいと思います。トップ10を目指します」ハフィス・シャーリン (予選18番手/1分48秒975)「チームとともに頑張ってきた作業の状況にはとても満足しています。昨日まではコーナー進入でブレーキを使いすぎてマシンの向き換えに非常に苦労していましたが、今朝のプラクティス・セッションでは一歩前進し、そのあとの第4セッションはとても好調に走れるようになったのです。Q1の最初の走行はセッティングを変更してフィーリングは上々。ところが2回目の走行では成果を求めるあまり考え過ぎてしまい、残り5分を切ったところでミスをしてしまいました。ここからさらに上げていこうとしていたところだったので、チームのみんなにとても申し訳なく思っています。明日のウォームアップ・セッションでは決勝用のセッティングでペースアップを図り、午後からのレースに臨みます」