多くのライダーがセッション終盤での逆転を狙った予選、Movistar Yamaha MotoGPのバレンティーノ・ロッシとマーベリック・ビニャーレスは、最終ラップのアタックで3番手と6番手を獲得した。ロッシはいくつかのミッションを背負ってQ2に出場。フリープラクティス第4セッションで転倒したこともあり、Q2の最初の3ラップでは、マシンのフィーリングを取り戻すために慎重な走りを強いられていた。
ピットイン後、残り4分半でコースに戻った時点で10番手。ここから挽回を図りたいロッシは、クリアラップを見つけると最後のトライで1分32秒850へ短縮してトップに0.059秒差と迫り、一気に3番手に浮上してフロントローを獲得した。一方、チームメイトのビニャーレスはクリアラップを確保するために後方からスタートし、最初のアタックで4番手とした。次のトライではラップタイムを短縮できなかったが、1分33秒557の5番手で6分を残してピットイン。1分半後に素早くコースに戻り、再びアタックに臨んだ。このときすでに戦いは激しくなっており、多くのライダーがタイムを次々に更新していた。ビニャーレスも1分32秒984へ短縮してトップに0.193秒差まで迫ったが順位では6番手、2列目から決勝を迎えることとなった。今シーズン初めてQ1に出場することとなったMonster Yamaha Tech3のヨハン・ザルコは、懸命のアタックでトップポジションを獲得。Q2ではトップに0.281秒差と迫る1分33秒072を記録して8番手となった。明日の決勝はグリッド3列目からスタートする。チームメイトのハフィス・シャーリンはQ1で一時トップに立ったが、そのあとはクリアラップがとれず、タイムを短縮することができなかった。この結果、わずか0.066秒差でQ2進出を逃し15番グリッドとなった。Movistar Yamaha MotoGPバレンティーノ・ロッシ (予選3番手/1分32秒850)「FP4で転倒し、フィーリングをやや失ってしまいました。そのなかでこうしてフロントローを獲得することができたので、とてもよかったです。簡単な状況ではありませんでしたが、最初の3ラップで走行ラインをおさらいしてリズムを取り戻してからアタックに臨みました。皆にチャンスがあるなかで、私もよいポジションを確保。終盤は何度も激しいアタックが繰り返され、非常にエキサイティングな戦いになりました。上位はいつも非常に接近していますが、今回はいつも以上に熾烈で、多くのライダー、多くのメーカーが勝利を狙える位置にいるのです。だからこそフロントローからのスタートが重要になります。あとは今日と同じような天候が続くことを願うだけ。細かい調整とタイヤチョイスでよい方向へ進めるよう期待しています」マーベリック・ビニャーレス (予選6番手/1分32秒984)「昨日以上に激しい戦いになりましたが、そのなかでもベストを尽くしました。燃料が重い状態での走りに重点を置いていたため、プッシュするときに苦戦もありましたが、この経験を生かして明日はきっとうまくいくでしょう。タイヤについてはミシュランやチームと話し合いが必要です。6番手は悪くない位置だと思っているので、明日はそこから好スタートを目指します。そして序盤から仕掛け、そのあとはプラクティスの走りを再現できるようがんばります。決勝のために多くの準備をしてきたので、それが実を結ぶことを期待しています。多くのライダーが異なるタイヤで好調をキープしている状況ですから、明日の決勝は非常に見応えあるものになるでしょう。今晩も作業を続け、セッティングについて正しい選択をすることで、わたしたちもその戦いの場に加わることができると思います」マッシモ・メレガリ (チームディレクター)「今日のふたつのプラクティスは、昨日より難しいものとなりました。バレンティーノは第4セッションで転倒。マーベリックはマシンに昨日と同様のフィーリングを感じることができませんでした。そのため非常に厳しい状況のまま予選を迎えました。バレンティーノはフィーリングを取り戻すために、Q2の最初の数ラップを使わなければなりませんでした。転倒のあと数ラップだけで勘を取り戻すのは簡単なことではないのですが、彼は終盤でアタックを開始しフロントローを獲得したのです。ここに彼のファイティング・スピリットを見ることができました。マーベリックはこれまでのプラクティスを通じて、決勝用のセッティングでハイペースを維持してきました。予選ではフロントローを逃しましたが、ラップタイムの接近ぶりから見ても、6番手は決して悪い位置ではありません。わたしたちは今晩も作業を行い、セッティングをチェックしてさらに改善できるところを探していきます。明日の決勝では多くのライダーがトップを目指してくるでしょう。私たちも戦いの準備は整っています」Monster Yamaha Tech3ヨハン・ザルコ (予選8番手/1分33秒072)「今日は昨日よりはよかったと思いますが、この2日間のなかでアップダウンが激しく、コンスタントに前進していくことが難しい状況でした。よいところもあるけれど、悪いところもあるので、常に様々な変更が求められました。その結果としてトップから離されてしまいました。そしてQ1の最終ラップでようやくQ2進出のチャンスを得ることができたのです。そこからはいい走りができたと思います。ラップタイムをコンマ5秒も更新し、ポールポジションとの差を縮めることができました。みんながとても速いので、非常に難しい戦いになっています。でも今日のパフォーマンスについてはポジティブに受け止めていますし、ポジションはあまりよくありませんがラップタイムには満足しています。明日のウォームアップでもう一度ペースを確認するつもりですが、あまり熱くならずに決勝に備えます」ハフィス・シャーリン (予選15番手/1分33秒666)「Q2まであと少し、わずか0.066秒差まで近づきました。トップに立った時点で、もう一度トライが必要だということはわかっていたのですが、そのあとはクリアラップがとれず、あと少しを短縮できませんでした。それでもハッピーで、チームのみんなの仕事にもとても満足しています。明日はウォームアップでリズムをつかみ、決勝に集中します」
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