MotoGP アメリカズウGPの決勝。グリッド・トップの位置からスタートしたマーベリック・ビニャーレスは、3番手で第1コーナーへ。リズムを整えたあと、後ろにバレンティーノ・ロッシを従えてともにペースを上げて行く。そして6ラップ目の第1コーナー進入でアンドレア・イアンノーネ(スズキ)をパス。前方が開けると2分05秒台に上げて、いよいよトップを目指していったが、その差はなかなか詰まらなかった。マーベリック・ビニャーレスは2番手をキープしてそのままチェッカー。トップとの差は3.560秒。
一方のバレンティーノ・ロッシはグリッド5番手から好スタートを切って第1コーナーを目指したが、タイトな左コーナーに大勢が集中したため後退を余儀なくされた。そのあとすぐさま挽回を図り、オープニングラップの第12コーナーでヨハン・ザルコをパスして5番手。次のラップでC・クラッチロー(ホンダ)をとらえてチームメイトの後ろにつけた。マーベリック・ビニャーレスがイアンノーネをパスしたときに同時に前へ出ようと試みたものの、抜き切ることができずに4番手に留まり、さらにそのあとタイヤのグリップ不足により離されることとなってしまう。これで単独走行となったバレンティーノ・ロッシは2分5秒台後半から6秒台でラップを重ね、最終的にはトップから9.587秒差の4位でチェッカーを受けた。この結果、マーベリック・ビニャーレスはシリーズポイントを合計41に伸ばしてランキング3位へ浮上。バレンティーノ・ロッシもひとつ上げ、合計29ポイントでランキング7位となった。ヤマハは合計56ポイントでコンストラクターズ・ランキング2位。Movistar Yamaha MotoGPは合計70ポイントでチーム・ランキングのトップに浮上している。チームは2週間後、スペインはヘレス・サーキットで開催される第4戦に出場する。Monster Yamaha Tech3のヨハン・ザルコは序盤から表彰台争いを展開。フリープラクティスでは苦戦することもあったヨハン・ザルコだが、決勝ではサテライト勢トップの6位でチェッカーを受け、貴重なポイントを持ち帰った。ハフィス・シャーリンは午前中に行われたウォームアップ・セッションで転倒があったが、それを克服して決勝に臨み、オープニングラップで一気に4ポジション・アップ。そこからさらに上げていこうというところ、8ラップ目の第1コーナーでミスをしてリタイアとなった。シリーズポイントではハフィス・シャーリンが依然としてトップ・ルーキーの座を維持。その活躍もありMonster Yamaha Tech3は合計47ポイントでサテライト勢トップに立っている。次回は2週間後、スペインでヨーロッパ・ラウンドが始まる。マーベリック・ビニャーレス (2位)「フロントローからのスタートは、やはり有利ですね。今回はグリッド上で落ち着いて呼吸を整えることができましたし、上位3〜4台の動きを把握しながら走ることができました。チームがウイークを通じていろいろな方法を試してくれたことも良かったと思います。それが功を奏してペースの上げ方がわかるようになり、今日はそれを結果につなげることもできました。今の私たちのマシンは、去年よりも強くなっていると思います。マルクには及びませんでしたが、これまでの難しい状況を考えれば2位は良い結果です。去年のようなミスはしたくなかったので、今回はマルクを追いかけるのを止めてアンドレアとの差をキープすることに集中しました。今はとてもポジティブな気持ちですが、それで満足せずプッシュし続けなければなりません。マシンの上では常に良いフィーリングを保ち、常に前へ前へと進んで行きたいと思います。今回、マシンのフィーリングが大きく変わりました。この好調をこのあともずっとキープできるよう頑張ります。とくにこのあとは大好きなコースが続きます。次のヘレスを楽しみにしており、優勝を目指していきます」バレンティーノ・ロッシ (4位)「今回は予選で5番手まで上がれたので順調と言っていいと思いますが、決勝はもっと上を期待していましたし、もちろん表彰台を目指していました。マルケスとマーベリックの強さはわかっていたので、イアンノーネとの表彰台争いを予想していたのですが、終わってみれば私よりも彼のほうが速かったということ。彼に追いつくことができず、アタックもできませんでした。それには暑さの影響もあったと思います。課題はまだ多く、もっともっとがんばっていかなければなりません。次のウイークのスタートまであと10日。ヨーロッパ・ラウンドが始まれば状況も変わると信じています」マッシモ・メレガリ (チームディレクター)「2位と4位は良い結果です。オースティンではいつも苦戦させられていますが、今回は、昨日の予選でいい走りをして自信をつかむことができました。マーベリックとバレンティーノが一緒に順位を上げていき、なかでもマーベリックはペースが速く、コンスタントに2分05秒台をキープして貴重なポイントを獲得。結果、ランキングトップとの差を詰め、かなり近づくことができました。バレンティーノもまた序盤から果敢に攻めて上位を狙っていきました。暑さによってフロントを消耗したため無理はできませんでしたが、4位も十分に評価できる結果です。今回私たちは、階段を一段、上ることができたと思っています。次のヨーロッパ・ラウンドで、ここで行った作業の成果を改めて確認したいと思います」ヨハン・ザルコ (6位)「ウイークを通じて難しい状況が続きました。スタート前には表彰台獲得を心に決めていましたが、終わってみれば、ライバルたちのほうが私よりも良い仕事をしたということです。コース上のどこで遅れてしまうのかは、自分でもわかっていました。それでも何とか克服して差を詰めていこうとがんばっていたのですが、どうしても詰め切れませんでした。残り数ラップでドビツィオーゾに抜かれたときも、私としては彼とバトルするつもりでいたのですが、力が足りずついて行けませんでした。その結果、6位ということになってしまったわけですが、今回のように厳しい状況のなかではポイントを獲れただけでも良かったと思っています」ハフィス・シャーリン (DNF)「レースのスタート時点はとても良い状態だったのですが、おそらくそのあと、とくにブレーキングでプッシュし過ぎてしまいました。いい走りができていたしペースも良かっただけに、自分自身にがっかりしています。午前中のセッションで転倒してしまったこともあってセッティング変更を試すことができず、フリープラクティスと同様のもので行かなければなりませんでした。決勝を走り出してみると、マシンの挙動がソフト過ぎる感じがあったのです。そんななかでも...
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