モーターランド・アラゴンでのフリープラクティス初日、マーベリック・ビニャーレスとバレンティーノ・ロッシがMovistar Yamaha MotoGPフリープラクティスに臨んだ。悪天候に見舞われたため順調な船出というわけにはいかず、タイムアタックは行わずにマシン・セッティングだけに集中した。
ランキングトップとの差を縮めたいマーベリック・ビニャーレスは初日からペースアップを狙っていたが、第1セッション開始とともに突然、雨が降り出したため計画を断念。ウエット用セッティングに変更し、リスクをおかすことなく慎重に走り切って2分04秒098のベストタイムで20番手。トップから2.855秒差だった。午後も雨が続いたため新しいウエット・セッティングに変更してタイム短縮を目指したが、なかなかペースが上がらない。微調整を行いながら走り続け、最後の走行で2分01秒632へ更新して17番手に浮上。この結果、トップから1.774秒差の総合17番手で初日を終えた。一方、脚の負傷から21日ぶりにMotoGPサーキットに復帰したバレンティーノ・ロッシは、YZR-M1のフィーリングを取り戻すことを目標に、リープラクティス第1セッションに臨んだ。そして何度か走行を繰り返してからセッティング作業を行い、2分04秒066まで上げて18番手。トップとの差は2.823秒だった。第2セッションもマシン・セッティングに集中しながら徐々にペースアップ。最終的には2秒以上も更新してトップとの差も2.059秒へと短縮。総合順位20番手で初日を終了した。Monster Yamaha Tech3のヨハン・ザルコはアラゴンGPのフリープラクティスを好調スタート。ウエット・コンディションのなか第1セッションで3番手を獲得し、午後からの第2セッションでも勢いをそのままに、またも3番手でチェッカーを受けた。ヨハン・ザルコのチームメイトのジョナス・フォルガーは難しいコンディションに手間取り第1セッションで13番手。第2セッションはセッティング作業を続けながら、総合18番手で初日を終えた。Movistar Yamaha MotoGPマーベリック・ビニャーレス (フリー走行総合17番手/2分01秒632)「非常に難しかったですね。ウエット用の新しいセッティングを試していたのですが、良い方向性が見つかりませんでした。とにかくスピンがひどくて乗りづらいので、ラップタイムを上げることができません。ウエット用セッティングの向上を目指していつもがんばっていますが、なかなか難しいです。ミサノのように順調にはいかず、前進を目指しながら逆に後退してしまう場合もあります。でも幸い、明日以降は晴れそうです。ドライ・コンディションなら自分のマシンは必ず良い走りを見せてくれるので心配はしていません。どちらにしてもベストを尽くすだけです」バレンティーノ・ロッシ (フリー走行総合20番手/2分01秒917)「とても気持ちよく乗れたのでハッピーです! 第1セッションからとても順調で、2セッションを終えたあとも脚はとても良い状態。今もひどい痛みはありません。雨だったことが幸いして体力的にも楽だったのですが、明日以降はやはり好天を期待しています。ドライ・コンディションのなかで自分の状態をしっかり把握したいし、セッティングやタイヤについての作業も進めたいですからね」マッシモ・メレガリ (チーム・ディレクター)「難しいスタートになりました。何よりグリップ不足が問題です。ミサノ以降、このようなことは想像していなかったのですが、マーベリックもバレンティーノもマシンに好感触を得られず、スピンに悩まされました。それがパワーロスにつながり、ラップタイムも走り自体も思うようにはいきませんでした。バレンティーノに関しては、初走行をチームのみんなで見守っていたわけですが、ウエット・コンディションがスムースな復帰を助けてくれたと言えそうです。今日の目標はマシンの感触を取り戻すことだったので、それはクリアできたと思います。でも明日はドライ・コンディションを期待しています。そこで初めて彼の本当の状態がわかるでしょう」Monster Yamaha Tech3ヨハン・ザルコ (フリー走行総合3番手/2分00秒320)「アラゴンの初日に満足しています。MotoGPマシンで初めてこのコースを走るにあたって、ウエット・コンディションが助けになったと思います。というのも、このような状況なら通常よりもゆっくり時間をかけることができるし、激しく負荷をかけていく必要もありません。ドライでは最初のラップからプッシュしていくことになると思いますが、それではスムースに上げていくことが難しく、日曜日までにすっかり疲れてしまったりするのです。だから初日の今日がウエットだったことは、私にとってはとても良かったし、おかげでポジティブな気持ちで明日以降も臨めると思います。ミサノでは、アスファルトの状況が良くなかったためウエットを思い切り走ることができなかったのですが、ここのコースはその心配もありません。しっかりコントロールし、ラップタイムも順調に上がっていきました。第2セッションでは順位を下げることもありましたが、冷静さをキープして終盤のチャンスを待ちました。今は、もう明日に照準を向けています」ジョナス・フォルガー (総合18番手/2分01秒745)「天候に翻弄され、難しいプラクティスになってしまいました。第2セッションでは、始めはウエットでしたが少しずつ乾いていきました。ウエット・セッティングのまま走り続けることができなくなったので、途中で調整し直して再び臨むことになりましたが、このような変化に対応するのは簡単なことではないし、ライダーとしては今日の時点でリスクをおかすことは避けたいと思っていました。だからタイムアタックよりもウエット用セッティングの向上を目標に取り組んだ結果、順位では大きく出遅れてしまいました。明日以降は晴れるようなので、フリープラクティス第3セッションでタイムアタックを行い、上位に近づいていけるようがんばります」
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