MotoGP マレーシアGPがセパン・インターナショナル・サーキットでスタート。雨が降ったり止んだりの難しいコンディションの中、フリープラクティス1・2が行われた。Movistar Yamaha MotoGPのバレンティーノ・ロッシとホルヘ・ロレンソは、両セッションのほとんどをベースセッティングのチェックに費やすとともに、新しい舗装路面の感触を確かめながら走行。それぞれ総合5番手と10番手とした。
午前中は好天に恵まれ、第1セッションはサーキットに残っていた水たまりが少しずつ乾いてゆくなか、ロッシはセッション序盤から上位をキープしラップタイムを2分01秒611まで更新して5番手を獲得。トップとの差は0.401秒だった。第1セッションの後、激しい雨に見舞われたため、第2セッションはまたも、ウエットから徐々にドライへ変化してゆく状況となった。ロッシは第1セッション同様、開始早々にペースを上げて3ラップ目には2番手としたが、その後は決勝を視野に、あらゆる状況に備えるためにウエット用のセッティング作業に集中。セッション終盤にドライ・ラインが出現したが、スリックタイヤに履き替えなかったため、ラップタイムを更新はならなかった。第2セッションのベストタイムは2分13秒416で13番手に留まったが、他のライダーたちもペースを上げることができず、総合5位で初日を終えた。一方のロレンソは、第1セッションではセッティングを進めながらも、序盤でリズムをつかみ順調にペースアップして2番手へ。その後、2分02秒013のタイムで終盤まで5番手につけていたが、ライバルたちがペースを上げたため、トップからは0.803秒差の10番手へ後退した。なんとか順位を上げたいロレンソは、第2セッションがスタートするや早々にピットアウト。すぐに3番手へ浮上し、多くの時間帯でそのポジションをキープした。セッション終盤に入ると、ライバルたちがタイムアップし先行を許したが、10ラップ後、一旦ピットに戻ったものの、ロッシと同様、スリックタイヤを試すことなく終了して16番手。総合では10番手で初日を終えた。スミスが14番手、エスパルガロが17番手で初日を終了前回のオーストラリアGPでは、右ひざの怪我が完治していない状態で8位と健闘したブラッドリー・スミス。マレーシアGPの初日も好調な走りを披露した。新しい路面で初走行となった第1セッションでは3番手に1秒弱と迫り健闘。自信を持って臨んだ第2セッションはウエットになってしまったが、セッティングを続けながらペースを上げてゆき、終盤でタイムを更新して4番手に浮上した。総合順位では、第1セッションのタイムにより14番手。明日は決勝グリッドの好位置獲得を目指す。チームメイトのポル・エスパルガロは、難しいコンディションに翻弄されて総合17番手。第1セッションでは主にセッティングに集中しながら16ラップを走行し、その最終ラップでベストを記録した。第2セッションはウエットでのデータを生かして果敢に攻め、9ラップ目で自己ベストを更新。しかしそのあとピットに戻り、早々に走行を終了した。明日のフリープラクティス第3セッションにドライを期待し、ペースとスピードを上げトップ10入りを目指す。Movistar Yamaha MotoGPバレンティーノ・ロッシ(フリー走行総合5番手/2分01秒611)「午前中はほぼドライと言ってもいいような状態だったんだけれど、いくつか水たまりが残っていたので、よけいに難しくなってしまった。とても危険なので、集中力をキープして慎重に走らなければならなかった。明日以降はもっとはっきりしたコンディション、つまり完全なドライか完全なウエットになってくれることを願うばかり。路面の第一印象は悪くなかったけれど、今日たくさん雨が降ってしまったので、しっかり乾くまでには時間がかかりそうだ」ホルヘ・ロレンソ(フリー走行総合10番手/2分02秒013)「ドライとウエットが入り混じった難しいコンディション。第1セッションで新しい舗装路面を初めて走り、グリップ感はなかなか良かったと思う。最後の走行のときに最もハードなタイヤを履いていたため、ラップタイムを上げることができなかったことは残念だった。第2セッションはウエットで始まり、あまり良いところがないまま終わってしまった。少しずつ乾いてきたけれど、終盤はもう走行を取りやめた。このようなコンディションのなかで結果を出すのは簡単ではないね」マッシモ・メレガリ (チーム・ディレクター)「初日は順調だった。新しい路面とサーキットに施された修正箇所を初めてテストし、バレンティーノもホルヘも、そのグリップ感には好印象のようだ。今、最も気になることは、やはり天候ということになるだろう。前回のフィリップアイランドは雨のあと急速に乾いてくれたけれど、新しい路面はそういうわけにはいかないからね。今日は運悪くこのような天気になってしまい、第1セッションも決して完全なドライではなかったためセッティングが思うように進まなかった。しかし、このような変わりやすい状況のなかでも、とにかく走ることが大切なのだ。なぜなら、明日も明後日も同じような天気になるかもしれないのだから。明日がドライでもウエットでも、今日のデータをもとに準備をするだけだ」Monster Yamaha Tech 3ブラッドリー・スミス(フリー走行総合14番手/2分02秒484)「今日は総合的に順調だった。午前中は非常にフィーリングが良くて、フロントタイヤについてはミディアムとハードの両方を試すことができた。ハードは、今シーズンは一度も履いたことがなかったものなんだけれど、とても気持ちよく一定の距離を走りきることができたので良かった。リアについては、決勝を想定してレース距離をフルに走りたかったので一度も履き替えなかったけれど、今日のように天気が変わりやすいときには、あまり良い作戦ではなかったようだ。でも僕はもともと、金曜日から一周の記録を目指すよりも、決勝用のセッティング作業に専念するほうが好き。だから明日、晴れることに期待するよ。午後はとても難しいコンディションになってしまった。正直なところ、これだけひどく濡れた路面を何周も走るのはリスクが高いと思ったので、少し様子を見てから終盤でコースインした。明日以降も同じようなコンディションになる可能性があるので、少しでも走って確認しておくことは重要だからね。明日はどのような状況になっても、フリープラクティス第3セッションでトップ10に入りQ2へ進みたい」ポル・エスパルガロ(フリー走行総合17番手/2分02秒732)「天候と路面コンディションにすっかり翻弄さ...
全文を読む