スズキは、MotoGP 第12戦 イギリスGPの予選で、アンドレア・イアンノーネが7番手、アレックス・リンスが10番手だった。寒い朝を迎えたシルバーストンのFP3は気温が上がらず、チームスズキエクスターライダーのふたりはタイムアップのチャンスを与えられることなく、午後のFP4を迎える。
午後になって降ったり止んだりしていた雨が、FP4セッション中に激しく降り出し、アレックス・リンスを含む何人かのライダーが、大量の水が溜まった状態となった7、8、9コーナーで次々と転倒。セッションは赤旗中断となり、その後の予定が全てディレイとなる。大量の雨による難しいコンディションの中で転倒を喫したリンスだったが、Q1では冷静な走りで着々とタイムを詰め、セッション最後に2番手タイムを記録してQ2にジャンプイン。Q2は完全なウエットコンディションとなり、ふたりのライダーはウエットタイヤでピットアウト。リンスは一度コースアウトを喫するも、ピットインすることなく周回を続け10番手に。最後まで他ライダーと激しいタイムアタックを繰り広げていたイアンノーネは、最終ラップでベストタイムを更新し、7番手にポジションを上げてチェッカーを受けた。アンドレア・イアンノーネ (7番手)「FP4の終盤と予選は本当に難しかったよ。 明日、今日のように雨が降ったらレースができない可能性もあるかもね。雨自体はたいした問題ではないんだけど、コース上の一部の排水がうまくできないのが問題なんだ。予選ではサーキットの8割がドライなのに、濡れている一部は完全にハイドロプレーン現象になっていて、コントロールが完全に不可能だったよ。明日のコンディションがどうなるのか全く分からないけど、今日みたいな状態だけにはなって欲しくないね。」アレックス・リンス (10番手)「FP4でピットアウトした時、メインストレートが完全に水で覆われているのを確認していたけど、もし本当に危険な状態だったら赤旗が出されると思っていたから、大丈夫だと信じて走っていたんだ。でもコーナーで全開のブレーキングをした時にハイドロ現象が起きて、気が付いたら目の前にウォールが迫っていたから、危険を察して自らバイクから飛び降りたよ。その直後、同じコーナーで他の何人かのライダーも自分と同じような状態になっているのを見て、オフィシャルに一生懸命アピールしたんだ。マシンは昨日から今日にかけてセッティングを変えて良い方向にはなっているから、明日はトップグループでレースができるんじゃないかと思っているけど、天候次第になるだろうね。」ダビデ・ブリビオ チームマネージャー「セッション中に激しい雨が降ったり、スケジュールがディレイしたりと、何かと難しい午後でしたね。アンドレアは最終的に7番手までポジションを上げましたし、決勝グリッドとしてはそれほど悪くないと思っています。アレックスも昨日から大きく前進し、雨の中でも着実にタイムを上げてQ2入りを果たして10番手グリッドを獲得しましたし、今朝の状況を考えると、大きな進歩を果たしたと思います。決勝中に安定したペースで走行ができれば、ふたりのスタートポジションはさほど悪くないでしょう。ウエットコンディションのフィーリングはふたりとも良いようなので、もし雨になったら、さらにチャンスがあるかもしれませんね。」