MotoGP アメリカズGPは金曜、土曜と不安定な天候が続いたが、決勝日は快晴となり、アンドレア・イアンノーネ、アレックス・リンスは、共に朝のウォームアップで決勝に向けた最後のセッティングを詰め、午後2時、20周で行われる決勝がスタートした。決勝用のタイヤはアンドレア・イアンノーネ、アレックス・リンス共にフロントにミディアム、リアにハードを選択。フロントローからスタートしたアンドレア・イアンノーネはスタートを決め、1コーナーにトップで飛び込む。
その後マルケス(ホンダ)にオーバーテイクを許すも、3周目には再びトップを奪い返し、マルケスとの激しい争いの末、2番手で走行を続ける。しかし後方からマーベリック・ビニャーレス(ヤマハ)がペースを上げ、アンドレア・イアンノーネをオーバーテイク。ビニャーレスに先行を許してからは、最後までペースを落とすことなく、3位を死守したままチェッカーを受け、スズキ移籍後初の表彰台を獲得した。ポイントランキングでは4ポジションアップし、トップから僅か15ポイント差で、戦いの地をヨーロッパに移す。一方前戦アルゼンチンGPで輝かしい走りを見せたアレックス・リンスは、同じく11番手から好スタートを決め、9番手にポジションアップ。しかしトップグループを追い上げるべくペースアップを図った残り19周で、コースアウトして12番手までポジションダウン。その後も果敢に攻め、ふたたびトップグループとの差を詰めるも、痛恨の転倒を喫し、そのままリタイヤを強いられる悔しい結果となった。開幕戦から3戦続いたオーバーシーズラウンドが終わり、2週間後の次戦からはいよいよヨーロッパラウンドが開始する。アンドレア・イアンノーネ「やっと表彰台に立つことができて本当に嬉しいよ。スズキに来てからなかなか結果が出せず、苦しい思いをしてきたけど、やっと全てが良い方向に回りだしてきた感じなんだ。今シーズンは開幕戦からマシンのフィーリングが良かったのに、予選で一発タイムが出せなくて、グリッドが後ろの方だったために、なかなか前に出ることができなかった。今週はセッティングもうまく決まったし、今までずっと悩んでいたブレーキング時のフロントエンドの問題も解決されて。思い通りの走りができた。僕らはまだまださらに上を狙っていけると思っているし、これからもさらに頑張り続けていくけど、とにかく今はスズキのエンジニア達とチームの皆に心から感謝の気持ちを伝えたいよ。色々と理解できていることも増えているから、これからは常にトップを走れるようにしたいね。」アレックス・リンス「今週末はちょっとターゲットを見失ってしまった感じで、思うように進まなかった。決勝中はとにかく集中してレースを楽しもうと思い、フィーリング自体も悪くなかったんだけど、転倒してしまったために結果が残せなくて残念だったね。レース中はちょっとミスもあったけど、ウィークを通してマシンのフィーリングは徐々に良くなってきたし、大切な情報もたくさん得ることができて、充実した週末だったと思っているよ。アンドレアは今日素晴らしいレースをしてくれて、僕らのマシンのポテンシャルをきっちり証明してくれた。とにかく今日の結果のことは忘れて、気持ちを切り替えて2週間後のへレスに備えるよ。今シーズンはマシンのポテンシャルにかなり手応えを感じているし、まだまだそのポテンシャルを出しきれてないと思っている。去年はここで怪我をしてしまい、へレスのGPを欠場しているから、今年より経験を積んでへレスを走れるのが今から楽しみでならないよ。」河内 健 テクニカルマネージャー「アルゼンチンに引き続き、良いレースができたと思います。アレックスにとっては少し残念な週末でしたが、今週はアレックスのかわりにアンドレアがやってくれました。彼がスズキに来て初めての表彰台ということで、非常に良い仕事をしてくれたと思います。ふたりのライダーが競い合って良い成績を出していくというのは、チームにとって理想だと思うので、これからヨーロッパラウンドが始まりますが、この調子で表彰台のさらに上を目指して、プッシュし続けていきたいと思います。」ダビデ・ブリビオ チームマネージャー「先週に引き続き、今週も表彰台を獲得することができて本当に嬉しいです。特に今日はアンドレアが表彰台に立ってくれましたからね。彼は開幕戦から2戦、良い状態にありながら結果に繋げることができなかったので、今週それを克服でき、再び強いアンドレアを見ることができました。今日のこのレースをきっかけに、これからアンドレアがマシンと彼自身のポテンシャルを全開で発揮してくれることを願っています。アルゼンチン、アメリカで、ふたりのライダーがそれぞれ表彰台を獲得してくれたことは、チームにとっても喜ばしいことです。残念ながらアレックスは転倒リタイヤとなってしまいましたが、次戦からのヨーロッパラウンドで、さらに活躍を続けていけるよう引き続き頑張っていきます。」
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