天気予報通り、朝方から暗い雲に覆われたテルマス・デ・リオ・オンドサーキットだったが、FP4直前に降り出した雨が路面を濡らし、予選はイアンノーネ、リンス共に複雑なトラックコンディションに翻弄されることとなった。ドライコンディションだった午前のFP3では、昨日のトップ10ライダーのタイムを更新したライダーはいなく、イアンノーネは10番手タイムのままストレートでQ2進出。
予選開始と共にウェットタイヤでコースに出たイアンノーネだったが、路面の濡れがさほどではないと判断し、予選中盤過ぎにピットイン。スリックタイヤでピットアウトしたものの、湿った路面にタイヤが機能せず、再度ピットイン。度重なるピットインによるタイムロスのため、タイムアタックのチャンスを逃し、12番手に留まることとなった。カタールGP後、トレーニング中に右足踵を骨折し、メディカルチェックを通過して走行に挑んだMotoGPルーキーのリンスにとっては、初のウェットコンディションのうえ、怪我の影響も重なり、かなりの苦境を強いられるも、最後まで全力でセッションを完走。明日の決勝は最後尾からの追い上げを目指す。アンドレア・イアンノーネ「今日は色々なことが思うようにいかなかった。頑張ろうとプッシュするんだけど、様々な問題のせいで、思い切り攻めることができなかったんだ。特にブレーキング時のフロントの安定性が悪いので、まずはその問題がどこから来ているのかを確認する必要がある。フロントもリアもタイヤが動いている感じがあり、フロントが浮いている状態ではリアのスピンも酷いので、制御系のセットアップの見直しが必要なんじゃないかと思うんだ。でもドライコンディションではこれらの問題は出にくいので、明日の決勝で雨が降らなければ、良いレースができると思っているよ。今日雨が降らなければ試すはずだったアイデアを、明日のウォームアップで試すことができたら、さらにポジティブな要素が増すかもね。」アレックス・リンス「怪我と天候の影響で、今日のQ1は本当に厳しいセッションだったよ。雨が降り出したFP4で乗った感触は悪くなくて、MotoGPで初めて経験するウェットコンディションだったけど、すぐに馴染むことができたんだ。でもQ1では全く同じフィーリングを得ることができず、タイムを上げることもできなかった。主な問題は立ち上がりでのロスだったけど、正直、怪我の影響も大きかったと思う。明日の決勝では、開幕戦同様、とにかくより多くのことを習得することにするよ。レースが一番の経験値になるからね。」ダビデ・ブリビオ (チームマネージャー)「ふたりともスズキ車での雨の走行経験がほとんどないので、今日はとても難しい状況でしたね。特にアレックスにとっては、MotoGPマシンでウェットコンディションを走ることだけでも大変なのに、さらに怪我も負っているために、本当に厳しかったと思います。アンドレアのQ2に関しては、ホームストレートや、いくつかのコーナーのライン上は乾いていたので、スリックタイヤで走るというギャンブルを試みてみましたが、残念ながらこれは失敗でした。あのままウェットタイヤで走行を続けていれば、セットアップの方向性も見つけられたかも知れませんし、もっとタイムアップできた可能性もあったわけですからね。いずれにしても、ウェットコンディションにおける、ライダーの乗り方に合わせたセットアップを少しでも早く見つける必要がありますね。」
全文を読む