マルク・マルケスが、ドゥカティのチームメイトであるフランチェスコ・バニャイア、そして実弟アレックス・マルケスとの激しいポール争いを制し、MotoGPイタリアGPのポールポジションを獲得した。Q2の折り返し時点では、マルクは兄弟であるアレックスからの先導を受けた最初のアタックで、バニャイアに対して0.048秒のリードを築いていた。しかしセッション終盤は単独での走行となった。
その最終アタックでは、セクター1〜3を通過した時点でバニャイアの暫定ポールタイムに対しておよそ0.01秒のビハインドだったが、最終コーナーのブッチーネとバックストレートでタイムを削り、1分44秒169をマーク。これはムジェロでのMotoGP史上最速ラップとなった。ワークスドゥカティのチームメイト2人の差は0.059秒で、さらにアレックス・マルケスがその0.025秒後方に続き、チャンピオンシップを争う3人が他を寄せ付けないトップ3を形成した。イタリアGP 暫定スターティンググリッド1位 マルク・マルケス2位 フランチェスコ・バニャイア3位 アレックス・マルケス4位 ファビオ・クアルタラロ5位 マーベリック・ビニャーレス6位 フランコ・モルビデリ7位 ファビオ・ディ・ジャンアントニオ8位 アレックス・リンス9位 マルコ・ベッツェッキ10位 ペドロ・アコスタ11位 ラウル・フェルナンデス12位 フェルミン・アルデゲール13位 ジャック・ミラー14位 ヨハン・ザルコ15位 ブラッド・ビンダー16位 エネア・バスティアニーニ17位 ミゲール・オリベイラ18位 ジョアン・ミル19位 中上貴晶20位 ロレンツォ・サヴァドーリ21位 小椋藍22位 ソムキアット・チャントラ金曜にクラッシュし肩を負傷したファビオ・クアルタラロは、MRIの結果走行可能とされ、ヤマハでポール争いに食い込む走りを見せたが、最終セクターではドゥカティ勢に太刀打ちできず、4番手に甘んじた。金曜と土曜朝のプラクティスで最速だったマーベリック・ビニャーレスは、Q2終盤に順位を上げて5番手に入り、KTMで上位に食い込んだ。続いてVR46ドゥカティのフランコ・モルビデリとファビオ・ディ・ジャンアントニオが6・7番手。ペドロ・アコスタ(KTM)、アレックス・リンス(ヤマハ)、マルコ・ベッツェッキ(アプリリア)がトップ10を構成し、Q1を通過したラウル・フェルナンデス(トラックハウス・アプリリア)とフェルミン・アルデゲール(グレジーニ・ドゥカティ)が11・12番手に並んだ。なおアルデゲールは、Q1で記録したタイムをQ2で再現できれば10番手スタートとなっていたが、Q2ではラップをまとめきれなかった。それでも、Q2終盤にリンスがマルク・マルケスの走行を妨害した疑いで審議対象となっており、繰り上がりの可能性もある。プラマック・ヤマハのジャック・ミラーは、Q1の終盤にフェルナンデスに0.014秒差で逆転されQ2進出を逃し、13番手からのスタートとなる。14番手にはホンダ勢最上位のLCRのヨハン・ザルコが続いた。ホンダRC213V勢はムジェロでの苦戦が続いており、全体的に競争力を欠いていたが、ザルコはQ1で好タイミングのスリップストリーム(アルデゲールの背後)を利用してポジションを上げた。ブラッド・ビンダー(KTM)は5列目最後尾の15番手。金曜には速さを見せたが、クラッシュでQ2進出のチャンスを逸し、土曜も勢いに欠けた。トラックハウス・アプリリアのルーキー、小椋藍はMotoGP昇格後最悪の予選結果となる21番手。脛骨の骨折の影響が依然として明らかで、テストライダーのロレンツォ・サヴァドーリにも敗れた(サヴァドーリもQ1でアルデゲールのスリップを利用)。ただし、小椋はMoto2時代のチームメイトであるソムキアット・チャントラに対しては約1秒の差をつけた。チャントラは金曜のクラッシュでバリアに激突し、めまいを訴えるなど苦しい週末を過ごしており、予選最下位に沈んだ。
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