ドゥカティのマルク・マルケスが、2025年MotoGPフランスGP(ル・マン)スプリントで圧巻の勝利を収め、選手権のポイントリーダーに返り咲いた。この勝利は、マルクにとって開幕から6戦連続のスプリント優勝となり、弟アレックスとの1-2フィニッシュも6戦連続という偉業を達成。グレシーニの兄弟コンビが、今季のスプリント戦線を完全に支配していることを印象づけた。
ポールポジションからスタートしたファビオ・クアルタラロを、マルケス兄弟がともに攻略。兄マルクが優勝、弟アレックスが2位でフィニッシュし、選手権争いをリードする形となった。フェルミン・アルデグエル(グレシーニ・ドゥカティ)が3位に入り、MotoGPでの初表彰台を獲得。クアルタラロは母国表彰台のチャンスを逃した。レース展開マルク・マルケスはスタート直後にクアルタラロの前に出たものの、ダンロップカーブでアウトから立ち上がる形となり、クアルタラロの反撃を許した。序盤はヤマハのクアルタラロが速さを見せ、0.5秒以上のリードを築いたが、それは一時的なものだった。マルクはすぐにクアルタラロとの差を詰め、数周にわたって攻略のタイミングを探った。その間にアレックス・マルケスも先頭争いに加わった。6周目、マルクがダンロップシケインで仕掛けるも、クアルタラロが巧みにブロック。しかしその後のガラージュ・ヴェールでの再アタックには対応できず、ついに先頭を明け渡した。続いてアレックスは、ガラージュ・ブルーでクアルタラロの背後でスローダウンを強いられたことで遅れたが、1周後のストレートエンドでオーバーテイクに成功。マルケス兄弟による1-2体制が確定した。この結果、選手権ではマルクがアレックスに2ポイント差をつけて首位に立った。アルデグエルが初表彰台 クアルタラロは4位アルデグエルは終盤に素晴らしいペースを見せ、クアルタラロに迫ると、ダンロップシケインでオーバーテイクを試みたが、ラ・シャペルで押し出されて4位に後退。しかしその直後のミュゼコーナーでさらに強引なパスを決め、初表彰台を掴んだ。なお、アルデグエルはスロー走行中にマルク・マルケスとの低速接触で転倒。珍しい形での“クラッシュ付き表彰台”となった。この3位は本来であればフランチェスコ・バニャイアが手にする可能性もあった。バニャイアはスタート直後、ラ・シャペルでアルデグエルをかわしていたが、2周目のダンロップシケイン進入で転倒リタイアとなった。また、マルコ・ベッツェッキもガラージュ・ヴェールでアルデグエルを追っている最中にグラベルへ飛び出し、上位争いから脱落した。KTM勢の明暗とドラマこのアクシデントにより、5位争いはKTM勢の戦いに。マーベリック・ビニャーレスは、オープニングラップでダンロップシケインへの進入時に詰まり、ペドロ・アコスタの後ろに留まる形に。ブラッド・ビンダーも彼らに迫ったが、4周目のシュマン・オ・ブフでハイサイド寸前の挙動で転倒リタイア。ビニャーレスは9周目にアコスタに無謀ともいえる仕掛けを試みるも失敗。最終ラップのシュマン・オ・ブフでワイドになり、ポジションを譲ったかに見えたが、アコスタが最終コーナーで転倒し、結果的にビニャーレスが5位に。アコスタの転倒により、LCRホンダのヨハン・ザルコが6位へ浮上。ザルコは17番手スタートから追い上げたVR46ドゥカティのファビオ・ディ・ジャンアントニオを抑えきった。その後方には、元スズキのチームメイトだったアレックス・リンス(ヤマハ)とジョアン・ミル(ホンダ)がポイント圏内で続いた。VR46のフランコ・モルビデリはスタートで大きく遅れ、その後も後方に沈んだ。LCRホンダの中上貴晶は16位でフィニッシュし、復帰戦を無事に走り切った。一方、負傷から復帰したミゲル・オリベイラ(プラマック・ヤマハ)は20位に終わり、途中ベッツェッキと同様にグラベルに飛び出す場面も見られた。スプリント結果1位:マルク・マルケス(ドゥカティ)2位:アレックス・マルケス(グレシーニ・ドゥカティ)3位:フェルミン・アルデグエル(グレシーニ・ドゥカティ)4位:ファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)5位:マーベリック・ビニャーレス(Tech3 KTM)6位:ヨハン・ザルコ(LCRホンダ)7位:ファビオ・ディ・ジャンアントニオ(VR46ドゥカティ)8位:アレックス・リンス(ヤマハ)9位:ジョアン・ミル(ホンダ)10位:ラウル・フェルナンデス(トラックハウス・アプリリア)11位:ジャック・ミラー(プラマック・ヤマハ)12位:ルカ・マリーニ(ホンダ)13位:エネア・バスティアニーニ(Tech3 KTM)14位:小椋藍(トラックハウス・アプリリア)15位:フランコ・モルビデリ(VR46ドゥカティ)16位:中上貴晶(ホンダ)17位:マルコ・ベッツェッキ(アプリリア)18位:ロレンツォ・サバドーリ(アプリリア)19位:ペドロ・アコスタ(KTM)20位:ミゲル・オリベイラ(プラマック・ヤマハ)リタイア:ブラッド・ビンダー(KTM)リタイア:フランチェスコ・バニャイア(ドゥカティ)