MotoGP 最終戦バレンシアGPのフリー走行は、断続的に強い雨が降る厳しいコンディションとなった。その中で3年連続5回目のタイトルを獲得、ホームグランプリに凱旋を果たしたマルク・マルケス(Repsol Honda Team)がトップタイムで初日を終えた。FP1は、強い雨が降った影響でコース上の一部が冠水し、セッション開始直後に赤旗中断となった。
その後、セッションは再開され、マルケスが積極的な走りを見せてトップタイムをマーク。FP2は、セッションを通じて雨量の多い難しいコンディションとなったが、フロントにミディアム、リアにソフトコンパウンドのタイヤを選択したマルケスは、ロングランを行い、決勝のシミュレーションを行った。バレンシアGPでは、最高峰クラスで14年に優勝しているが、それ以降は、チャンピオン決定戦の舞台になるなど、優勝がない。しかし、チャンピオンを決め、凱旋レースとなった今年は、シーズン10勝目と2回目の大会制覇に向けて、伸び伸びとした走りを見せている。ラストランとなるダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)は、FP1では18ラップをこなし5番手。FP2ではウエットコンディションのフィーリングを確認する程度の走行とし、5ラップを走行してこの日の走行を切り上げた。過去、バレンシアGPでは通算7勝(うち最高峰クラス4勝)を上げている。過去19年のバレンシアGPの歴史でもっとも優勝しているライダーだけに、地元ファンも、ラストランでの優勝、表彰台に期待を寄せている。ケガで欠場のカル・クラッチロー(LCR Honda CASTROL)の代役として2戦連続で出場のステファン・ブラドルが16番手。FP1で転倒を喫したが、快調にラップを重ね、2戦連続ポイント獲得に向けてまずまずのスタートを切った。ルーキー・オブ・ザ・イヤーに王手のフランコ・モルビデリ(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)が18番手。中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)が20番手。トーマス・ルティ(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)が23番手と苦戦のスタートとなった。MotoGPルーキーの3選手は、ウエットコンディションでの経験が少ないため、この日はフィーリングを確認しながらの一日となったが、2日目のフリー走行、予選でのタイム短縮とポジションアップが期待される。マルク・マルケス(MotoGP 1番手)「正直、今日は難しい一日でした。ウエットコンディションで、かなりの雨量があっただけでなく、とても寒かったからです。路面に水がたくさんあるときは、ギャンブルのような走りになり、唯一できることは転倒しないようにすることでした。こうした状況では物事がさらに複雑になりますが、幸いこのサーキットは水はけがとてもよく、とてもグリップがいいので、最後まで走ることができました。マシンの感触はとてもよくて、限界を感じることができました。速く走ることもできました。これはとても重要なことです。明日の天気は少し回復しそうですが、日曜日にまた悪くなりそうなので、表彰台争いをするにはどのようなコンディションになってもいいように準備を整えておく必要があります」ダニ・ペドロサ(MotoGP 5番手)「今週末は、かなり雨が降りそうです。水が増えると路面コンディションが変わり、走るのが少し難しくなります。今日の午後がそうでした。そのため数周しか走りませんでした。また、FP1のように路面の水が少ないときはかなり速く走ることができます。いずれにしても、どのようなコンディションになるか様子を見なければなりません。これはタイヤの選択やレースのリズムにも影響してきます」ステファン・ブラドル(MotoGP 16番手)「今日は両方のセッションでかなりの雨が降り、トリッキーなコンディションでした。みんなレインタイヤの数を少し気にしていましたが、それは僕も同じです。そのためいつもよりあまり周回しませんでした。いいペースを見つけることができたのでよかったです。この状況に満足しています。午後は雨量が多く、続けて走る意味がないと感じたのでタイヤを少しセーブしましたが、フィーリングはとてもよかったです。しかし、リアから転倒してしまいました。今日はとても難しいコンディションでした。水が路面にあるときもあれば、5分後にはそれが大きく改善されているからです。明日どうなるか様子を見たいと思います。明日は少し天気が回復すると聞きました。FP3はおもしろくなると思います」フランコ・モルビデリ(MotoGP 18番手)「雨のため難しい日になりましたが、今シーズンはあまり雨の中走ることがなかったので、ウエットコンディションでのマシンの状態を理解するいい機会になりました。いい経験になりましたし、前進することができました。でも残念ながらFP2でもっと速いタイムを出す最高の瞬間を逃してしまいました。でも全体的にはいい日でした」中上貴晶(MotoGP 20番手)「2セッションともにコンディションがあまりよくなく、難しい一日でした。雨量が多いときはコースに川ができて、ストレートでもスピニングしている状態でした。雨の走行は得意ではないので、できるだけコースにとどまってウエット攻略につとめました。前戦マレーシアGPに比べれば、ウエットコンディションでは少し前進できたと思います。課題は、ブレーキングからの倒し込みで、その部分で大きくタイムロスしています。明日もウエットコンディションになれば、今日の課題克服に全力を傾けたいです」トーマス・ルティ(MotoGP 23番手)「路面にたくさんの水があってかなりエキサイティングな日になりました。FP1で赤旗が出たときはかなり危険な状態でした。FP1では限界を見つけることが一番の課題でした。もっと速く走ることができたと思うのですが、僕の準備ができていなくて、その限界は見つけることができませんでした。FP2では最初かなりの水がありましたが、その後雨量は少なくなりました。明日の予選に向けてレインタイヤを少し残すことが重要でした」
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