MotoGP 第16戦日本GPのフリー走行は、不安定な天候の中で行われ、MotoGPクラスは、午前中のFP1がドライ、午後のFP2がウエットコンディションとなり、カル・クラッチロー(LCR Honda CASTROL)が2番手、タイトル王手で今大会を迎えたマルク・マルケス(Repsol Honda Team)が4番手で初日を終えた。朝方、青空が広がったツインリンクもてぎだが、次第に雲が空を覆い、正午から午後に掛けて雨になった。そのためFP2でタイムアップを果たせたライダーはおらず、MotoGPクラスは、FP1のタイムが初日の総合順位となった。
トップタイムはアンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ)で、1秒差に9台というセッションとなった。その中でクラッチローは、前後ソフトタイヤでスタートし、セッション終盤にリアにミディアムを入れて2番手タイムをマークした。ウエットコンディションになったFP2は、リスクを避けるために走行を回避し、2日目のフリー走行、予選に挑むことになった。タイトルに王手をかけているマルケスは、フロントにソフト、リアにミディアムでスタート。午後の天候が不安定なことから、セッション終盤にフロントにミディアム、リアにソフトを入れてベストタイムを刻み4番手で初日を終えた。マルケスも、ウエットコンディションになった午後の走行は、ピットで待機。路面が完全に乾くのを待ったが、ドライコンディションにならなかったことから、走行しないままFP2を終えた。以下、Honda勢は、ダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)が11番手。微妙なコンディションとなった午後のFP2ではトップタイムをマーク。2日目のフリー走行、予選に向けて上り調子をアピールした。ホームGPを迎えた中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)は、フロントにソフト、リアにミディアムを入れて走行に挑み13番手。微妙なコンディションとなったFP2は、セッション終盤に3ラップ。路面を確認して走行を終えた。フランコ・モルビデリ(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)は、FP1で転倒を喫し20番手。チームメートのトーマス・ルティは25番手。2日目のフリー走行と予選でポジションアップに挑む。カル・クラッチロー(MotoGP 2番手)「今日はとてもよい一日でした。FP1にはとても満足しています。状況を分析する必要がありましたが、トラックコンディションはそれほど悪くなく、タイムもコンペティティブでした。もう少し改善が必要なセクターはありますが、全体としては満足しています。天気予報では土日はドライになりそうなので、午後はリスクのほうが大きいと思い、FP2ではコースに出ませんでした。チームやHRCとともに今夜も作業を続けます。明日の予選が楽しみです」マルク・マルケス(MotoGP 4番手)「午前中はドライで感覚がよかったので、ウエットとドライの入り混じったコンディションとなった午後は、走行しないことを選択しました。もちろんそのような状況も得意です。FP1では、しっかりと戦えると感じられたので、いい方向性で乗ることができたと思います。そのため、自分たちの状況を早い段階で把握することができ、このウイークはドヴィが速そうだということも分かりました。いずれにしても、それは関係なく自分たちのいつも通りのメンタリティーをキープして、作業を進めていこうと思います。細かい部分についていえば、加速やブレーキングの安定性など調整が必要なことが多いですが、まだまだよくできる部分が残っています」ダニ・ペドロサ(MotoGP 11番手)「今日は、序盤に少し苦戦して、マシンのセットアップを調整しなくてはなりませんでした。準備を終えて午後を迎えたのですが、雨のために、FP2開始前にコンディションが悪化してしまいました。ミックスコンディションで走行することに意味があるのか確信が持てなかったのですが、最終的にはなんとか感覚を少し改善することができたので、ポジティブにとらえています。最後の数ラップはスリックタイヤで走ることができたので、明日もし雨が降った場合に備えることもできたと思います」中上貴晶(MotoGP 13番手)「MotoGPで初めてのもてぎなので、映像やデータを確認して勉強しました。でも、Moto2で走っていたときとは、全く違うサーキットのように感じました。複合コーナーではハンドリングが重要だと気づき、旋回性を上げることに取り組みました。FP3は、予選並の激しい走行になると思いますが、しっかりセットを詰めて、早く見極めてタイムアップしたいと思います。初日から、こんなにたくさんの人に注目され、応援してもらえるのは初めてです。しっかりと、その期待に応えたいと思っています」フランコ・モルビデリ(MotoGP 20番手)「朝はウェットコンディションのためにいい感覚を得ることができませんでした。そして、トリッキーな一日でした。午前中は問題があって転倒してしまい、午後にはウエットで感覚が得られませんでした。その後、スリックタイヤが使えるようなコンディションになりましたが、時間がありませんでした」トーマス・ルティ(MotoGP 25番手)「今日はフラストレーションのたまる一日でした。朝はもう少しいい結果を期待していました。感じたことは、このコースをMotoGPバイクで走るのがいかに難しいかが分かったということです。また、ミスも多く、このため、よりよいリズムをつかむためにミディアムタイヤを使い続け、ソフトタイヤを使うことができませんでした。FP2直前のウエットコンディションで状況が難しくなってしまいましたが、セッションの終盤にはトラックが乾いてきてスリックで出ることができました。明日はドライコンディションでレースに向けたセットアップができることを願っています」