MotoGP 開幕戦カタールGPの予選は、終日、強風が吹き荒れ、砂煙に苦しめられる厳しいコンディションとなった。しかし、予選では、2008年にホルヘ・ロレンソ(当時ヤマハ)がマークした1分53秒927のサーキットベストタイムを、フロントローに並んだ3選手が10年ぶりにブレイクするハイレベルな戦いとなった。この日の1回目の走行となるFP3は14時35分から15時20分までの45分間で行われた。このセッションは風と砂煙がもっともひどい時間帯となり、前日のタイムをほとんどの選手が更新できなという厳しい状況だった。
しかし、日没後の19時20分から19時35分までのQ1、19時45分から20時までのQ2は、風がやや弱まり、マルク・マルケス(Repsol Honda Team)が1分53秒882の好タイムをマークして2番手グリッドを獲得。シーズン開幕戦の決勝をフロントローから挑むことになった。昨年の大会は4位に終わり表彰台を逃したが、明日の決勝は、優勝はもちろんのこと、表彰台獲得を目標に挑む。初日のフリー走行で8番手につけたカル・クラッチロー(LCR Honda CASTROL)が、予選でも好走を見せ4番手につけた。フロントロー獲得は逃したが、ウインターテストの好調をしっかりアピールした。昨年の大会は予選9番手からリタイア。今年はトップグループの戦いに加わり、優勝、そして表彰台獲得を目指す。初日7番手のダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)は、セッション中にフロントロー獲得を期待させるタイムをマーク。最終ラップのアタックまで3番手につけていたが、大接戦の戦いの中で7番手へとやや後退し、3列目から決勝に挑むことになった。期待するフロントローは獲得できなかったが、マルケス、クラッチローとともに、優勝、そして表彰台獲得が期待される。初日18番手のフランコ・モルビデリ(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)が、初めて経験するMotoGPクラスの予選で、ルーキー勢トップの14番グリッドを獲得した。チームメートのトーマス・ルティは、フリー走行19番手から1つポジションを上げて18番グリッド。初日15番手とまずまずのスタートを切った中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)は、FP4で転倒を喫し、その影響でセカンドバイクでQ1に挑むことになり、思うようにタイムを伸ばせず23番手へと後退した。決勝では、後方からの追い上げのレースが期待される。マルク・マルケス (MotoGP 2番手)「プレシーズン中は、一生懸命に取り組んできました。この結果はとてもうれしいです。このサーキットでは、かなりの仕事をこなしてきましたが、マレーシアのセパン同様、あまり得意なサーキットではありません。今日はシーズン最初の本当の「タイムアタック」となり、フロントローを獲得しました。ここはいつもならかなり苦戦するところなので、とても満足しています。目標はフロントロー獲得だったので、それを達成できて、まるでポールポジションを獲得したような気分です。ヨハン(ザルコ ヤマハ)はすばらしい走りをしました。彼は僕たちより一歩前にいました。とにかく決勝レースは厳しく長いものになると思います。安定したペースをキープしていいレースにしたいです」カル・クラッチロー (MotoGP 4番手)「1分54秒の壁を越えれなかったことが残念ですが、4番手を獲得できて十分うれしいです。ポジティブなことはマシンの感触がとてもよかったことです。でも、小さなミスがいくつかありました。それでコンマ数秒落としてしまいました。フロントローの3人にはおめでとうと言いたいです。彼らはこのようなコンディションでもうまく走りました。とても忙しいセッションでしたが、次はレースに集中しなければなりません。これがレースウイークで一番大事なことです。明日に向けてすばらしいペースがあります。とても快適で、自信もあります。でも19戦ある長いシーズンなので、いい形でシーズンをスタートできたら最高です。目標はもちろん表彰台ですが、それが達成できなかったらチャンピオンシップのことを考えなければなりません」ダニ・ペドロサ (MotoGP 7番手)「この結果に100%満足していませんが、だからと言って、喜んでいないわけでもありません。コンディションは期待していたものとは違いました。僕にとってここは完ぺきなサーキットではありません。それに加え、ここの予選はいつも難しいです。ポジティブなことはFP4でマシンのセットアップを少し進めることができたことです。このサーキットは、風と砂の影響でコンディションが毎日変わります。セッション毎に変わるので、明日のコンディションがどうなるか様子を見なければなりません。タイヤの選択はスタートと同様に決勝レースのカギになると思います。予選7番手なので、いいスタートを切って、トップグループとうまくバトルをして、いいリズムをつかまなければなりません」フランコ・モルビデリ (MotoGP 14番手)「初めてのMotoGPの予選は、感触がよかったです。アドレナリンが流れました。ここで行ったウインターテストのタイムを再現できたことがうれしいです。まだコーナー出口の加速に少し苦戦していますが、チームがセットアップで解決策を見つけてくれると思います。僕のレースペースは、ポイント獲得争いができると思います。もしそれが実現できれば、MotoGPのデビュー戦としてはとてもいい結果です」トーマス・ルティ (MotoGP 18番手)「初めてのMotoGPの予選は僕にとって、とてもポジティブでした。特にラップタイムが上がりました。15分しかないので簡単ではありません。速いタイムを出すためにはいいプランが必要です。チームは多くの経験があるので、僕は自分のライディングに集中しました。タイヤのエッジの限界を感じられるにようになってきたのはいいことです。引き続き、初めてのMotoGPのレースに向けて調整して準備を整えたいです」中上貴晶 (MotoGP 23番手)「FP4で左の15コーナーで転びました。このとき初めてフロントにハードを入れて走ったのですが、フロントブレーキを握っていったときにフロントから転んでしまいました。そのため、Q1はフロントにミディアム、リアにソフトを入れて、転倒していない方のセカンドバイクでアタックすることになったのですが、リアホイールのセンサーに不具合が出ました。電子制御がきちんと作動せず、ちゃんとアタックできませんでした。そもそも自分が転倒したことがいけなかったのですが、とても残念でした。明日は気持ちを切り替えて挑みたいです」
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