クリスチャン・ホーナーがMotoGPパドックに姿を見せたことで、今後の動きに新たな視線が集まっている。レッドブルF1を離れた後も復帰の意欲を隠していないホーナーだが、その選択肢はF1に限らない可能性が浮上した。MotoGPという新たなフィールドへの関与、さらにはチーム買収の可能性まで含め、モータースポーツ界全体に波及する動きとなるかが注目される。
ホーナーがヘレスで確認された意味スペインGPの予選を前に、クリスチャン・ホーナーはF1 CEOのステファノ・ドメニカリとともにMotoGPパドックに姿を現した。土曜朝にはホンダのファクトリーガレージに入り、ホンダ・レーシング社長の渡辺康治と会話する様子も確認されている。ホーナーはレッドブル時代にホンダと強固な関係を築いており、その延長線上にある接触と見ることもできるが、タイミングと場所を考えれば、単なる旧交温め以上の意味を持つ可能性がある。MotoGP参入の可能性を本人が言及MotoGPチーム買収の可能性について問われたホーナーは、関心を否定しなかった。「昔からMotoGPの大ファンだったし、少し時間がある今、選手権を見に来る良い機会だと思った」「今は新しいオーナー体制の下にあるし、バイクやその進化を見るのは素晴らしいことだ」「前に現地で見たのは2005年のエストリルだから、かなり久しぶりだ」「今のMotoGPはとても興味深い時期にある。新しいオーナーの下で変革の時期を迎えている」「実際に来てみて初めて、このマシンがどれだけ常軌を逸しているかが分かる」「スポーツとして非常に多くの可能性がある。F1での経験を持つリバティが、その価値を引き出せるはずだ」「ステファノは非常に情熱的だし、今日は彼と一緒に来ている。シナジーは生まれるだろう」F1復帰かMotoGP参入か 分岐点に立つホーナーホーナーはF1復帰について、チーム株式取得という形での関与を最も現実的なルートとしてきた。実際に今季はアルピーヌへの出資の可能性も取り沙汰されていた。一方で、MotoGP側にも大きな変化が起きている。リバティ・メディアによるドルナ・スポーツ買収によって、F1と同じグループ傘下に入ったことで、両カテゴリー間の人材・資本の流動性が高まる構造が整いつつある。すでにギュンター・シュタイナーはKTMのテック3チームを率いるコンソーシアムに関与しており、F1関係者のMotoGP進出は現実の流れとなっている。MotoGPが持つ“参入のしやすさ”MotoGPはF1とは異なり、シャシー開発義務がない。独立チームはメーカーから完成車両を購入して参戦できるため、参入コストを抑えた運営が可能となる。これは新規投資家にとって大きな魅力であり、ホーナーのようにチーム運営の経験を持つ人物にとっては、より現実的な選択肢となり得る。さらに2027年からの新たな商業契約に向けて、チームと主催者側は条件改善の交渉を進めており、投資リターンの観点でも環境は変わりつつある。ホーナーの今回の動きは単なる視察ではなく、F1とMotoGPの構造変化を見据えた“次の一手”の布石と見るべき局面にある。